森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

Profile

森の声

森の声

2007.11.30
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
最初にワークショップのお知らせです。

子育てワークショップ in 茅ヶ崎
「2才から7才までのしつけ」
(気質と、子どもとのコミニケーションからしつけを考える)

日時: 2008年1月20日(日) 10:00~11:50
詳細は チラシ をご覧になって下さい。
講師は私です。
2才以上のお子さんの保育あります。


 7才までのしつけで一番大切なことは子どもとの間にしっかりとした信頼関係を築くことです。“あれをしてはいけない”、“これをしなさい”と子どもを追い立てることではありません。ましてやお母さんの言うことを素直に聞く子どもに育てることでもありません。
 それだけでは心配ですか?
 でも、お母さんとしっかりとした信頼関係でつながっている子は、優しくて、賢くて、精神的に安定しているものなのです。(但し、大人しいということではありません。気質の問題もありますから。)そして、そういう子は大人の言葉にも素直に耳を傾けることが出来ます。ですから必要以上にしつけで悩むこともないのです。
 それに対して、お母さんとの信頼関係が築けていない子は落ちつきがなく、大人の言葉を聞こうとはしません。それで、指示や命令が必要になり、しつけに悩むようになってしまうのです。

*******************************

昨日、「モンスターマザー」(石川結貴著/光文社)という本をご紹介しましたがついでなので少しこの本の内容に沿って書いてみます。
重要な問題点がいくつも指摘されているからです。

本の中半くらいまでは、様々なお母さん達のモンスター的な姿をパターンに分けて紹介してあります。

その部分に関しては明日扱います。
でも、今日は“なぜそのようなモンスター的なお母さんが増えてしまったのか”という事に対する石川さんの推察について考えてみます。

まず、その大きな要因として90年代の半ば頃から育児雑誌などに現れだした“がんばらなくてもいいんだよ”、“あなたはあなたのままでいいんだよ”という考え方をあげています。


小さい時から頑張ることを強いられ、いつでも評価を気にして、他人との競争に明け暮れていた子どもが親になった時、子育てという場でも評価を求めて頑張って苦しんでいるお母さんが多いからです。

でも、子育ての場では頑張っても頑張っても報われません。
評価も上がりません。
だからといって、頑張らないやり方も分かりません。
それに、お母さんがどんなに頑張っても、子どもがそれに合わせてくれるわけではありません。


それなのに、みんな“それが母親の仕事なんだから当たり前でしょ”という目でしか見てくれない。
それで、イライラし、怒りが湧いてきて、その怒りが子どもに向けられてしまう。

また、90年代半ばに若いお母さんだった人たちが子どもの頃は高度経済成長が真っ盛りの時で、子どもは家事を手伝わなくても勉強をしていれば許される時代でした。
また、急激に家電製品が出回り、実際手伝う必要もなくなっていました。

そんなことより、一生懸命に勉強して、いい学校入り、いい会社に入って社会の中で成功することの方が大切だと考えられた時代なんです。
また、群れ遊びが消え、ゲームが出現し、個室でのおもちゃ遊びが急激に広がり始めた時代でもあるとおもいます。
つまり、幼い時に多くの人との関わりを体験していないわけです。

ということは、この時代の子どもたちは、子育ての場で役に立つような知識、能力、体験をほとんど学ぶことなく大人になってしまったということです。
その代わり、評価を気にして、競争し、頑張る癖だけはしっかりと身につけていました。

それで、子育ての場でも頑張ろうとしたわけです。
でも、いくら頑張っても報われない、頑張れば頑張るほど苦しくなり、それが子どもに向けられてしまう。そんな状態の中で自己嫌悪に取り憑かれていたお母さん達に“がんばらなくてもいいんだよ”、“あなたはあなたのままでいいんだよ”というメッセージは共感を持って受けいれられました。

そして、今ではそれがお母さんが好んで読むほとんどの育児書のテーマになっているのではないでしょうか。とにかく人は自分を否定されるような言葉を聞きたくありませんからね。
そして、育児書は売れないことには商売になりませんから。

確かに、その言葉に救われたお母さんも多かったでしょう。でも、“がんばらなくてもいいんだよ”という言葉を“大変なことはやらなくてもいいんだよ”と解釈した人たちも多かったようです。
いや、そっちの方が多かったのかも知れません。

それで、お母さん達は次々と大変なことはパスするか、人任せにするか、手を抜くかするようになってしまいました。一昔前だったら、そういう“手抜き”には後ろめたさがあったのですが、専門家達がこぞって“がんばらなくていいんだよ”というお墨付きを出してしまったため、お母さん達は堂々と手抜きが出来るようになってしまったのです。

また、育児産業もそれを後押ししました。積極的にお母さんが育児から手を抜くお手伝いをしたのです。お母さんに手を抜いてもらうと商売になりますからね。
それで、簡単便利な育児用品がいっぱい売れるようになったわけです。

石川さんはまず最初にそのことを指摘しています。

もちろん、これは“がんばらなくていいんだよ”という言葉が悪いわけではありません。それに、この時代は急激に合理化、機械化がすすみ、社会が壊れ、自然が壊れていた時代なので、この言葉はそういう流れへの自戒的な意味も込められていたのではないかと思います。
つまり、社会の流れの中で必然的に出てきた言葉だろうということです。

でも、一度手を抜く楽(ラク)さを体験してしまうと、自分にとって大切ではないと思われる部分は次々と手を抜きたくなるものです。また、会社での仕事と違って子育てではそれが出来てしまうのです。
頑張っても評価がないから苦しかったのですが、逆にどんなに手抜きをしても評価がないからラクなのも子育てなんです。
ですから、 子育ての場ではその人の本当の人間性が試されるわけです。

それで、評価に苦しめられていた人たちがそこで息抜きを始めたわけです。
でも、他者による評価が消えてしまった場では、全ての物事が自分中心に動き出します。 評価によって支配されていた人が今度は子どもを評価する支配者に変化するのです。
(これは学校という場でも時々起きているようです。)

そういう場で、子どもがバランスよく育つわけがありません。
子どもの心とからだがバランスよく育つためには、生活の中にもバランスが必要だからです。
お母さんの好き嫌いだけで回っている生活にバランスがあるわけないのです。
そして実際子どもたちの心とからだの状態に様々なトラブルが生まれています。
子どもたちが人間として成長できなくなってしまっているのです。

どんなに苦手でも、嫌いでも、人間としてやらなければならないことはちゃんとやらなければならないのです。それが、人間として生まれたものの最低限の義務なんです。

じゃあ、また頑張らなくてはいけないのかというと私はそういうことを言っているわけではありません。
“頑張る”というやり方は子育てには向いていないからです。
人との競争の場では頑張るということも必要でしょうが、子育ては競争の場ではないからです。ですから、90年代半ばに専門家達が“がんばらなくてもいいんだよ”と言った言葉にも間違いはないのです。

でもだからといって、“じゃあ、やりたくないことはやらなくていいのか”というとそれも違います。そこで間違いが起きてしまったのです。専門家も、世のお母さん達に迎合するためにそこは口を濁してしまいました。育児書や育児グッズ産業からの圧力もあったのかも知れません。

嫌なことであろうと何であろうと、子どもにとって、家族にとって必要なことはやらなければならないのです。それは母親だけでなく父親でも全く同じです。

それは“役割を果たす”ということです。ですから、広く考えるとどんな立場の人でもそれは同じです。母親だけに責任を求めているわけではありません。

それと、その役割の内容は固定されたものではありません。
夫婦で役割を決めてもいいのです。家事をご主人がやって、仕事をお母さんがやってもいいのです。でも、それでも自分の役割はきちんと果たすべきなんです。
そうしないと、家族が崩壊して、社会が崩壊して、人類が退化してしまうからです。

役割を引き受けること自体を拒否してしまっては社会人としてやっていけないのです。
会社で働いていたらそんなこと許されません。すぐにクビです。
でも、子育ての場では職場放棄していてもクビにはならないのです。

繰り返しますが、でも、だからといって私は“頑張れ”とは言いません。
お母さんが子育てに頑張ったら子どもが迷惑します。

そうではなく、私が言いたいことは“頑張らなくてもできるように工夫してみてください”、“頑張るのではなく楽しむように心の持ち方を変えてみて下さい”ということなんです。

例えば、“朝忙しくて子どもを追い立てて、グズグズしている子どもを叱ってしまう”という相談がよくあるのですが、多くの場合、そんな問題はお母さんが朝30分早く起きるだけで解決してしまうはずなんです。

でも、お母さんは“たしかにそうなんですけどね・・・、でも・・・”と言います。
自分の時間も欲しいし、朝はゆっくりと寝ていたいし・・・。

何かを得るためには何かを捨てなければなりません。
それはしょうがないことなんです。

でも、それが捨てられない。だから荷物をいっぱい抱え込んでしまう。だから頑張らないと出来なくなってしまう。だから苦しくなってしまう。だから、手抜きが出来るところから手を抜く。でも、実際にはそのことでトラブルが増えまた荷物が増えてしまう。子育てでも小さい時に手を抜くと幼稚園に入り始めた頃からトラブルがでてきます。その頃に出てこなくても、思春期が近付く頃にもっと過激な状態で出てきます。そうして、一生子どもに縛られることになります。すると、生きること自体が苦しくなってしまいます。

私はいつもお母さん達に「子育てには二種類あるのですよ」と言っています。
それは、「だんだんラクになる子育て」と「だんだん苦しくなる子育て」の二種類です。
どっちがいいですか。
ちなみに選択肢はこの二つしかありません。
ズーッとラクなままの子育てなど存在しないのです。

もし、だんだんラクになる子育てを選ぶのなら最初のうちはちょっと我慢が必要です。
頑張れとは言いませんが、自分の欲を抑える我慢は必要なんです。そして、工夫も必要です。 我慢しているだけで工夫がないと辛くなります。でも工夫があると楽しくなるのです。我慢が報われるからです。

すると、子どもが幼稚園に行くようになってグッと楽になり、小学校に行くようになって更にラクになり、思春期になってもっともっとラクになります。

寂しいですけどね・・・・・。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.11.30 13:02:10
コメント(10) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: