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森の声

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2021.07.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今、日本中に「ガンバレ日本」という言葉が溢れていますが、昔から日本人は「頑張る」という言葉や精神が好きです。

その「頑張る」という言葉には自己犠牲的な精神が含まれています。
ですから、「頑張る」という言葉は「○○のために頑張る」というような使われ方をされることが多いです。

子どものために頑張る。
家族のために頑張る。
チームのために、日本のために頑張る。
勝利のために頑張る。

のようにです。

こういう自己犠牲的な精神を美しいと感じる感性が日本人にあるのでしょう。
まただから「金を取れなくてゴメンナサイ」などという言葉も出てくるのでしょう。

またそのため、「頑張る」という言葉は自己犠牲を意味する「我慢」という言葉とセットになって使われることが多いです。

今は自分のやりたいことを我慢して子どものために頑張っています。
不満はあるけど言いたいことを我慢して、チームのために頑張っています。
遊びたいのを我慢して、勉強を頑張っています。

などのようにです。

ちなみに、この「頑張る」はそのままの意味では英語に訳せません。英語に訳してしまうと「努力」的な意味になってしまい、自己犠牲や我慢の精神が消えてしまうからです。



日本語由来の「ガンバレ」は「自分に負けるな」的な意味を含んでいますが、英語由来の「ファイト」の方は「自分に負けるな」ではなく「相手と前向きに戦え」的な意味が強いような気がします。

ボクシングのレフリーが言う「ファイト」も同じですよね。

個を大切にする欧米文化には「自分の言いたいことを我慢し、自分のやりたいことを我慢し、自分を犠牲にしてまでチームや他者のために頑張る」という考え方や価値観は希薄なような気がします。

努力はしますが、あくまでもそれは自分自身の目標を達成するためです。だから、チームで動く場合は目標を共有する必要があります。だから話し合うのです。そしてだから、個々が持っている能力を生かすことが出来るのです。

でも、日本にはその「話し合い」がありません。上が決めた目標を理解するための話し合いはしますが、自分の意見を言い合い、お互いに理解し合うような話し合いはあまりしません。

自分の意見があっても個人的なことは我慢してしまえばいいのですから、話し合いなど必要がないのです。でもそもため個々が持っている能力を生かすことが出来ません。

学校で色々とトラブルが起きてお母さんが学校に相談に行っても、先生は「学校の見解を説明するための話し合い」はしますが、お母さんや子どもの意見を聞いて対等の立場で話し合うことはあまりないのではないかと思います。

そのような場では、学校は親や子に一方的に「我慢」と「頑張り」を求めてきます。それを納得させるための話し合いです。でもそんなもの「話し合い」ではありません。

お母さんもお母さんで、子どもに「言いたいこと」や「やりたいことが」あっても、お母さんの意に沿わないことは「我慢しなさい」「頑張りなさい」と一方的に子どもを追い立てています。

それで子どもは「我慢」を覚えるのですが、同時に「自分を生かす生き方」が出来なくなります。

また、子どもに「人に合わせるだけの我慢や頑張り」ばかりを求めていると、子どもは成長への意欲を失います。



また、我慢して頑張るだけの勉強は、頭の記憶としては残っても、心や、感覚や、からだの中には残りません。ですから、いくらいっぱい勉強しても、子どもの「人間としての成長」にはつながりません。


どんなに一生懸命に頑張って子育てしても、頑張れば頑張るほど苦しくなるだけです。

だって子どもがお母さんに求めているのはそんなことではないからです。
子どもの成長に必要なことはお母さんの自己犠牲ではないのです。

子育ての現場で求められることは、会社やスポーツの現場で求められることとは正反対なんです。


でも今、「ガンバレ」とか「頑張る大切さ」を訴える人はいっぱいいますが、「頑張らなくていい」、「むしろ頑張らない方がいい」という価値観を訴える人がほとんどいません。

だから子育てが苦しくなってしまっているのです。子どももお母さんも苦しくなってしまっているのです。

<続きます>





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Last updated  2021.07.28 11:42:57
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