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たにたに@ ほ~ 「博士の愛した数式」って作風違うんだ。…
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さやか@ 奇遇! あら、私も日曜日上野公園にお花見にいっ…
muMa @ Re:なんかさー(01/26) なんでさー?

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November 15, 2008
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カテゴリ: 日々のこと
わたしのデスクの隣に、女がいる。

その女は、わたしの上司であり、可愛がってくれる人生の先輩である。
しかし、とても五月蝿い。とても人遣いがあらい。
あれやってこれやって攻撃に防御する暇もない。
時々本気でむかっとしてしまって、名前を呼ばれても無視する。それで怒られたりする。
嫌いではないけれど、仕事のやり方が好きではないし、いつも周りに敵を作るので「生き方下手すぎる」と思っていた。

木曜日、営業部の副部長が、自分の部下を怒鳴った。
フロア全体に聞こえるほどの大声で、しかも、その部下を前にしてではなく、
自分の席から、遠くにいる部下を怒鳴った。

それは確かにむかつくことかも知れない。
でも、フロア全体を震わせるような大声で人を怒鳴っていいはずはない。
それは恫喝に近い、ただ、己の怒りを発散させるだけの行為だった。
彼の声に、フロアが一瞬にして真空状態になったようだった。
しんとして、耳がきーんとして、息が苦しくなった。
怒鳴られた人は、わたしのことを可愛がってくれている女の人だった。
すごく心配だったけれど、恐くて動けなかった。
営業部の部長もなにも口にしなかった。注意すべきの人がなにも動かなかった。
みんな、みんな、固まっていた。
そのとき、ふっと、空気が揺らいだ、と思った。
隣の女が、すくっと立ち上がった。わたしは見上げた。

「今のはなんですか?」
と言った。
「なんで怒鳴ったんですか?それが許されると思っているんですか?」
部署も違う、しかも立場もずっと上の上司を女は怒った。
「パワハラですよ。そういうことはやめてください。」

「言い訳はいいです。ご自分の行動を考えてください。」
そう言って、席に戻ってきた。

わたしは涙が零れそうになった。感動で。

女は所謂、いい人でもない。優しい人でもない。みんなにウザがられるタイプの人間だ。
でも、女は自分を決して騙さない。
悪いと思ったことに、間違っていると思ったことに、立ち向かう。
たとえ、それが大きな大きな壁でも。自らの立場が危うくなることなんて考えない。
ちんけな正義感で動いているわけではない。
己にどこまでも真っすぐなのだ。
いつもは人には調子のいいことばかりいって、嘘ばかりつくくせに。

わたしの隣に座っている女は、とてもかっこいい女だ。
生まれて始めて、人を心からカッコいいと思った。




「その日のまえに」大林宣彦監督
超、楽しみにしていた映画だったのに。
あぼーん、でした。あぼーん。全部が、あぼーん。

「その日のまえに」重松清
こちらは小説。
死を、悲劇の材料としてではなく、日常の一つの粒としてとらえているから、好感の持てる物語たちが収録されていました。
しかし、なんだろうか、あまり心に刺さらない書き方。知ってる知ってる、という既視感が。
ただ、子どもの描き方が非常に上手!重松清!子どもの頃の、上手く言葉にできない気持ちや行動、目に見えた景色や感じた温度、すべてが匂い立つように思い出される。

「ゴースト・ワールド」テリー・ツワイゴフ監督
超好き!すべてが好み!おすすめです!











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Last updated  November 16, 2008 01:52:42 AM
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