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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.11.13
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昨日は食べ物のことから




と書きましたが、私は生命や生命力の維持のために必要なのは自分自身の感覚を通しての「対話力」なのではないかと思っています。知識によって動こうとする現代人はこの対話力が非常に弱くなってきてしまっています。

宮沢賢治は「稲のことは稲に聞け」と言いました。彼は稲と対話が出来たのです。また、先日「響きあう脳と身体」(茂木健一郎×甲野善紀)を読んだのですが、彼らも自分の感覚との対話を通して言葉を紡いでいます。
私もまた、知識に依ってではなく、自分との対話によって言葉を紡いでいます。もちろん、その根底には知識もありますが、知識を感覚と対話させながら自分自身の言葉として使っているのです。

ですから、私が書いていることをそのまま信じてはいけません。私が書いていることをそのまま信じて、そのままやっても、私が書いた結果にはつながりません。

私が書いていることは私の感覚を通した言葉です。皆さんはこの言葉を今度は皆さん自身の感覚との対話を通して理解して欲しいのです。「先生がブログに書いていることをそのまま覚えて、実行しています」というお母さんがいましたが、そんなことをしてはいけません。

書かれてしまったものは単なる知識に過ぎません。そこに生命はありません。その死んだ知識を自分の感覚と対話させることで知識に生命が吹き込まれ、また生きた智恵に変換されるのです。

でも、多くの人がただ知識を求めています。そして意見を求めても知識を語るだけです。そして、知識のないことに関しては語ることが出来ません。

時々ワークで「自由ってなんだと思いますか」と聞くのですが、多くの場合「自由に関する知識」しか返ってきません。そこで「いや、あなた自身の体験に基づくあなたの考えを聞かせてください」と聞き返すのですが、その意味が理解出来ない方がいっぱいいます。



対話力のある人は知識に依存しません。そういう人はただ手本があればあとは自分で学んでしまうのです。

私は最近、「子育てで悩んでいるのなら、自分の周りで素敵な子育てをしている人を見つけてその人のやり方から学べばいいのです」と言っています。育児書なんて必要ありません。

勉強が苦手なら、勉強が得意な子のやり方をよく見てそこから学べばいいのです。サッカーが苦手なら、上手な子を見つけてその子のやり方から学べばいいのです。

ちょっと探せば、そういう人はいっぱいいるはずなんです。でも、どうもみんな身近にいる人から学ばずに知らない人が書いた本の中に答えを探そうとするのです。本というメディアが一般的になる以前はみんなそうやって人から学んでいたはずなんですが、今ではそういう「対話を通しての学び」というものが消えてしまいました。

私は、これは日本の学校教育の非常に大きな弊害の一つだと考えています。本来「学ぶ」ということは実際の人と人との関わりを通して成り立っていたものなのに、学校はその繋がりを断ち切り教科書からだけ(正しい知識を)学ぶように習慣づけてしまいました。
今、学校では先生はいても先生は「教科書の説明役」として存在しているだけです。だから授業がつまらないのです。

先生が教科書を単にきっかけとして使い、その教科書の内容に血肉を付けるように自分の言葉で語ってくれるのならどんなにか生き生きとした授業になるのではないかと思うのですが、今の学校教育に浸りきってしまった先生達にそれが出来るとは思えません。また文科省もそれを許さないでしょう。(今、学校の現場では先生同士の対話も難しいようです。そんな先生達に生徒と対話が出来るとは思えません。)

(戦前や戦後の頃は自分の言葉で語るユニークな先生もいっぱいいたようです。宮沢賢治の授業なんか最高に面白いですよ。以前、長女の懇談会に行って、先生と教育ついて話し合おうと思ったら、全く素人的な考えしか持っていないことに驚いたことがあります。)

でも、今でこそそんな悲惨な状況ですが、日本人はもともとこの対話力に非常に優れた民族だったのです。その対話力があったからこそ明治維新後あっという間に欧米に追いついてしまったのです。

では、昔の子どもたちはこの「対話力」をどのように身につけていたのでしょうか。そこでまた話は「からだ」に戻るのです。

ちなみに、「太極拳」は非常にその対話力を必要とする武術です。





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Last updated  2008.11.13 07:09:07
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