森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

Profile

森の声

森の声

2008.05.05
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
5月1日に、大人に必要な能力として「受け継ぎ 守り 育て 伝える」と四つの能力をあげました。そして、“育てる能力”以外は、全ての生き物に共通だとも書きました。全ての生き物が生命や遺伝子を受け継ぎ、守り、伝えてきたからです。そして、生物が複雑になるにつれて、その内容も複雑になり、生命や遺伝子といったものだけでなく、知識や技術というものまでその対象になってきました。 それは、その生き物にとってはその知識や技術も、生命や遺伝子と同じくらい大切なものになってきたということを意味します。

人間は手を使い、考えることで環境の変化に対応し、他の生き物たちとの戦いに勝利して生き延びてきました。それは、裏を返せば人間が手を使い考える能力を失ったら絶滅するということでもあります。ですから、 人間にとっては子どもたちに人間として生きるために必要となる知識や技術を伝えることは生命を伝えることと同じくらい大切なことなんです。

人間にとって“生命を大切にする”ということは単に“死なない”、“殺さない”ということではないのです。自分自身が人間らしく生き、また他の人の人間らしさを大切にすることこそが、“人間にとっての生命を大切にする”ということなんです。その背景に“手の使い方”や“考え方”を伝えることの意味があるのです。

(今朝の朝日新聞に“白鳥の命だって人間の命と同じように大切なものなんだ”という記事が載っていましたが、でも、生命の仕組み自体は同じでも実際には白鳥の生命と人間の生命は同じではありません。そうでないと、“ゴキブリの生命も人間の生命と同じだ”、“人間の生命もゴキブリの生命と同じだ”という事になってしまいます。白鳥やゴキブリだけ別扱いする根拠など存在していないからです。また、魚は他の生き物にその大部分を食べられてしまうという前提で無数の卵を産みます。それを、“人間の生命と同じだ”という考えで全部成体にまで育てたら自然界は大混乱してしまいます。もちろん、一つ一つの生命はみんな大切です。みんな必死で生き延びようとしています。でも、魚の生命は魚のものであり、人間の生命は人間のものです。それを比較しても意味がないのです。)

そう考えていくと、今の日本は全く生命を大切にしない国になってしまいました。人間が人間としての尊厳を失い機械、合理性、効率、そして経済の奴隷になってしまいました。今子どもたちには、人間らしさより、機械を操作する能力が求められているばかりです。

その“人間らしさ”を支えている能力の根幹に“手を使う能力”と“言葉を使う能力”があります。この二つの能力は5月1日に書いた
見る力/聞く力/理解する力/覚える力/考える力/助け合う力/伝える力/工夫する力/豊かな感情と感性

など様々な能力の出発点にあるものです。 これらの能力もこの“手を使う能力”と“言葉を使う能力”が育っていく時に育っていく能力なのです。

ちなみに、多くの人がこれらはわざわざ伝えなくても、子どもたちは勝手に学んでいくものだと考えているようですが、それは違います。 人間は(他の生き物でも同じですが)自分が生きていくのに必要なものしか学ぶことが出来ないのです。
これは絶対の原理です。それは、見る、聞く、話す、感じる、動くという人間の活動を支える全てのことにおいて言えることです。生まれた時から歩く必要のない生活をしていれば歩く能力は育たないのです。考える必要のない生活をしていれば考える能力は育たないのです。 テレビで様々な情報に触れていても、知識が増えるだけで能力は増えません。テレビは見る人に能力を求めないからです。 赤ちゃんだって見ることが出来るのがテレビなんです。

実際、最近、街を歩いている若者の歩き方を見ていると、歩くのが下手な若者ばかり目立ちます。歩き方がぎこちないのです。あれでは長距離を歩くことも出来ないし、すぐに疲れてしまうでしょう。
また、筋肉や神経の偏りが心やからだの病気を引き起こすかも知れません。

子どもが学ぶことが出来る能力は子どもの生活の中で必要になるものだけです。
手を使う能力を必要としていないのなら子どもたちは手を使う能力を身につけることが出来ません。言葉を使う能力を必要としていないのなら言葉を使う能力を身につけることが出来ません。それはつまり、子どもたちが人間らしい知能も心も育てることが出来ないということを意味しています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.05.05 09:35:56
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: