森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

すべて、お楽しみさ… New! かめおか ゆみこさん

Profile

森の声

森の声

2012.08.11
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
今日の話は、ただ、私たちが置かれている状況を俯瞰的に整理しただけで結論はありません。

*****

キリスト教的世界には「悪魔」がいます。「悪いこと」は全てその悪魔のせいです。人が何か悪いことをしてしまうのは悪魔の誘惑に負けるからです。

それはつまり、様々な負の側面を「自分の一部」として認めないということでもあります。キリスト教の論理では、この世界は神様が作りました。神様が作ったということは「完全」だということです。完全なる神様が不完全なものを作るわけがないのです。

でも、現実にはこの世界は完全ではありません。死も病気も裏切りも殺し合いもあります。そこで、それを説明するために「悪魔」という存在が作り出されたのです。

悪魔は完全なる「悪」であるが故に、その「悪」を排除し、否定し、殺すことが「善」になります。

十字軍はその「悪」を排除するために作られ、異教徒呼ばれる多くの人たちを殺しました。でも、彼らは悪魔の使いですから、殺すことは善なのです。

それは、戦争における「英雄」と同じ論理です。

ヒットラーが統帥したナチスも、ベトナム戦争の時のアメリカも同じ論理を使いました。



また、欧米の人が牛や豚を殺す時にも、「牛や豚は神様が人間の食べ物として与えてくれたもの」と解釈することで、「命を奪うこと」を正当化しています。

それは「全ての生きとし生けるものはみな兄弟なのだ」という仏教的世界観とは正反対の価値観です。

ただし、じゃあ仏教の方が素晴らしいのかというとそういうことでもありません。仏教では生き物の命を奪うことを否定しています。でも、私たちが生きて行くためにはどこかで誰かの生命を奪わなければなりません。

人間も含めて、生き物は他者の生命を奪わない限り、自分たちの生命を支えることも、受け継ぐことも出来ないのです。

キリスト教社会では堂々とそれが正当化され、仏教社会ではこそこそと裏で行われるようになってしまったに過ぎません。

そして、そのような仕事を行う専門の職能集団を作り、自分たちの手は汚さないようにしたのです。

でも、その一方でそのような人たちを「救われることのない不浄なるもの」として否定しました。

キリスト教社会では殺しましたが、仏教社会ではいじめたのです。

そのような人たちを救おうとしたのが「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」と説いた親鸞聖人です。


キリスト教と仏教と、そのいずれの考え方にも欠けているのは「あるがままを受け入れる」という思想です。

キリスト教では天国と救いを求め、仏教では極楽と平安を求めています。でも考えようによっては、それはいずれも「あるがまま」の否定でもあります。



親鸞はその「あるがまま」を肯定しようとしました。でも、その考え方もまた解釈が困難です。

「あるがままを肯定する」ということを「好き勝手にやってもいいんだ」と理解してしまう人が出てしまうからです。

人間は、それがどんなに素晴らしい教えであろうと、自分の都合に合わせて解釈してしまう生き物なのです。

だからやっかいなのです。
憲法の9条も21条も同じように為政者の都合に合わせて解釈されています。



私流の解釈ではこれは「共に」ということなのです。

キリスト教でも仏教でも個人的な救いばかりを求めています。だから、歪みが生じるのです。

本来、大乗仏教は「みんな一緒」を目指す宗教だったはずなのですが、やはり結局は個人的な救いを求める宗教になってしまいました。

キリスト教でも、イエス・キリスト以前は「自分たち」のために祈るだけでしたが、イエス・キリストが「人のための祈り」を説きました。それが「愛」の思想です。そこにも「共に」という思想はありました。

それで世界宗教になることが出来たのですが、でも、結局はキリスト教徒は「キリスト教徒」のためにだけに祈るようになってしまいました。

宗教を信じない現代人は要求はしますが、祈ることすらしません。そして、人を押しのけ「自分のこと」ばかり考えています。

そして、「あの世」がなくなってしまったので、現世的なお金や物や地位や名声ばかりを求めるようになりました。その結果、「競争に勝つこと」にその救いを求めています。

でも、その競争の結果、地球や自然は搾取され、人類はその生存の基盤を失いつつあります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.08.11 07:23:41
コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: