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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2023.12.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
人は色々なことに対して、「先入観」で考えたり、行動したりしています。そして、その先入観に合っているならすぐに信じてしまいますが、先入観に合っていない時には、どんなに証拠を見せられてもなかなか信じないものです。

面白いことに、大人であっても自分の先入観に合っているなら、どんなにおかしな事でも平気で信じてしまうのです。だから、簡単にデマに流されたり、詐欺に引っかかるのです。

人はそれが「事実かどうか」を、自分の「先入観」に照らし合わせて判断しているのです。でも、その先入観が「事実であるかどうか」ということはなかなか疑わないものです。
人間というものは本来的に非科学的な生き物なんです。

大人達は「科学が言っている事は絶対に正しい」という先入観を持っています。だから簡単に科学的な言葉を使った、非科学的な嘘に引っかかってしまうのです。
でも、実際には科学が言っている事も時代によってコロコロ変わっています。

そしてその先入観は、その人が受けた教育や、それまでの人生体験によって作られています。ですから、人それぞれです。国や文化が違っても先入観は異なります。それはつまり、この世界にはそれだけいっぱい「事実」があるということです。

人を騙す人ばかりの中で育った人は、人を見たらみんな「嘘つき」に見えるでしょう。でも、人を信じる人ばかりの中で育った人は、人の言うことは素直に信じるでしょう。

この世界にはその先入観の数だけの「事実」が存在しているのです。人は先入観が作った世界を生きているのです。だから、イスラム教徒とキリスト教との対話が難しいのです。


どのように説得しても、その説得の言葉すら、先入観で解釈されてしまうからです。

このように人は先入観の世界を生きているのですが、これは大人だけでなく、子どもも同じです。ただし、大人の場合はその人がこれまで受けてきた教育や人生体験によってその先入観が作られているので人それぞれですが、7才前の子どもの先入観を創り出しているのは「子どもの成長を支えている命の働き」なので、基本的に世界共通です。

それは「大人の言うことは正しい」「お母さんやお父さんは自分を守ってくれる」というような先入観です。また、自分が生まれてきたこと、生きること、成長することを肯定するような先入観も持っています。そこには文化的な違いはありません。
子どもたちは世界共通の世界に生きているのです。

その先入観の世界には「嘘」というものは存在していません。裏も表も存在していません。子どもには「疑う能力」がないのですから。

だから子どもはお母さんやお父さんの言うことをそのまま信じます。そして、だから簡単に「大人の嘘」に引っかかるのです。子どもに「あやしい人の言うことを信じないように」と言っても無駄なんです。

確かに、子どもはしょっちゅう「現実とは異なること」を言いますが、でも子どもはそれを「嘘」だとは思っていません。逆に言うと、
「うさぎさんとお話しした」というのは「心象的な事実」です。
また、片づけをしていないのに、お母さんに「片づけたの?」と聞かれた時、「片づけたよ」と答えるのも「嘘」だとは思っていません。

大人にとっては「悪い嘘」であっても、子どもには「嘘をついている」という認識はないのです。子どもはただ、そう言うとその場をうまくやり過ごせるということを体験的に知っているだけです。
それはお母さんが、「後でお菓子を買って上げるから泣くんじゃない」とその場しのぎのことを言うのと同じです。



また、お母さんが冗談で「あんたは橋の下で拾ってきたんだ」とか、「いい子にしていないと嫌いになっちゃうよ」などと言うと、子どもはそれもそのまま信じます。
「勉強しないと、学校に行かないと将来・・・」と脅かせばそのまま信じてしまいます。「歯を磨かないとそのうち・・・」という脅かしもそのまま信じてしまいます。

疑うという能力を持っていない子どもには、それを「冗談」だと認識することができないのです。だから子どもにそういうことを言ってはいけないのです。

また、虐待を受けている子は、お母さんではなく、自分の方が悪いと思い込んでいます。なぜなら、「どんなことがあってもお母さんは自分を守ってくれるはずだ」という先入観があるからです。

だからこそ「大人が子どもに何を語るのか」ということが非常に重要になるのです。その時、「科学的な事実」だけを語ろうとする人がいますがそれは無意味です。



サンタクロースを信じている子より、「そんなの嘘だ」と言う子の方が科学的であるなんて事は全くないのです。両方ともただ大人の言葉を信じているだけなのですから。



幼い頃にそのような言葉を聞かされて育った子どもは、そのような先入観を持って生きるようになります。そのような子どもと、「嘘を言うんじゃありません」と「人間は嘘をつく」という先入観を植え付けられた子どもとではどちらの子の方が幸せな人生を送ることが出来るでしょうか。


「知らない人に近づいてはいけない」とか、「おかしな人が寄ってきたら逃げなさい」というようなことを聞いて育った子は、「人間は信じることが出来ない」という先入観を持つようになるでしょう。

そして、7才までに体験を通して身につけた先入観は、一生その人の先入観として働き続けるのです。

問題はもうすでにそのような否定的な先入観を持った大人ががいっぱいいると言うことです。そのような人は、子どもたちに肯定的な先入観を与えることが出来ません。





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Last updated  2023.12.20 11:29:58
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