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すべて、お楽しみさ… かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.10.07
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カテゴリ: カテゴリ未分類
現代人はあまりに「自分」を大切にするあまりに、「相手に合わせる」ということに対して否定的な価値観を持っています。

相手に合わせることを、自分の個性の否定であり、自由の放棄であると感じるのでしょう。

そのため、自分からは相手に合わせようとせず、逆に、相手に自分に合わせることを求めます。

そして、「お客としての立場」ならそれが可能です。

お金を持って、お店に行けば、こちらは色々と選ぶだけで、相手はこちらに合うような商品を用意してくれます。

また、現代は様々なお客のニーズに応えることが出来るように色々な商品を取りそろえていますからお金さえあれば「よりどりみどり」です。

ですから、自分の方が商品に合わせる必要はありません。

でも、それは損得で動いている世界だけで通用する論理です。ですから、「損得」という価値観が通じない相手に対しては、この論理は通用しません。

ですから、このような価値観では友達も仲間も出来ません。自分を変える必要がないので成長することも出来ません。自然と関わることも、子育ても出来ません。結婚生活も出来ません。



だから人間が地球に合わせるしかないのです。そうでないと地球は崩壊し、人類は滅亡します。

これは私にとっては全く自明のことなのですが、でもなぜか、現代人はこのようには考えないようです。

お母さんは子どもにも「自分に合わせるよう」要求しますが、子どもはただ「自分」を生きるだけの存在ですから、お母さんには合わせてくれません。それは子どもが反抗しているのではなく、子どもとはそういう生き物だということです。

子どもは「やりたいこと」は出来るのですが、「やりたくないこと」は叱られても、叩かれても出来ないのです。生理的にそのように出来ているのです。

ですから、お母さんの方が子どもに合わせないことには、子どもとコミュニケーションを取ることも、子どもの成長を支えることも出来ません。

そして、お母さんが子どもに合わせてあげているうちに、子どもはそのようなお母さんから「相手に合わせること」を学び、少しずつお母さんに合わせることが出来るようになるのです。

その学びがあるから、幼稚園などに入って「友達」や「仲間」を作ることが出来るのです。

人間同士の場合は、お互いに「相手に合わせよう」と歩み寄るから、お互いに理解し合うことが出来るのです。一方的に自分の価値観を相手に押しつけてばかりいたら、結局最後は力ずくで戦うしかなくなってしまうのです。

でも、今子どもたちがその「相手に合わせる」という能力を育てる場がありません。そして、そのような環境で育った大人たちもこれが一番苦手です。

昔の子どもたちは竹馬やコマなどで遊んでいました。でも、竹馬もコマも、最初から自由に遊ぶことが出来る子などいません。

ですから、みんな転びながら、痛い思いをしながら、失敗をしながら、自由に遊ぶことが出来る能力を育てていったのです。



また、群れ遊びの場では仲間に合わせないことには一緒に遊ぶことが出来ません。

そして、昔の子どもたちはそのような活動を通して「相手に合わせる能力」を育てていたのです。そして、それが子どもの成長でもあり、子どもが社会に出てから生きる時の「社会性」の基盤にもなっていたのです。

でも、今の子どもたちは「自分に合わせてくれるおもちゃ」ばかりを選びます。そして、自分に合わせてくれる相手とばかり遊びたがります。大人とばかり遊びたがるのもその表れです。

現代人は「相手に合わせると自由を失う」と考えますが、実際には、相手に合わせる能力を得ることで、「自由に生きる能力」を得ることが出来るのです。

だからこそ、太極拳や武術や茶道などにおいても「型」に「合わせる」ことを求めるのです。そのことで「自我」が崩れ、「自由」を手にすることが出来るのです。



ゆっくりとでないと歩くことが出来ない人に対して優しくするということは、同じようにゆっくりと歩いてあげることです。

「速く歩きなさい」と追い立てることでも、「車に乗せてあげること」でもありません。

このような場合、現代人は「車に乗せてあげること」が「優しさだ」と考える傾向があります。でも、その方法は長い目で見たら、依存を生み出し、自立を妨げてしまうのです。

またそれは、相手の「ありのまま」を否定する行為でもあります。

ですから本当の意味での「優しさ」ではないのです。


でも現代人は、その「一緒に歩いてあげる」ということがなかなか出来ないのです。
自分の時間や自由を犠牲にしなければならないからです。





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Last updated  2012.10.07 08:49:02
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