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すべて、お楽しみさ… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.08.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今、現代人の孤独が強くなると同時に、虐待もまた増えてきているようです。自殺や鬱病の増加と、虐待の増加は根っこが同じだからです。

その根っこには昨日も書いたように「孤独」があります。

そして、私の立場からの関心は「今起きている虐待をどうするか」という治療的な視点ではなく、「虐待が増えないようにするにはどうしたらいいのか」という予防的な視点です。

私は虐待の専門家ではないので治療的な方法には詳しくないし、また実際に、虐待に苦しむ親子を救う能力もありません。私はただ、予防的な視点からその原因を分析することが出来るだけです。

虐待から抜け出したいと一生懸命に頑張っている人には、その分析が役に立ちます。でも、心と意識を閉ざして、虐待を日常化している人にはそんな分析なんの意味もありません。そもそも、そのような人はこんなブログ見に来ないでしょう。

その予防的な視点で見たとき、私が今一番心配してるのは「虐待ではない虐待」がどんどん増えてきているということです。

一般的には、暴力を振るったり、ののしったり、子どもを無視して世話をしないネグレクトなどが「虐待」として認識されています。

そして、これらの虐待は周囲の人にも分かりますし、子どもを虐待している親にも強い孤独と苦しみの自覚があります。

でも、このような状態は何らかの原因の結果として表れているはずです。そして、その原因を取り除かない限り、虐待予備軍の人がどんどん増えてしまいます。



でも、その状態が継続したままだと、ある日突然「それ」は始まるのです。

「それ」は生活習慣病と呼ばれているものと似ています。

糖尿病、高血圧症、動脈硬化、がんなどの「生活習慣病」はその名の通り、生活習慣の影響が強いと言われています。

でも、その本人にしてみれば特別に「悪いこと」をしているという自覚はありません。毎日毎日、自分にとっては「普通の生活」をしているだけです。

それでも特に問題は起きていません。でも、それが積もり重なることで、ある日気付いた時には病気になってしまっているのです。

その治療には非常に高度な専門知識と技術が必要です。でも、病気を引き起こすためにはそんな知識も技術も必要ありません。必要なのは単なる「不注意の積み重ね」と「無自覚的な慣れ」だけです。

ですから、誰でも簡単に生活習慣病になることが出来るのです。

そして、病気が発症してから、「ああ、あれが悪かったのだな」と気付くことはありますが、ほとんどの場合は発症するまでは、「普通に生活している」と思い込んでいます。

そして、病気になってから反省するのですが、反省しても病気は治りません。病気として発症する前なら、反省することで病気を防ぐことが出来ても、いったん病気になってしまったら、どんなにいっぱい反省しても、後悔しても、専門家の手助けなしに自分一人の力では治すことは出来ないのです。

私は「虐待」も一種の生活習慣病だと考えています。「イジメ」も同じです。

さりげない毎日の生活の中にその原因はあり、その繰り返しがあるリミットを超えたときに「虐待」や「イジメ」が発症するのです。

そこには、原因と結果が1対1で対応するような直接的な原因があるわけではありません。

人間にとって、そして生命にとってバランスが崩れた生活の繰り返しが、ある限界を超えたときに(自分の力では)復元不可能な状態として「虐待」や「イジメ」が発症するのです。



それが最初に書いた、「虐待ではない虐待」ということです。だから、虐待が増えているのです。

そして、病気だから予防も出来るし、また治療が必要なのです。それを「人間性の問題」として考えてしまうから、問題をこじらせてしまうのです。

もし、何らかのきっかけで「虐待」という状態に陥ってしまったら、自分の力だけでその状態から抜け出すのは非常に困難です。ですから、専門家の所に行って話を聞いてもらって下さい。

これは生活習慣病と同じように誰でもが罹り得る病気ですから、恥ずかしいことではありません。ただ、糖尿病やガンの治療が苦しいように、虐待の治療もまた苦しいです。

では、「どのように予防することができるのか」ということですが、我が子を「虐待しない親」に育てるために一番大切なポイントは「子どもを孤独にしない」ということです。



しかもこれは、「人間性」とか「生命の働き」という視点を持っていない人には観ることが出来ない原因なのです。そして、競争に勝ち抜いてお偉くなった人たちにもまた観ることが出来ません。だから非常にやっかいなのです。

そのような人は「本当の原因」を見ようとせず、対症療法的な手段だけで問題を解決しようとします。でも、そんなことをしていたら状態はどんどん悪化してしまいます。

また、お母さん自身が「虐待しないお母さん」になるための方法は、夜はストレッチをやり、昼間はいっぱい歩き、からだを冷やさないようにして甘いものを食べすぎず、また、バランスの取れた食事を心がけ、考えるよりも行動することを大切にし、姿勢を正しくし、呼吸を深くし、本をいっぱい読み、悲しいときには泣き、気軽に話せる仲間を作ることです。

また、自分自身を客観的に見つめるために、日記を書いたりすることも有効です。さらには、感情を溜めないように絵画や歌などの何かしらの表現活動も役に立つでしょう。

子どもの頃に孤独だった人ほどこのようなことが必要になります。そうでない人は、普通に生活していれば虐待などしないものです。

でも実際問題として、これらは非常に困難です。

なぜなら、現代人の「普通の生活」自体が、これとはあまりにかけ離れているからです。だから「虐待予備軍」が増えてしまっているのです。

******************

イジメでも、虐待でも、生活習慣病でも、1対1の因果関係に基づく直接的な原因など絶対に存在しません。

これらのトラブルにおける原因は全て間接的なんです。

その間接的な原因が複雑に絡み合って、重大な病を引き起こすのです。

自殺もまた同じです。

だからこそ、視野を広く持って、想像力を働かせながら、全体のバランスを整える必要があるのです。





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Last updated  2012.08.08 22:00:18
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Re:「虐待は生活習慣病です」(08/08)  
キーロ さん
人と人が「心をかよわせる」ことが難しい時代なんでしょうね。
ご近所さんに「こんにちは」と、言うことすらしようともしない人が私の周りにもいます。
言えないんでしょうね。

ネットやケータイでつながってるから孤独ではないと感じているならまだいいですが。

それでもやっぱり大事なのは、リアルな温かさだと思うのですよね。

傷ついた経験がある人は、「冷たさ」が記憶にあって、つながりからはずれていくのでしょうね。

子育て支援をしている私に「できること」を考えています。もう、1年間同じ家庭に行ってるのですが、危なっかしさはまだまだあります。
孤独にならないよう、今日も行ってきます。 (2012.08.08 09:28:36)

Re:「虐待は生活習慣病です」(08/08)  
プクプク さん
ときどき、虐待されていそうな子と話す機会があったり、実際に目の前で子どもに手を上げているお母さんを見たりします。
そのたびに、どうしよう、と仲間と悩みます。
児童相談所に報告する?大げさじゃない?でもあとから大事になったら、後悔するんじゃない?
罵声が飛んでいる家は、たくさんあるしね。

やはりお母さんと世間話でもできたらいいよね、ということになり、できるだけ、話かけるように心がけています(努力しているだけで、できているとはいえないですが)


キーロさんがおっしゃる挨拶ですが、私がご近所の子どもに挨拶するのを見て「知り合い?」と聞く知人もいます。その人にとっては、よく知らない人には挨拶しないのが常識のようです。田舎では、誰でも挨拶していましたが・・・。
(2012.08.08 22:35:30)

Re[1]:「虐待は生活習慣病です」(08/08)  
森の声  さん
キーロさん

>傷ついた経験がある人は、「冷たさ」が記憶にあって、つながりからはずれていくのでしょうね。

傷ついた人だから分かることと、傷ついた人だから分からないことがあります。

なかなか難しい問題です。 (2012.08.09 12:23:37)

Re[1]:「虐待は生活習慣病です」(08/08)  
森の声  さん
プクプクさん

>キーロさんがおっしゃる挨拶ですが、私がご近所の子どもに挨拶するのを見て「知り合い?」と聞く知人もいます。その人にとっては、よく知らない人には挨拶しないのが常識のようです。田舎では、誰でも挨拶していましたが・・・。

-----
今、学校も親も、知らない人にはあまり近づかないように指導しているのかも知れませんね。 (2012.08.09 12:53:52)

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