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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.09.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
“ゴメンナサイ”という言葉は相手に詫びる言葉で、“ありがとう”は相手に感謝する言葉です。両方とも自分の心の表現ですから他の人が強制することではありません。自発的に出てきた言葉だからこそ心の表現になるのです。これは、“きれい”とか“おいしい”という感覚を表す言葉と同じです。“きれいって言いなさい”とか、“おいしいって言いなさい”などと無理に言わせても何の意味もないことは誰にでも分かることです。それに、そのような言葉を強制して言わせていると自分の心や感覚に対する感受性が育って行かなくなります。

嫌々食べている子どもに対して“おいしいでしょ、おいしいって言いなさい”とやっていたら“おいしい”という感覚が育たなくなるのは当たり前のことです。

“きれい”とか“たのしい”とか、“うれしい”などという感情や感覚も同じです。このような感情や感覚を育てるためにはお母さんがその時々でからだと言葉できちんと表現してあげることが必要なのです。そのようなお母さんの姿を見て、子どもは手の使い方、歩き方、話し方を模倣するように感情や感覚も模倣していくのです。そして、それを表現する言葉の使い方も学んでいくのです。
それは、“ゴメンナサイ”と“ありがとう”も同じです。

でも、多くのお母さんが子どもに“ゴメンナサイと言いなさい”と強制しています。でも、そういうことを続けていたら相手の心を思いやる心が育たなくなります。“ゴメンナサイ”と言えば許されてしまうからです。“ゴメンナサイ”の強要は子どもの優しさの育ちを阻害してしまうのです。そして、見かけの“優しさごっこ”しかできなくなります。

実は、“ゴメンナサイ”という言葉は7才前の子どもには理解できないのです。どうしてだか分かりますか。なぜなら、それは相手の立場に立って考えないことには使えない言葉だからです。そうですよね。
そして、7才前の子どもは自分のことは分かっても相手の心のことまでは分からないのです。それは生理的に分からないのです。脳がまだそういう状態なのですから。

自発的な“ゴメンナサイ”はその相手の立場に立って、相手を傷つけてしまったという自覚から出てくるのです。その自覚がない“ゴメンナサイ”はトラブルを避け、相手の非難から逃げるための方便に過ぎません。つまり、強制された“ゴメンナサイ”は子どもに対して本当の“ごめんなさい”とは正反対の働きかけをしているのです。

ないのです。

それに対して、“ありがとう”はそのまま自分の感情の表現です。相手の立場に立つ必要はありません。だから、幼い子どもでも“ありがとう”という言葉は理解できるのです。だから(ゴメンナサイではなく)もっともっと子どもたちに“ありがとう”を伝えて欲しいのです。それに、素直に“ありがとう”が言える子は無理に“ゴメンナサイ”を言わせなければならないような困った行動はしないものです。

ただし、これも強制されてしまったら意味が分からなくなってしまいます。自分の感覚や感情を表現する言葉を強制してはいけないのです。そういうことをしているから、自分を素直に表現できない大人になってしまうのです。

“ごめんなさい”も“ありがとう”も、お母さんや周囲の大人が日常的に使っていれば子どもはその姿を見て自然に学んでいくのです。他にも、“おいしい”、“きれい”、“たのしい”、“うれしい”、“かなしい”などという言葉も同じです。
そういう感覚や感情を表す言葉を生活の中でいっぱい使うのです。そうすると、子どもは言葉を覚えると共にその感覚や感情にも目覚めるのです。それが心の世界への気づきにもつながり、結果として優しさも育っていくのです。

“優しくしなさい”と怒鳴っていると、要領のよい見かけだけの優しさを演じることが得意な子に育ちます。そして、“みんながありがとうって言ってくれない”と文句を言うでしょう。

他の子に対して、“○○ちゃん、ありがとうって言わないからいけないんだ”とか、“ゴメンナサイを言わないからいけないんだ”とか言い立てる子どもはそのようにしつけられているのでしょう。

もし、ご自分のお子さんがそのような状態なら即刻“ゴメンナサイ”を強制することをやめてください。
そうでないと“優しい子”ではなく、“優しさを演じるだけの子ども”になってしまいます。





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Last updated  2008.09.05 16:08:36
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