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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.02.24
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以下は昨日の朝日新聞の夕刊の記事です。長くない文章なので全文を引用させて頂きました。




 ひとりぼっち。孤独。「孤」という字は親を亡くした子どもの気持ち、「独」という字は、子どもを亡くした親の気持ちを表すそうです。
 人間もチンパンジーも、生まれたときはひとりぼっちではありえません。必ず親がいます。しがみつき、抱きしめる。目と目をあわせ、ほほえみあうように生まれついています。そうした子どもがもし親から引き離され、ひとりぼっちになったとしたらどうでしょう。きっとうつろな目をして、背中をまるめて、ひざを抱え込むでしょう。不安で食事ものどを通らないでしょう。
 テレビ番組やコマーシャルにでてくるチンパンジーはみな子どもです。顔が肌色なのは子どもの証拠です。おとなは色素が沈着して顔がまっ黒になります。母親から無理やり引き離したか、親が育てあぐねるのをみて人間が取り上げました。そうした子どもは生きるのに必死です。
 育ての親である人間の顔色ばかりをうかがいます。言われたとおりのしぐさをします。「笑顔」にみえるかもしれませんが、歯茎をだして□を開けた表情は、不安を示す「泣きっ面」です。


昨日もテレビに「パンくん」というチンパンジーが出て頭のいいところを見せていました。
確かにすごく頭が良くて、人間の言うことを良く理解します。そして、(出来る範囲内で)人間の言うことをよく聞きます。
でも、チンパンジーに人間の真似をさせて面白がっている内容に違和感を感じます。そこには“チンパンジーらしさ”が全然ありません。

チンパンジーにチンパンジーらしくない人間の行動を真似させるということは、チンパンジーのチンパンジーらしさの否定に他なりません。でも、チンパンジーは人間の真似をしていないと褒めてもらえません。それは餌と愛情を失う事につながります。だから、一生懸命に人間の真似をして良い猿を演じます。

さて、ここからが本題です。
上の文章を“チンパンジー”を“子ども”に、そして“人間”を“大人”に置き換えてください。
そして、本当に今子どものこのような状態を強く感じるのです。

私は16年間子どもと関わる仕事をしています。

でも、その“いい子”が不自然なんです。

最初の頃の子どもたちはお菓子作りをしたり、焼き芋を焼いたりした時は先を争って食べていました。でも、最近自分で作ったのに“いらない”とか、“ママにあげる”と言って自分では食べない子が多いのです。(相対的に増えてきたと言うことです。昔はそういう子はあまり見かけませんでした。)ここ4,5年の変化です。

また、“どんなの作ったらママが喜ぶかな”とか、“これママに上げるんだ”と言ってママのために作る子も多いです。つまり、自分のために作らないのです。

また、昔は疲れた、かったるいと言いながらでも自分が作ったものは大切に持って帰りました。でも、最近自分で作ったのに持って帰らなかったり、嬉しそうではない子が多いのです。
その逆に自分らしい作品を作る子で、作ったものを持って帰ろうとしない子もいます。
ある子は、自分らしい面白い作品を作ったので“こんなの作ったよってお母さんに見せようか”と言ったら、真顔になって顔を横に振りました。分かりやすく上手にできた作品は持って帰るのですが、一見何が何だか分からない作品は親に見せたくないようです。私にはそっち方がずっとその子らしいと思うのですが・・・。

最近、全体的にみんな“いい子”になってきたのです。ですから私が“コラー”と怒鳴る必要も無くなりました。
でもそれとともに、奇抜な発想をしなくなり、大人しく、エネルギーが弱い子が増えてきました。特に男の子達が軟弱になってきました。
だから造形でも常識的なものしか作りません。以前の子どもたちは結構大きな大作にも面白がって挑戦したのですが、最近の子にはそれだけのエネルギーがありません。
簡単に言うと、子どもが子どもらしくなく“ミニ大人”のようなのです。

その原因の一つとして考えられるのが“しつけ”の変化です。

でも、うさぎに“はねるな”と要求するのはしつけではありません。
上手なはね方を教えてあげるのがしつけです。
鳥に“飛ぶな”と要求するのもしつけではありません。上手な飛び方を教えてあげるのがしつけです。
チンパンジーに洋服の着方を教えるのもしつけではありません。木の登り方を教えるのがしつけです。

そして、子どもに“ケンカをするな”というのはしつけではありません。


うさぎに“はねるな”、鳥に“飛ぶな”と要求することは虐待と言います。
子どもに大人らしさを求めるのもまた虐待です。
チンパンジーの芸のように、一見自分から進んでやっているように見えても、大人の要求に応えないと自分の居場所を確保出来ない子どもの立場を利用して“子どもらしくないこと”を要求するのは虐待なのです。

ちなみに、2才の子にジーと座って、大人しくご飯を全部食べさせようとするのも虐待ですからね。

<続きます>





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Last updated  2008.02.24 08:36:46
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