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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.08.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
14日(木)から友人の家族達とキャンプに行ってきました。


とった魚は竹で串を作って焼いたり、ソテーにしたり、薫製にしたりして美味しく食べました。その串は子どもたちが自分たちでナイフで削って作ったのですが、小2の男の子が“僕はナイフを使ったことがないから自信がない、だからやらない”と言うのです。そして、“6年生ぐらいになったら自信が出てくるかも知れない”とも言いました。
それで私が、“自信は待っていても出てこないんだよ 自信は実際にやって身につけるんだよ”と言ってあるお父さんに指導をお願いしました。そうしたら、ナイフが使えるようになって素敵な串が出来て、他の子は使い終わったら捨てたのですが、その子だけ大切に持って帰りました。

3才までの子は無鉄砲で積極的です。初めての体験でも、“自信がないから”などと尻込みすることはありません。その無鉄砲さがあるから赤ちゃんは親が教えないことでも積極的に学ぶことが出来るわけです。
ですから、からだで学ぶことはこの時期に教えてしまうと簡単に学ぶことが出来ます。うちの子でも3才の頃にはトンカチもノコギリも切り出しナイフも普通に使うことが出来ました。ただし、教えるといっても基本的には“やっているところを見せ、自由に真似をさせる”というやり方です。言葉で教えようとしても無理です。

4才ぐらいになると仲間の中で学ぶようになります。お母さんがやらせようとしても怖がったり、嫌がったりするようなことでも、仲間と一緒なら積極的にやったりするのです。コマ回しやケン玉や竹馬などはそのようにして学びます。子どもは仲間と同じ能力を身につけることで自信を付けていきます。

また、高いところから飛び降りたり、川を飛び越したり、木登りしたりという怖い遊びも大人に見てもらったり、仲間と一緒なら積極的に挑戦して乗り越えていきます。そして、自信を付けていきます。

子どもの時の自信は、頑張って努力した結果を仲間や大人に認められることで育っていきます。ですから、そのようなものに挑戦する機会がない子、挑戦しても無視されたり、否定されたりしている子は自信が育ちません。



これはお母さん達でも同じかも知れません。“ガンバレ”と言われて素直に受け取ることが出来る人はただ自信がないだけかも知れませんが、“ガンバレ”という言葉に強制と脅迫を感じる人は子どもの頃から否定されたり、無視されてきたのかも知れません。

子どもたちはこのようにして遊びを通して年齢相応の能力を身につけていきます。 実は、子ども達の自信は、“特別なこと”が出来るようになることではなく年齢相応に“みんなと同じこと”ができるようになることで育っていくのです。
ここのところを多くの大人が分かっていません。

大人にとっては他の人が出来ないような特別なことが出来ることが自信につながります。それで子どもにも“特別なこと”をやらせます。そして、人並みはずれた能力が身に付くと喜びます。この時、大人はこれが子どもの自信育てにもつながると思いこんでいるのでしょうが、それは勘違いです。子どもはどんな特別な能力を持っていても、年齢相応の能力が育っていないと自信を持つことが出来ないのです。そういう子が持つのは“自信”ではなく“優越感”です。“自信”と“優越感”は違うのですが、そこを勘違いしている人がいっぱいいます。

ところが、最近の子どもたちはその“年齢相応”の能力を身につけることができないまま役に立たない知識だけを覚えて成長していきます。
造形教室のような活動をしているとその問題点がよく見えるのです。

うちには様々な造形関係の本があります。うちでは自分で作るものを自分で決めるシステムですから、子どもたちはそのような本を見て自分が作りたいものを決めています。そして、面白いことに子どもたちはちゃんと自分の年齢相応の課題に興味を持つのです。
幼稚園の子ならガラクタで作るような工作を喜びますが、小学校高学年にもなると見栄えもかっこいいものを作りたくなるのです。子どもの意識は(自分の実力とは無関係に)成長に合わせて自動的に変化していくのです。

でも、ここで問題が起きます。
例えば工作関係の本に“5年生用”と書いてあったとしても、それは幼稚園用、1年生用、2年生用と積み上げてきた子どもを前提にした“5年生用”なんです。つまり、“5年生用”というのは、3年生や4年生の課題がちゃんと出来る子を対象としていると言うことなんです。

でも、今“5年生の課題”を一人で本を見ながら作ることが出来る5年生は滅多にいません。ノコギリも使えない、釘もちゃんと打つことが出来ない子にちゃんとした椅子を作ることは無理なんです。(わかりやすいので椅子を例に挙げていますが他のテーマでも同じです。)


子どもには“ただ切るだけ”、“ただ打つだけ”が楽しい時期があります。その時期にいっぱい切ったり打ったりしているうちに技術が身に付き、次の段階に進むのですが、5年生にもなるとただ切るだけ、ただ打つだけではもの足らなくなってしまうのです。
それでちゃんと年齢相応の課題に挑戦したくなるのです。でも、小さい時からうちの教室に来ている子はそれでOKなのですが、高学年になって入ってきた子はそこで挫折を味わうことになります。そして、年齢相応の技術が身に付いていないことに気付くのです。
それは 自分がやりたいことを自分にはやる能力がないというということを意味しています。

それでもただ自信がないだけの子は励ましてあげればそこからまた学び直し、自信を付けていくことが出来ます。顔つきまで変わっていきます。でも、否定されてきた子は逃げようとするばかりです。自分と向き合おうとしないのです。ですからいつまで経っても成長しません。

子どもたちはその積み重ねで大人になっていきます。大人の年齢になれば自然と大人の能力が身に付くわけではないのです。そして、大人になった時に大人としての能力が身に付いていない子は不安になります。大人として生きていく自信もありません。







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Last updated  2008.08.17 09:02:38
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