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すべて、お楽しみさ… かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.12.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
先日あるテレビ番組で、「ゆで小豆」の柔らかさは砂糖を入れるタイミングで決まってしまう、ということを知って驚きました。

砂糖を入れてしまったら、その後いくら煮込んでもそれ以上柔らかくはならないというのです。

女性には当たり前のことなのでしょうが、それまで私はどんなものでも「煮れば煮るほど柔らかくなる」と思い込んでいましたから、結構驚きました。

「料理」というものは非常に奥深いです。そして、よく考えると「子育て」とも非常によく似ているようです。

例えば、材料として「魚・塩・みりん・酒・砂糖・ショウガ・醤油」などをつかった料理があったとします。

じゃあ、それらをいっぺんに鍋に入れて煮れば、美味しいお料理が出来るのかというとそんなことはないですよね。

また、出来上がったお料理に含まれる水や、調味料や、素材だけでもお料理は出来ませんよね。パスタを作る時にはパスタを茹でるために「捨ててしまう分の水」までも必要です。また、煮物をする時には水蒸気になって逃げて行ってしまう分の水も必要です。

そういうものはいくら出来上がったお料理を調べても検出できません。考えようによってはそれらは「無駄なもの」なのかも知れません。でも、そのような「無駄」があるからこそ、美味しいお料理を作ることが出来るわけですよね。

また、お料理では「寝かす」ということもしますが、結果を急ぐ人にとってはこれなども「無駄な時間」です。科学はこのような無駄を極力除こうとします。




ちなみに女性はご存じのことだろうと思いますが、お料理には詳しくない男性のために「サシスセソ」の意味をウィキペディアから引用しておきます。




2.塩(塩水)は浸透圧が高く食材から水分を呼び出すため、煮汁の味を決める初期に入れる。

3.酢は早く入れ過ぎると酸味がとんでしまうので、調理進行を見計らって入れる。

4.醤油、味噌(またはソース、ソーダ)は風味を楽しむものなので、仕上がりに入れる事が望ましい。

なお調理酒・本みりんを入れる場合は砂糖よりも早く最初に入れ、みりん風調味料は味噌より遅く最後に入れる。



そして、子育てや仕付けにおいても、この「サシスセソ」のような要素を様々な順序やタイミングや時間で案配することが非常に重要になるのです。

また、「無駄」も必要です。

2,3才の幼児は、その「感覚の働き」において「外の世界」とつながっています。ですから、幼児期は感覚に働きかけるような関わりが必要になります。

そして、この時期は強い刺激は避けることです。強い刺激は「小豆」を煮る時の砂糖のように、子どもの感覚を固くし、閉ざしてしまいますから。

そして、毎日のように強い刺激を繰り返し与えられていると、子どもはかすかな刺激を感じ取る能力が育たなくなってしまいます。

すると「優しさ」が育たなくなります。実は、「かすかな刺激を感じる能力」と「優しさ」はつながっているのです。

この時期は、優しく、暖かく、柔らかく、心地よい感覚刺激が子どもの感覚を開かせ、感覚の育ちを支えてくれます。子どもの「優しさ」も育ちます。

この時期までは「仕付け」は全く無意味です。「仕付け」と称して、いくら子どもを追い回してもよい結果を得ることが出来ないばかりか、逆に、余計に状態が悪くなるばかりです。

何かしら問題行動があったとしても、それは生理的な現象ですから、生理的なレベルで問題を解決してあげないことにはその問題行動は消えません。

あとは「自然現象」として受け入れるしかないのです。2,3才の幼児に落ち着きがないのは自然現象なんです。




この時期にテレビやゲームと出会ってしまうと、その「からだを動かす」という欲求が萎えてしまう恐れがあります。

「動く楽しさ」を充分に味わう以前に「見る楽しさ」を知ってしまうと、「動く楽しさ」が入りにくくなってしまうのです。

ゲームは「小手先の動き」で「からだの動き」を代償させてしまうので、本当の「からだ」をうごかすことが億劫になってしまいます。

また、視覚的・聴覚的に常に強い刺激にさらされていると、子どもは受け身的になり、能動的に活動することが出来なくなります。

子どもが能動的に活動するようになるためには「退屈」が必要なのです。



確かに、刺激を与えられることで脳は成長します。

でも、問題は「脳のどの部分が成長するのか」ということなんです。「意思の育ちを支える脳」が成長すべき時に、「情報を処理する脳」ばかりが成長してしまうと、意思の育ちが阻害される恐れがあるのです。

脳の成長にも順序と時期とタイミングがあるのです。「脳」は「お料理」のように成長するのです。

それは進化の過程で育ってきた順序ですから、人間の都合で変えることは出来ないのです。





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Last updated  2012.12.03 08:27:44
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Re:「子育てとお料理は似ている」(12/03)  
やました さん
ハンバーグを作っていたのに、なぜか煮込みハンバーグになっても、出来上がりに満足し、その過程を楽しめるか。
なにかが足りなくても、切り抜けて作れるか。
よい材料は素材をいかし、セール品ならせめて愛をプラスする(笑)
贅沢品やお取り寄せは大好きでも、いつものお味噌汁が一番好き。
そのように生きていきたいです。 (2012.12.03 16:56:04)

Re:「子育てとお料理は似ている」(12/03)  
ひろっち さん
>子どもが能動的に活動するようになるためには「退屈」が必要なのです。

このことは、森の声さんが繰り返しブログで伝えてくださっていたことですね。こどもが幼い内に、このことを教えていただき本当に感謝しています。

以前は詰め込み、刺激を与えることが成長に繋がると勘違いしていましたが、そうではありませんね。

私が小学生だった三十年前でも、早くから塾に通い神童といわれていた同級生が中学にはいると失速していった人はたくさんいました。こどもの小さい器にぎゅうぎゅうに詰め込むのでなく、器が深く大きく広がるように、そして中に入れるものを能動的に選び取れるように大人は助けていくべきなのかな、と思っています。遊びって、こどもにとっては学びであり・喜びであるのですね。

(2012.12.08 09:20:37)

Re[1]:「子育てとお料理は似ている」(12/03)  
森の声  さん
やましたさん
>ハンバーグを作っていたのに、なぜか煮込みハンバーグになっても、出来上がりに満足し、その過程を楽しめるか。
>なにかが足りなくても、切り抜けて作れるか。
>よい材料は素材をいかし、セール品ならせめて愛をプラスする(笑)
>贅沢品やお取り寄せは大好きでも、いつものお味噌汁が一番好き。
>そのように生きていきたいです。
-----
「自由を楽しむ」ということですね。 (2012.12.09 09:29:23)

Re[1]:「子育てとお料理は似ている」(12/03)  
森の声  さん
ひろっちさん

>私が小学生だった三十年前でも、早くから塾に通い神童といわれていた同級生が中学にはいると失速していった人はたくさんいました。


そして、何十年後かの同窓会で会うと、当時の悪ガキが生き生きとしていたりするんですよね。 (2012.12.09 09:31:27)

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