森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「知っている」と「… New! かめおか ゆみこさん

Comments

森の声@ Re[3]:「体験格差」(子どもの育ちに必要な体験について)(11/04) めげぞうさんへ >これからどうなって行…

Profile

森の声

森の声

2010.09.04
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
動物が危険や恐怖を感じた時には「戦う」、「逃げる」、「固まる」という中のいずれかの行動を取ります。

人間もまた危険や恐怖を感じた時にはこの三つの中のいずれかの行動を取ろうとします。気質との絡みで言うと、胆汁質は戦い、多血や粘液は逃げ、憂鬱質は固まる傾向が強いような気がします。

ピノコさんのお子さんの状態は、この、憂鬱質の「固まる」という反応だろうと思います。その時、自分の気持ちを説明するために「人が見ているから~するのがイヤだ」と言っているのだろうと思います。それはまた、幼稚園の中で自分が受け入れられていないように感じていることの表れでもあると思います。

これは「自我意識」と似ていますが、「自我意識」ではありません。しいて言えば「自意識」です。「自意識」が強い人は人の目を気にします。その時、自分の意識は自分の中に閉じ籠もりっきりです。相手の立場に立って考えているわけではありません。

自意識が強い子は、絵が上手に描けなくたって誰も文句も、非難もしないし、笑われもしない状況でも、勝手に自分の中に「文句を言う存在」「笑う存在」を作り上げて、怖がるのです。つまり、自分で作った物語に縛られてしまうのです。

それに対して、「自我意識」とは「人目」を気にすることではありません。そうではなく、「自分自身のことを冷静に見る」意識のことです。 ウィキペディア には「自己を対象とする認識作用のこと」と書いてあります。

ですから、「自我意識」がしっかりとしている人は、「相手の立場に立って物事を考える」ということができます。そしてこれは人間にしかない能力です。この能力があるから人間は客観的に物事を見たり、考えたりすることが出来るわけです。

そして、この能力は思春期が近くなると目覚め始めます。ですから幼稚園児にはありません。ちなみにこの自我意識の目覚めには個人差が大きく、大人になっても自分のことを客観的に見ることが出来ない人もいっぱいいます。



そのような人は「思い込み」だけで自分のことや他の人のことを判断してしまいます。そして、「思い込み」と「現実」を区別することが出来ません。幼児は全くこの状態です。(大人にとっては困った状態ですが、幼児にとっては自然な状態です。)

それがひどくなると「統合失調症」になります。 これを「自我意識の障害」と呼ぶようです。

ですから、このような人が一度悩みや苦しみにとらわれてしまうと、なかなか抜け出すことが出来なくなります。そして、他の人を非難、攻撃し始めます。自分を見つめることが出来ないので、苦しみの原因は全て他の人のせいだと思い込んでしまうのです。

それに対して、「自意識」は人間以外の動物にもあります。動物達も他の個体の目や人目は気にしています。だから猿などでもボスの前では小さくなって、自分より下位の相手に対しては態度をでかくするのです。臆病な犬が知らない人に吠えるのも同じです。

自我意識がしっかりとした人は人目がなくても、自分で自分をコントロールすることが出来ます。人目に振り回されません。

それに対して、「自意識」だけで動いている人は、人目に合わせて行動するばかりなので、人目がない状態ではどうしていいのか分からなくなります。つまり、「自由にしていいですよ」と言われると困ってしまうのです。

現代人は「自意識」ばかりが強くて「自我意識」があまり育っていません。だから「幼児化」してしまっているのです。

そしてそれが学力の低下や、科学嫌いとつながっているのです。全ての学問は「自我意識」の産物だからです。

また、自分のことを客観的に見ることが出来ないから子育てでも、子どもを虐待してしまうのです。

では、この「自我意識」をどのように育てたらいいのかという問題です。

実はここで必要になるのは「学ぶこと」(入力)と「表現する」(出力)ことなのです。


表現するだけでは思い込みばかりが強くなります。自分だけの正解ばかりが多くなるからです。

でも、この二つがつながる時「考える」という働きが目覚めます。

科学について学びます。そして、それを実験(表現)で確かめようとします。でも、事実は知識通りにはなりません。それで考えます。そして、また学びます。そしてまた実験します。この繰り返しで、「事実とは何か」ということを見る目が育っていくのです。

そして、その繰り返しが「自我の育ち」を支えてくれるのです。

このように見ていくと、どうして今の日本の子どもたちの自我の育ちが遅れてしまっているのかがよく分かります。家庭の中にも教育の中にも「表現能力」を育てる場がないからです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.09.04 08:19:52
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: