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すべて、お楽しみさ… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.10.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ロッキーさんから以下のような個人メールを頂きました。
同じような問題で悩んでいらっしゃる方も多いかと思い、ご本人の許可を得て、ブログの方で説明させて頂きます。

ちなみに、発達障害に関しては6月21日から数回に分けて書いていますので、ご興味のある方はそちらの方もお読み下さい。

また、重複する内容もありますが、ご了承下さい。



うちの息子は生まれてすぐから、何かと育てにくい子どもでした。玄関を締める音にびくっとして飛び起きて泣いたり、ベビーマッサージなんかに行っても、他の赤ちゃんは気持ちよさそうに笑っているのに、息子は緊張して笑いもしませんでした。

病院での離乳食の講習会の時も、皆さん赤ちゃんを託児室に預けていましたが、うちの息子だけ、3階まで聞こえる勢いで泣き、結局講習は満足に受けられませんでした。名前を呼んでも振り向かず、耳が聞こえないのかと悩んだりもしました。

1歳半健診でも、じっとしていられず、一人だけ走り回っていました。それから何かが気に入らないと、壁に頭をぶつけたり、パニックをおこしてよく泣きました。 それから1歳10ヵ月のころから、テレビを消し、なるべく子どもとふれあい会話する時間をつくりました。それからかなり改善しよくなったと思います。

現在は3歳半で、多分健常児と障害時の狭間のボーダーライン上にいるのかと思います。 今でも、突然の出来事にはやはりびっくりしてパニックをおこします。保育園の運動会も、玉入れが苦手で、一人だけ泣いてできませんでした。みんなが一斉にわあ〜っと球を投げたり、歓声がするのでびっくりするのだと思います。

昨年、主人にも発達障害があることがわかりました。遺伝的要素のつよい障害ですが、親子共々改善できる方向があると信じています。 森の声さんのブログには、いつも励まされています。発達障害の子どもの子育てについて、何かご意見が伺えると嬉しく思います。 突然のmail、どうかお許しください。


発達障害の原因に関してはまだよく分かっていないようです。ただ、遺伝的な要因は強く、一卵性の兄弟では7割から9割の確率で同じ発達障害を持っているようです。

また、親子、兄弟の間でもかなり高い確率で同じ障害を持っています。

「発達障害のいま」(杉山登志郎著/講談社現代新書)には「多動な父親の息子は多動なのだ」とまで書かれています。

それと、原因はよく分かっていないのですが、発達障害の子どもや大人がどういうわけかどんどん増え続けています。

これは、検査の仕方などによっても数値は変わることですが、数値によらなくても、長い間子どもたちと関わってきた多くの人たちが、その実感的感覚としてその事実をあげています。



私も、20年以上、子どもと関わる仕事をしていますが、明らかに発達障害の子は増えてきています。また、私が子どもの頃のクラスメートにもそのような子がいた記憶がありません。

確かに発達障害は遺伝的な要素が強いのですが、一卵性の兄弟でも100%ではなく、7割から9割程度の相関関係しかないと言うことは、逆に言えば、遺伝だけでなく別の要因も強く関係していると言うことを意味しています。

そして、その「別の要因」が、発達障害の増加に関係しているのでしょう。

幼い時からテレビばかり見せられて育った子、ゲームばかりやって育った子、大人との関わりが少なかった子、虐待されて育った子などは、遺伝的素質がなくても発達障害のような状態になる傾向が強いようです。

遺伝的素質を持った子の場合には、さらにそのような要因が強く影響を与えて、さらなる発達障害の悪化を招いているのだろうと思います。

その結果、発達障害が増えてきているように見えるのでしょう。

ただし、「育ち」によるものは早期に発見して育て方を変えれば、比較的簡単に正常に戻るようです。でも、当然のことながら「遺伝」によるものはそのままです。

でも、その場合でも周囲の大人がそのことに気付かず、そのまま成長すれば元に戻ることもなくなり、発達障害として状態が固定されることになります。

遺伝によるものの場合も、比較的早い時期から療育を始めれば、状態の悪化を抑えるこがもできます。そして、その療育で行っているのは、昔の子どもたちがやっていたような遊びであったり、信頼できる大人たちとの深い関わり合いです。

病院の治療のようなことをやるわけではありません。幼い子どもたちは「遊び」という形でないと刺激を吸収することが出来ないからです。

誰かから聞いた話ですが、そのことを理解できないあるお父さんが、その療育の現場を見て、「遊ばせるだけだったら来ている意味がない」と子どもを連れて帰ってしまったこともあったそうです。



発達障害の場合は、「障害」といっても、必ずしも何かが出来ないわけでも、能力的に劣っているわけでもないからです。

「発達障害とは何か」ということを簡単にいってしまえば、「感覚やコミュニケーションにおけるズレ」です。

「障害」と聞くと、何らかの能力的な未熟さや、発達の遅れを連想してしまうかも知れませんが、発達障害の子どもたちの状態はそのようなものではなく「ズレ」なのです。

「ズレ」ですから、「違和感」としては感じますが、はっきりと数値化できるものでもありません。また、そのズレをどのように感じるのかも個人差があります。

また、知能が関係してくる場合もありますが、関係していない場合もあります。



テレビによく出ている「ローラ」という女の子も、あれが演技でなければ、発達障害の可能性が高いように感じます。

ですから、発達障害を持っているからといって、社会人として生きて行くことが出来ない、と言うことではありません。

むしろ個人的な能力としてはユニークで高度な能力を持った子もいっぱいいます。
うちの教室に来ている子たちでも、造形などにおいて非常にユニークで面白いものを作ります。

発想が普通ではないのです。それが造形などの場では長所になります。科学研究などにおいても同じことが言えると思います。

でも、そのユニークさが「人と人との関わりの場」においては問題になるのです。特に、日本の学校のような「みんなが同じ」でなければならないような場では、その短所ばかりが目立つことになります。

発達障害の子どもたちの一番の特徴は、その「みんなと同じ」が出来ないことなのです。でも、知的に劣っていない場合も多いので、親や先生からは誤解を受けます。

そして、ルールを守らない、ワガママ、反抗的、だらしがない、自分勝手、協調性がない、などと非難されます。「親の仕付けがなっていない」と親が非難されることも多いです。

でも、子どもとしては何で叱られているのか理解が出来ません。知的に劣っているからではなく、感覚が異なっているからです。

うちの教室に来ていたある子は、みんなの前でも平気でオナラをしていました。女の子のすぐ側に寄って匂いをかいで「いい匂いだ」などと言っていました。

いつも窓から出入りして遊んでいました。

幼児ではありません。小学校6年生です。会話も普通に出来るし、知能的に劣っているわけでもありません。でも、非常にユニークなのです。

そして、そこに悪意は全くないのです。でも、周囲は困ります。だから注意します。でも、本人は何が悪いのか全く理解できません。

たとえば、感覚的に、「赤」と「茶色」を区別できない子がそれらをごちゃ混ぜに使っても、その子にとっては何の問題もありません。その時、周囲が「赤と茶色をごちゃ混ぜにするな」と文句を言っても、その区別が付かない子には、その言葉の意味が理解できないのです。
そのようなものです。

いま、うちには何人も発達障害の子がいますが、みなこの「感覚のズレ」を持っています。
そして、その「感覚のズレ」は一人一人違います。

でも、逆に言えば、その子どもの「感覚のズレ」を理解して、大人の側が一人一人のその「ズレ」に合わせてあげれば、1対1の関係においてはコミュニケーションは成り立つのです。

発達障害の子を「みんな」に合わさせようとするのではなく、大人が子どもに合わせるのです。そうすれば、その子はその子なりの発達の仕方で発達していくのです。

でも、いまの日本の教育システムではそれはほとんど不可能に近いことです。

逆に、無理矢理「みんな」に合わせるように強制すると、子どもの心は傷つきます。感覚的にも混乱してしまいます。すると、「心」や「精神」の問題を抱えるようになり、様々な問題行動を引き起こすようにもなります。

その結果、学校は親を呼びつけ、親に状況を説明して協力してもらおうとするのですが、かなりの確率で、そのような子の親も発達障害なので、コミュニケーションが成り立たないのです。

そして、先生たちには理解できないような要求を出したり、一方的な理屈で先生や学校を非難することになります。

心に傷を負って育った人は被害者意識が強いですから、過剰に反応するのです。

それがいわゆる「モンスターペアレント」です。





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Last updated  2012.10.23 20:55:40
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※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:「発達障害の子どもについて」(発達障害は感覚の障害なのです)(10/23)  
まっちーオンマ さん
実は、私がある障害児通園施設で働いていた10年前から、すでに発達障害の子どもたちが増えていました。少子化の逆をいくような施設の待機児童の多さ・・・。
その時に実際は明るみに出ていないことでしたが、関係者の中で不思議だ、と話していた事があります。全てがそうなのではないですが、、、コンピューター関連の仕事をしている親御さんが多かったのです。
今やメディアは当たり前。電子機器から生じる電磁波が細胞を壊す事を知ってる人も少なく、知っていても何故か、みなそれを広めたがりません。私は、これは個人や家族の問題ではなくて、社会と環境の問題だとおもいます。
文明社会が、親の世代から子孫に負わせている悲しい遺産ではないでしょうか。(原発に通じるものがありますよね・・・。)
(2012.10.23 13:43:58)

訂正です  
まっちーオンマ さん
すみません、さっき言葉を少し間違えました。
電子機器から生じる電磁波は、遺伝子ではなく、細胞を壊すのだそうです。
特に携帯電話は頭に近づけるので、小さいお子さんに通話させるのは避けた方がいいですね。脳は目に見えませんが、電波は年令が幼いほど浸透しやすいそうです。 (2012.10.23 14:22:17)

Re[1]:「発達障害の子どもについて」(発達障害は感覚の障害なのです)(10/23)  
森の声  さん
まっちーオンマさん
>実は、私がある障害児通園施設で働いていた10年前から、すでに発達障害の子どもたちが増えていました。少子化の逆をいくような施設の待機児童の多さ・・・。

20年ほど前、私がこのような仕事を始めた時、同じように子どものための活動をしている人たちを何人も訪ね、色々なことを聞いたことがあります。

その時も、みなさん「子どもの状態がおかしくなってきた」と言っていました。

どうも、「新人類」と呼ばれる人たちが現れた頃が一つの分岐点だったようです。 (2012.10.24 06:41:19)

Re:「発達障害の子どもについて」(発達障害は感覚の障害なのです)(10/23)  
風邪っぴき さん
大人が子供のズレを理解し、合わせる。という事ができるのは、小学生以上なら、特別支援学級に在籍する事になるでしょうか?我が家の近隣の学校では年々在籍人数が増加しており、30人近い学校もあります。私は発達障害があるから分けるなんて、ますます溝ができると思ったけれど、本人にとってはその環境が望ましいのですね。みんなと一緒にが辛い人達なので。 (2012.10.27 02:28:09)

Re[1]:「発達障害の子どもについて」(発達障害は感覚の障害なのです)(10/23)  
森の声  さん
風邪っぴきさん

>我が家の近隣の学校では年々在籍人数が増加しており、30人近い学校もあります。

どこでも似たような状況のようです。
子どもの数は減っているのにおかしなことです。

今日のブログで取り上げさせて頂きました。 (2012.10.27 08:39:45)

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