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森の声

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2010.01.07
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カテゴリ: カテゴリ未分類
多くの人が思い違いをしているのですが、人間は大人になった時に自立できていればいいのであって、子どもの時から自立させる必要はないのです。むしろ、幼い頃から自立を求められてしまった子は、大人になっても自立することが出来なくなってしまうのです。

それは、子ども時代は人間としての器を作っている時期なので、器を作るために必要なものを与えるべきであって、子どもたちに完成された器としての機能を求めてはいけないということです。また、未完成な状態の器の中に色々な物を詰め込もうとしてもいけないのです。子どもたちに必要なものは「中味」ではなく「器を作るための材料」なんです。

では、何が「中味」で、何が「材料」なのかということですが、それは子どもたち自らが判断します。なぜなら、その子どもの育ちの過程の進捗も、また目指している「器」の形も一人一人違うからです。

そのような「材料」が子どもの周囲にあれば、子どもは勝手にその「材料」を吸収して成長していきます。でも、現代人の生活の中には子どもの育ちに必要な材料があまりにも少ないので、大人達は子どもの様子をよく観察して、「今はこれが必要なんだな」と判断し、意識してそれを与えてあげる必要があります。そうでないと、不完全な器しか作ることが出来なくなってしまいます。

走り回るようになったら、「走り回る」という行為(材料)が必要になったということです。ですから、思いっきり、そして楽しく走り回ることが出来るような状況を用意してあげる必要があります。そうでないと、「走り回る」ということで育つべき成長の部分が脆弱になってしまいます。もしかしたら大人になった時に、そこから水漏れしてしまうかも知れません。

一般的に、そのような子どものサインは「いたずら」や「困ったこと」として現れます。現代人の生活の中には子どもの成長に必要なものがあまりに少ないので、子どもはそれを求めて「困ったこと」をやろうとするのです。

それは、お腹が減ってくるとイライラして怒りっぽくなったり、人の話が聞けなくなったり、落ち着きがなくなるのと同じです。それを「イライラするんじゃありません」とか、「もっとちゃんと人の話を聞きなさい」とか、「落ち着きなさい」と叱っても無駄なことです。そうではなく、その状態をよく観察して、「ああ、今はお腹がすいているんだな」と判断して、何かを食べさせてあげれば子どもは落ち着くのです。叱る必要などないのです。

でも、本当に多くの大人達が「目に見える現象」にばかりこだわり、見かけだけを取り繕うとして、その「背景」については考えようとしていません。だから子どもを叱ったり、追いかけ回すばかりで状況はますます悪化してしまうのです。

そのように「イライラし、人の話が聞けず、落ち着かない状態の子どもたち」の気を紛らわすための最高のアイテムが「ゲーム機」です。だから、子どもはゲーム機を手放せなくなってしまうのです。そして、大人達は「ゲームで遊ぶ時間」を餌にして、子どもの調教をしようとしています。(「餌」はゲーム機でない場合もあります。)



テレビに出ているチンパンジーのパン君は何でも出来ますが、自立していると思いますか。皆さんは、あのパン君と同じような能力を子どもたちに求めてはいませんか。子どもたちに「大人を喜ばせるための芸」を求めてはいませんか。でも、そのような能力は人間や大人を喜ばせるための単なる「見せ物」に過ぎません。それどころか、むしろその能力はパン君や子どもの「自立」を妨げるものなのです。

お母さん達のワークをやっていると、時々、美人でスタイルもよく、ピアノも英語も何でも出来て、一流の学校も出ているのにも関わらず「子育てが苦しくて仕方がない」とか、「自分に自信が持てなくて苦しい」と訴える人がいるのです。そのような人は、その人の親から見たら「子育てに成功した」と言えるのでしょう。

でも、確かに「生活の自立」は出来ているのですが、「心の自立」が出来ていないのです。だから「自立した生き方」が出来ないのです。だから不安が強く、苦しいのです。(なぜか私のワークには子どもの頃、成績優秀だった人が多いのです。)

では 、「心が自立している人」とはどのような人なのでしょうか。それは簡単に言ってしまえば「自分にOKを出せる人」です。自分にOKを出せる人は、自分で自分のことを決めることが出来ます。そのような人は、ちゃんと自分の中に「判断基準」を持っているのです。

でも、「心が自立していない人」は自分の中に「判断基準」を持っていないので、常に人目を判断基準にして生きています。だから不安から逃れることが出来ないのです。これはその人の学歴や能力の高低とは必ずしも関係がありません。学歴が無くても、特にすごい能力を持っていなくても自立している人はいるのです。

むしろ、そのように結果ばかり求めて子育てをしていると、その結果どんなに優秀な子どもに育ったとしても、その判断基準を大人(他人)に依存することになり、自分にOKを出すことが出来なくなってしまうのです。そして、自立できなくなってしまうのです。

すると、「優秀な子ども」だけで終わってしまって、「優秀な大人」にはなることが出来ないのです。





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Last updated  2010.01.07 10:26:46
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