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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.01.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(続きです)

ということで、今度は“自己肯定観の育て方”というタイトルで書いてみます。
すると、“強い心”の時とは違った話になってきます。

“強い心を育てる”という考え方の根底には“今はまだ強くない”という前提があったわけです。つまり、比較の問題です。

でも、“自己肯定観の育て方”という考え方ではその辺がちょっと違ってきます。なぜなら、幼い子どもにはまだ“自己肯定観”そのものが存在していないからです。というより、“自己”、つまり“自分”という感覚そのものがまだ出来上がっていないのです。だから、“育てる”ということになるわけです。

これは、低くなってしまった大人の自己肯定観を高める場合とは本質的に異なっています。実は、低くなってしまった大人の自己肯定観を高めるのはなかなか困難なんです。ゆがんだ形に育ってしまった木の形を直すようなものだからです。

そのゆがんだ形は、その人の心の歴史そのものです。
だから、その心の歴史が変わらないことには、そのゆがんだ形も変わりようがないのです。周りの人がその形を変えようとどんなに一生懸命になってもその歴史が変わらない限りその形も変わらないのです。そして、その歴史は本人にしか変えることが出来ません。

でも、子どもの“自己”は、まだ種の状態です。ですから、その成長に必要な栄養や関わり方を満たしてさえいれば、自然と素敵な木(自己)が育っていくのです。


そして、人間にもこの違いはあります。そこに優劣はないのですが、質の違いはしっかりとあるのです。その違いは赤ちゃんの時から、いやお腹の中にいる時からあります。

うちには四人子どもがいますが、みんなお腹の中にいる時から、そして生まれたばかりの赤ちゃんの時から違っていました。

でも、その違いを無視してリンゴの木を杉の木のように育てようとする時、木の形はゆがみ、リンゴらしくないおかしな木になってしまうのです。そして、“私はどうして立派な杉になれないのだろう”、“私は不良品だ”、“みんなの期待に応えることが出来なくて申し訳ない”、“こんな役立たずの自分なんかいなくても同じだ”という思いばかりが大きく成長してしまうのです。
これが自己肯定観が低い状態です。

最初にも書いた通り、そのような状態になってしまった大人を変えるのはなかなか困難なことです。なかなか自分が“リンゴの木”だということを認めたがらないからです。リンゴの木なのに、“リンゴの木にだけはなりたくない”とこだわるのです。自分がリンゴらしく見られてしまうことに恐怖心を感じます。

わが子を杉のように育てたい人は何かというとすぐにリンゴの木のように曲がってしまうわが子を否定し、どうにかして杉のように真っ直ぐに育てたいと頑張ってしまいます。
それで、子どもが幼い時から杉に対するあこがれと、リンゴに対する侮蔑観を意識的に植え付けようとするのです。子どものためを思って・・・。

でも、リンゴの木はリンゴの木です。真っ直ぐには成長しないのです。それがまたリンゴの木の良いところでもあるのですが、それを否定されて育っているとその自分らしいところがみな短所に思えるようになってしまうのです。
実がなると、恥ずかしくてその実を人に見られることを恐れて大きくなる前にそっと自分で落としてしまうのです。杉の木に実がなったら変ですからね。
でも、実(み)は自然に出来てしまうのです。なにしろリンゴの木ですからね。
それで、落としても落としてもこんな“おかしなもの”が出来てしまう自分を恥ずかしく感じるのです。



つまり、“グズでノロマ”という短所が、“落ちつきがあってゆったりしている”という長所なのかもしれないということです。

そのように、わが子を無理矢理杉に育てようとする大人は素敵なリンゴの木を知らないのでしょう。
多分、その人も無理矢理杉のように育てられた“杉もどき”なのかもしれません。“杉もどき”だからこそ、“杉らしい杉”に必要以上にこだわるのです。
でも、本当の杉の木は“杉らしさ”にはこだわらないものです。それが自然な状態なのでこだわる必要がないからです。

杉だけではありません。リンゴらしいリンゴの木も、桜らしい桜の木も自分に対するこだわりはないのです。自分に素直であればいいので、“○○でなければならない”という考え方は必要がないからです。ですから、そういう木(人)は他の人に対しても“○○らしさ”を強要しません。







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Last updated  2008.01.07 06:22:15
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