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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.02.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
昨日「最近のしつけは、子どもに“大人らしさ”を求めるものばかりです」と書きました。

実は本当に多くの人が勘違いしているのですが子どもは単純に大人を未熟にした存在ではありません。ですからただ経験を与え、知識を教え、技術を身につけさせれば大人のようになるわけではないのです。
もしそれが可能ならそのようなものを効率的に与えることで“子ども時代という無駄な時間”を省くことも出来ます。でも、実際には 子ども時代には子どもの価値観に合ったものしか子どもは受けいれることをしません。
つまり、子どもはちゃんと自分に必要な情報や体験や感覚を自分で選択しているのです。そのことを理解していないとただ押しつけるだけになってしまいます。そして、大人はイライラし、子どもは自分に必要なものが与えられず心とからだに成長障害を起こし、自己肯定観を低くします。

また、子どもの心や感覚には子供用のフィルターがあって、そのフィルターに適合したものしかそのフィルターを通り抜けることが出来ません。また、そのフィルターは子どもが見たり聞いたり感じたりしたものを子どもの心とからだが消化出来る形に変容させる働きもしています。

本来、この働きは子どもだけのものではありません。アメリカ人にはアメリカ人のフィルターがあり、日本人には日本人のフィルターがあるのです。また、個人個人もまた異なったフィルターを持っています。気質もまた一つのフィルターです。障害を持った子にもその障害特有のフィルターがあります。
ですから、お互いにそのフィルターの存在に気付かないとコミュニケーションが出来なくなります。
それは、同じ言葉、同じ動作でもお互いに全く異なった意味になってしまうことがあるからです。また、全く通じないこともあります。

親近感を持って笑いかけたのに、相手がバカにされたと勘違いしてしまうこともあります。

また、幼い子どもに時間のことを話しても全く通じません。
私達が住んでいるところは地球という名前で、それは丸いんだよということも通じません。知識として覚えることは出来ても理解することが出来ないのです。これはどんなに丁寧に説明しても通じません。

そして、異文化、異民族との関わり合いの中で生きてきた人たちは比較的このようなものへの対応能力を持っています。それがコミニュケーション能力の土台になっているわけです。その能力がないと異民族、異文化の世界の中では平和を保つことができないのです。
でも、そのような歴史を持っていない日本人の多くは相手にもそして自分自身にもそのフィルターがあるとは気付いていません。

だから、こちらの意図が通じない時には、相手や自分の能力が足らないからだと思いこむのです。そして、自分の方が立場的に上なら自分の価値観をそのまま相手に押しつけようとします。“あんたはバカだからこんな事も分からないんだ”というようにです。
そこに悪意はないのですが、フィルターに対する理解がないのでそうとしか解釈出来ないのです。

それで、相手に自分と同じフィルターを押しつけることでコミュニケーションを図ろうとするのです。

第二次世界大戦の時にはアジア諸国でそれをやったわけです。でも、今でも自分たちがおかしいことをしたということに気付いていない日本人がいっぱいいます。
外国の人たちに日本人のフィルターを押しつけること自体が相手にとっては侮辱で、アイデンティティーの否定だと言うことに気付かないのです。
むしろ、日本の進んだ教育で彼らの遅れた文化を発展させ、みんなを幸せにしたんだ、などと考えている人までいます。

確かに物質的には豊かになったこともあったのかも知れません。でも、だからといって自分たちのアイデンティティーを否定した人に感謝することは出来ないでしょう。


そしてその状態は、現代の外交でも全くそのままです。
だから、何で韓国や中国が許してくれないのか理解出来ないのです。
彼らは別に日本に屈辱的な謝罪を求めているわけではないのです。
彼らはただ韓国には韓国人のアイデンティティーがあり、中国には中国人のアイデンティティーがあり、それをもっと尊重して欲しい、と言っているだけのことなんです。韓国や中国の人たちはそれほどバカでも欲張りでも頑固でもありません。

でも、日本人はそれを謝罪の問題だと受け取ってしまっています。だからいつまで経っても話がこじれたままなのです。自国の歴史を意識しないで生きている日本人にとっては、いつでも自国の歴史を意識しながら生きている人たちのアイデンティティーという概念自体が理解出来ないのかも知れません。


そして多くの人が子どもはバカで欲張りで頑固だと思っています。

そこで“子どものために”という名目で押しつけが始まるのです。

<続く>

明日は子どもはどんなフィルターを持っているのかということを書きます。





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Last updated  2008.02.25 15:33:13
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