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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.05.07
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カテゴリ: カテゴリ未分類
昨日、「いっぱい遊んでいる子は大人と張り合えるほどに成熟した子どもなんです。ですから、大人よりすごい能力だっていっぱい持っているのです。」ということを書きました。

今日は、では「その“子ども力”とは何か」ということを書いてみます。

私は10年近く前から「トロルの森」という、森の中での親子遊びの会を指導しています。
「横浜自然育児の会」の企画で、対象は1才程度の赤ちゃんから入園前の子どもたちと、そのお母さん達です。

その森(豊顕寺市民の森)には小さな崖があります。高さは5,6mでそれほど高くないのですが、60度以上はあるようなかなり急な崖です。特に雨の後などは非常に滑ります。お母さん達でさえ時々転がって落ちます。
でも、地域の子どもたちもそこでがけ登りを楽しんでいるようで、それなりにルートは出来ています。また手がかりとなるような木の根っこやなどもいっぱいあるので、それにつかまって登ることができます。

私は、よく子どもたちをその崖に連れて行きます。先日もそのがけ登りをやりました。でも、新しい参加者も多く子どもたちは2才前後のチビちゃんがほとんどです。最初は多くのお母さん達が崖を見あげて躊躇していました。

子どもも最初はどうしていいのか分からず、戸惑っていました。
でも、もう何回も参加して慣れているお母さんと子どもはスルスルと登っていきます。

それでも嫌がっている子どももいました。

でも、一人、二人と登り始めると、みんな頑張り始めたのです。
すごいですよ。2才前後の小さな子どもが根っこや枝につかまって必死になって、大人でも落ちそうな急な崖を登っていくのです。(もちろん、私は途中にいてサポートします。すでに上にいるお母さんもサポートしてくれます。でも、お母さんのサポートはしないので、お母さんは時々落ちて泥だらけになります。)

皆さんもご存じの通り、大人は周囲の状況を見て行動しますが、3才前の小さな子どもは自分の意志でないと怒鳴られたって行動しません。周囲の状況なんて関係ないのです。この時期の子どもはいつでも本気モードで頑固なんです。
その子どもが必死になってがけを登ろうとするのです。それは挑戦することが子どもの生命力に響くからです。
もちろん、上まで登りきった子どもの顔は輝いています。生命が喜んでいるのです。
これが「子ども力」です。
大人たちもみんな心から“すごかったね”、“がんばったね”と褒めていました。

また、以前3,4才のちょっと大きなお兄ちゃん達と登った時のことです。
お兄ちゃん達は簡単に登ります。でも、チビちゃん達は途中で止まって動けなくなったり、泣き出したりします。そんな時、そのお兄ちゃん達が手を出して助けてくれるのです。大人が何にも指示も命令も出していないのに、小さな子どもたちを助けようとするのです。
まだ、3,4才のチビなんですがかっこよかったです。

ちなみに、うちの子どもたちもがけ登りは好きでした。(多分、今でも)

子どもたちは何の報酬もないのに、誰からも強制、評価されないのに、自分の生命に響くものには夢中になるのです。そして助け合うのです。

うちの三番目が小学校に上がった時、まだ「うんてい」が出来ませんでした。でも、多分友達は出来たのでしょう。それで、毎日手に血豆を作りながらも夢中になって練習していました。
これも「子ども力」です。

外で群れて遊んでいる子どもたちは一緒に遊びたい子ならみんな歓迎してくれます。

大人にはなかなか出来ないことです。
本来子どもと子どもの間には垣根などないのです。でも、ゲームとかスポーツといった大人の考えた遊びは子どもの間に垣根を作ります。みんな対立を前提とした遊びだからです。(私は小学校に上がる前の子どもにスポーツは勧めません。)

また、友人が副園長をしている幼稚園ではコマが盛んです。
そこで、どのくらい長く回し続けることが出来るのかという勝負があるそうです。回っているコマをヒモで叩いて回し続けるのです。そこで子どもたちは何時間も回し続けるそうです。
最高は確か3時間くらいだったとおもいます。(今、友人のそのことを文章に書くようにお願いしています。)

分かりますか。3時間コマを回し続けるのですよ。最後の方は子どもたちが集まってきてみんなで応援するそうです。喉が渇いたら他の子が水を持ってきて飲ましてくれるそうです。みんな心を一つにして見守るのです。
これも「子ども力」です。

“こんなことをしてなんの役に立つの”、“頑張ると何かいいことがあるの”などという発想は本来の子どもの世界にはないのです。(でも、最近それをよく言う子どもが増えています。子どもを餌で釣ろうとしているとそうなるのでしょう。そして、そういう子は餌がないと動きません。そして、ちょっとやって無理そうだとすぐに諦めます。)

また、うちの子どもたちは始めて聞いたわらべうたや手遊びでも、ほとんどその場で簡単に覚えてしまいます。楽しいことならすぐ覚えてしまうのです。
これも「子ども力」です。

子どもたちはこんなに素敵ですごい「子ども力」を持っているのです。

でも、仲間がいない、自然がない、時間がない、その代わりに口うるさい大人がいる、大人が考えたおもちゃやゲームがあると子どもたちはこの「子ども力」を発揮することができないのです。

そして、自分の中の「子ども力」を目覚めさせることが出来ないまま寂しい大人になっていくのです。





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Last updated  2008.05.07 07:09:23
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