2015/04/02
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さて、ブログを再開しよう。シェッツェル醸造所のバーベキューに呼ばれた話だった。
正直、そうやって呼んでもらえるのは嬉しいことだ。仲良くなって、何か聞きたいことがあった時など気軽に問い合わせが出来る生産者を増やすと、あとで助かることが多い。私は所詮ワイン造りの素人なのだから、プロの話に素直に耳を傾けた方が生半可な理解で書くよりも意味のある記事になる。


シェッツェル醸造所のバーベキューパーティ。前菜のホワイトアスパラ。

そういう意味でも生産者との飲み会はありがたいことなのだが、いくつかの点でしんどいことがある。一つは時差ボケ。日本とドイツの時差は7時間か8時間あり、現地の晩飯時である夜7時頃は日本時間の夜中の2時か3時頃である。でもって、宴もたけなわとなる夜10時頃私の体内時計はほぼ徹夜状態で、意識が朦朧としてくるのである。しかもアルコールが入っているから、もう、起きているのが精一杯だ。グラスをつかむことすらままならないこともある。

たまに取材でプレスツアーに参加したりすると毎晩生産者を交えての夕食となる。日本人は私だけのことが多い。白状すると、パーティは苦手だ。立食ならまだ気楽で顔見知りの生産者の所に行ったり知人と雑談したりしていれば、いつしか夜も更けてお開きとなるのだが、着席式となるとそうはいかない。初対面か、それに近い隣人とそれなりに会話しないと、どうにも気詰まりになる。そして自分だけ聞き役に徹していると、いつの間にかテーブルの中で孤立して情けない思いをすることになる。同席者によっては時々話を振ってくれることもあるけれど、そうでない場合は少々しんどい。しかも時差ぼけでもとから鈍い頭の回転はほぼ停止状態に陥っているから救いようがない。もっとも、そういう状態でも顔見知りは増えるので、日数が経つうちに楽になって行くのだが、最初の二日間は二重の意味で正直なところきつい。

さて、シェッツェル醸造所のバーベキューはといえば、これが深夜0時過ぎまで続いた。明るいうちはなつかしの80年代ヒットパレードといったBGMが流れ、肉の焼ける匂いと煙が漂う中、遊びに来た近隣の若手醸造家が持ってきたワインが次々と開けられ賑やかだった。最終的には20人くらいは集まっただろうか。主賓はVDPの試飲会に訪れていた北欧からのソムリエ達の団体6, 7人のようだったが、気楽なムードだった。


夜が更けてからの様子。

やがて日が暮れて暗くなるとBGMはクラブ系に変わった。ドイツ人はこの手の音楽が好きで、昔住んでいたアパートの住人もパーティというとエレクトリックでビートの効いたサウンドを深夜2時頃まで流していた。あの重低音は構造物を通じて響くのである。一応騒音迷惑禁止条例があって、確か夜11時以降に通報されると警察がやってきて注意して、従わないと音響機器を没収されるという決まりはあったが、それでも深夜までうるさいことが時々あった。それと同じ音楽が、昔修道院だったという醸造所の庭と納屋に満ちる中、参加者は思い思いに語り合っていた。ビールよりもワインの消費量の方が多く、そのワインも酔うためというよりは会話のネタとして語り合うために開けられ、その場に居合わせた大抵の人はほとんど素面だった。彼らは我々日本人よりもアルコールに強い。


この日飲んだワイン。彼らは日頃から、こういうワインを仲間と議論しながら飲んでいるようだ。



ホテルに着いたのは深夜2時頃だっただろうか。大体このあたりだという場所で車を降り、静まりかえった通りで予備のバッテリーに成田で借りたwifiルーターを繋ぎ、iPhoneにgoogle mapを表示したらすぐに見つかった。日本時間は午前9時で体内時計は次第に目覚めつつあったが、翌日も続く試飲のために、とにかく眠った。





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Last updated  2015/04/03 01:37:37 AM
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李斯。@ お久しぶりです。 御無沙汰しております。 何時も拝見してい…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その64(04/05) 「ムスカテラー辛口」は私も買おうかと思…
mosel2002 @ Re[1]:ひさびさのドイツ・その54(03/14) pfaelzerweinさん >私の印象では2013年…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その54(03/14) 私の印象では2013年からは上の設備を上手…

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