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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2022.10.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
明日からテーマを変えますが、何かご希望のテーマはありますか。
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先日、新聞を読んでいましたら「代替医療の嘘を暴く」的な内容の本が紹介されていました。例えば、鍼灸師に本物の針で治療してもらった時と、先が引っ込む偽物の針で治療してもらった時とで、治療効果に差が出るのかというような実験をいっぱい行って、代替医療の効果が実は心理的なものであって、実際の効果はない、ということを証明しようとした本です。
この本は読んではいませんが、似たようなテーマの本は結構出ています。

この心理的な効果をもたらすものを「プラシーボ」(偽薬)と言って、医学の世界では「偽物」として極力排除しようとしています。心理的な効果は科学的な裏付けがないので、インチキであり、排除すべき事であるということです。

ですから、新しい薬などを開発する時にも、患者を2グループに分け、一方には本物の薬を与え、別のグループには全く関係のない「薬のようなもの」を与え、効果に差が出るのかどうかを検証します。

一般的には、このように「人間的な要素」を極力排除して物事を考えることを「科学的」といい、「人間的な要素」が大切にされている世界を「非科学的」といって、レベルの低いものとして考える傾向があります。

「科学的な方法」と「人間的な方法」の大きな違いは、「普遍性」と「再現性があるかないか」という事だろうと思います。「科学的な方法」には「普遍性」と「再現性」があります。でも、「人間的な方法」にはそれがありません。

科学的な方法で確認されたことは、同じ前提条件を与えることが出来るのなら、いつ、どこで、誰がやっても、同じ結果を得ることが出来ます。それが「科学的」ということです。そのことを確認するために科学者達は実験室の中で出来るだけ「人間的な要素」を排除して研究をしています。



Aさんと、Bさんが、全く同じようにやったとしても、同じ結果になるとは限らないのが「人間的な世界」なのです。
また、昨日と今日とでも、朝と夜とでも結果に違いが出てくるでしょう。
「人間的な方法」には再現性がないのです。いつでも「一期一会」です。

でも、だからといって効果がないわけではありません。それどころか、下手をすると「科学的な方法」よりも効果がある場合もあります。だから、科学者達は神経質になって「プラシーボ的な要素」を排除しようとするのです。そうしないと「科学」が成り立たないからです。

ケガをして泣いているわが子に対して、お母さんが「いたいの いたいの 飛んでいけ」と言って泣きやんだからといって、同じことを他の子にやっても泣き止むとは限りません。それは当たり前のことなんですが、科学者はその「当たり前」を「インチキ」(科学的根拠がない)として否定しようとするのです。

でも、「科学」というものが、ロケットを飛ばし、コンピュータを開発するためだけのものならそれでいいのですが、もし、人間のために科学を開発しているのだとしたらその方向性は間違っています。

科学の正しさは物質世界の中だけでしか再現出来ないからです。それは、人間は「科学的に反応する生き物」ではなく、「人間的に反応する生き物」だからです。人間的に反応する生き物だからこそ「人間的な方法」が効果を発揮するのです。

科学的に開発された薬でも、名医からもらう時と、薬局で買ってきた時とでは効果が違うかも知れません。無愛想な男性の医者からもらうのと、優しい女医さんから「大丈夫だよ」という言葉がけと共にもらうのとでは効果が違うかも知れません。

研究開発の段階でどんなに心理的な効果を排除しても、実際にそれらが使われている現場では必ず心理的な効果が働いてしまうのです。その効果は決して排除できません。薬局で、笑顔で渡された薬と、嫌な顔をして渡された薬が同じ効果を発揮するかどうかは明確ではないのです。それが人間なのです。

でも、いくら科学的ではなくても、こういうことは実際に起きています。それを認めない、受け入れないという態度は科学的ではありません。

「科学」は開発する時には「科学的方法」に従い、実際にそれを人間に対して使う時には「人間的な方法」に従うべきなんです。そうすることで、効果が倍増することもあるかも知れません。

だから子育てや教育の現場ではみんな、「正解」を押しつけるようなことばかりやっているのです。

それに、科学ですら、実際に人間が使っている場では非科学的に扱われています。例えば、「科学的に証明された」と言うと、みんな信じますよね。その検証が理解出来なくても・・・。科学を信仰している人たちは、非常に矛盾したことをやっているわけです。

でも、現代人はその「人間的な方法」の大切さが分からなくなってしまいました。そのため、子育ての場でも科学的に子どもと関わろうとしている人がいっぱいいます。「いたいの いたいの 飛んでいけ」という言葉や、動物達が洋服を着ていたり、話をする昔話などを「ばかげたもの」として、子どもから遠ざけようとしているお母さんは少なくありません。

でも、カルト集団はその大切さも、方法もよく知っています。だから、科学的な知識は持っていても、自分の頭で考える能力を持っていない人は簡単に引っかかってしまうのです。
人間は、「科学的な方法」よりも、「人間的な方法」の方に強く影響を受けるように出来ているからです。


だから、「人間らしい人間」を育てることが困難になってしまっているのです。

ちなみに「人間的な方法」が肯定的な効果を発揮するためには、その人の「人間性」と、その相手との「信頼関係」が非常に重要になります。ですから、「人間的な方法」を大切にしようとするなら、自分の人間性を磨き、その相手との間にしっかりとした信頼関係を築くところから始める必要があります。

科学的な方法ではそのようなものは必要ありません。「人間」ではなく「方法」によって効果が出ると考えられているからです。だから、自分を磨く必要も、相手との信頼関係も必要ありません。でも、そのような方法では「人間」を育てることは出来ないのです。

また、どんなに科学的な子育てを取り入れても、子どもとの間に信頼関係が築けていないのなら、逆効果になってしまう可能性が高いです。ご注意下さい。

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夕べは喘息とアレルギー(花粉症)でよく眠れませんでした。それで頭がボーッとしています。文章にもおかしなところがあるかも知れません。お許し下さい。





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Last updated  2022.10.08 09:12:11
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Re:「科学的方法と人間的方法」(10/08)  
かわうそ さん
幼い頃の自分は、母親の魔法で過ごしてきた、という気がします。
もちろん、具合が悪い時は薬を飲まされ、病院にも行きましたが、母の「だいじょうぶ!」「もうすぐ治るから心配いらないよ!」という事後の魔法あり、「今年の冬は、インフルエンザにはかからないよ!」などという未来への魔法あり…。母に言われると本当にそのとおりになり、魔法は万能でした。
 親になった私も、同じように魔法が使えた気がします。こどもが成人して家を離れた今も、魔法(念力?)を送り続けています。科学的ではないですね…

 夫は子煩悩で、幼い子どもたちと一緒にいる時間も長かったと思いますが、夫が「いたいのいたいのとんでけー!」とか「これくらいの怪我ならだいじょうぶだよ!」と言っても、子どもたちは、「…ママにやってもらってくる」「…ママに聞いてくる」と言っていました。
母親の私と同じくらい、信頼関係は厚かったと思うのですが…。

 篠先生は会社勤めの父親よりも、お子さんと一緒に過ごす時間が長く濃密だったと思いますが、お子さんたちにたいして、お母さんと同じように魔法が使えましたか? (2022.10.09 12:12:42)

Re[1]:「科学的方法と人間的方法」(10/08)  
森の声  さん
かわうそさんへ

>母親の私と同じくらい、信頼関係は厚かったと思うのですが…。

>篠先生は会社勤めの父親よりも、お子さんと一緒に過ごす時間が長く濃密だったと思いますが、お子さんたちにたいして、お母さんと同じように魔法が使えましたか?

お母さんの魔法は絶対的です。
父親との関係は生まれた後から始まりますが、お母さんとの関係はその十月十日前から始まるのですから。

十月十日ほど、お母さんと子どもは一体だったのですから。

(2022.10.09 14:47:33)

Re:「科学的方法と人間的方法」(10/08)  
おかずママ さん
新しいテーマですが、思春期の子どもの事を書いていただきたいです。
10歳ぐらいからの子どものからだや心の変化、など。
中学生になると色々変わりそうだな、と。
親が子どもにどの程度まで踏み込んでいいのか、とか最近考えています。
先生のお子様の経験など教えていただけると嬉しいです。 (2022.10.09 14:53:51)

Re[1]:「科学的方法と人間的方法」(10/08)  
森の声  さん
おかずママさんへ

>新しいテーマですが、思春期の子どもの事を書いていただきたいです。
10歳ぐらいからの子どものからだや心の変化、など。
中学生になると色々変わりそうだな、と。
親が子どもにどの程度まで踏み込んでいいのか、とか最近考えています。

了解しました。
「無意識」の後に書きます。 (2022.10.09 15:24:19)

Re[2]:「科学的方法と人間的方法」(10/08)  
かわうそ さん
十月十日、一体だった母子と、その経験がない父子…
その事実を踏まえた上で、父親も母親も時間的にも内容的にも平等に育児を担おうとすることについて、どんなふうに思われますか?父親の立場と、子供の立場という視点から、先生のご意見を聞いてみたいです。

 どうしても用事があって幼い子どもたちを夫に託して出かけたときに、魔法があまりつかえない(?)父親は、子供のちょっとした異変(身体的なものはもちろん精神的なものも含めて)に気が付くことができるのだろうか…と心配だったことを思い出しました。 (2022.10.09 19:36:04)

Re[3]:「科学的方法と人間的方法」(10/08)  
森の声 さん
かわうそさんへ

>父親も母親も時間的にも内容的にも平等に育児を担おうとすることについて、どんなふうに思われますか?父親の立場と、子供の立場という視点から、先生のご意見を聞いてみたいです。

父親と母親が同じように接していても、子どもは異なった影響を受けます。(これはちゃんとそういう研究があるようです。)

男女平等というのは、社会的権利という視点ではその通りですが「生物的に男女が同じ」という意味ではないと思います。

生物的な意味ではからだが異なっていると言うだけでなく、能力、感覚、思考方法、行動様式の全てにおいて異なっています。
これは役割の違いであって、「どっちの方が上」という問題ではありません。 (2022.10.12 18:30:21)

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