全590件 (590件中 1-50件目)
おめでとうございます。とんだ放置具合。他に書くべきことがあると、己の陳腐な身の回りのことなど、特に書きたいことなどないということです。でも、ほそぼそとメモ的なことは思いついた折りに記しておきたいので駄文は残しておきたいと思ってます。夫の真似をして、はてぶに移行します。http://d.hatena.ne.jp/wasabidango/よろしくおねがいします
January 3, 2010
夏の思い出を一気にプレイバック!甲子園観戦@TV:最強モンスター菊地雄星よりも明豊の今宮と中京大中京の堂林。 高校野球の素晴らしさは計り知れない。 感情の波や、緊張の糸が目で見えてしまうような気がしてしまう。 そこが、いい。手で創る@水戸芸術館:まあまあの展示。次の企画展が面白そうよ→「現代美術も楽勝よ。」鎌倉散策:坂倉準三展@神奈川県立近代美術館 豊島屋の鳩サブレ 小川軒のレーズンサンド 古道具屋めぐりラデュレのマカロン資生堂パーラーのオリエンタルパフェ花火大会@二子玉川ポルノグラフィー特集の現代思想、悪魔の歴史を読みながらポストロックDJ@combine:夫が行きたいと言うので行ってみた。気持ちよかった combineは図書館みたいに使えばとてもいいカフェなのかも「20世紀少年 弟1章」@TV:最低だった。堤監督よ、、「ハイ・フィディリティ」@DVD:面白かった。「人の価値は好みで決まる」だよねー。パリ旅行に向けてこつこつパリについて勉強をば。無知のままに向かってしまえば落としてしまうことが多い。わたしはそれがすごく嫌だ。パリと土地に流れた血と自由の歴史、アートとファッションの匂いをめーいっぱいに吸収したいのだ。つまり、単純化するとこういうことアメリのクレームブリュレ<<<<<<<ジーン・セバーグのお墓違うか。。
August 24, 2009
COME ON! → お盆休み☆お盆休みの前日である金曜日、新宿バルト9にて「サマーウォーズ」監督:細田守を観てきました。SNSとセカンドライフとその他もろもろのインターネット機能を全部詰め込んだようなオズという世界で、ハッキングAIから現実世界を守る、日本の大家族と少年少女の話。現実世界と密に繋がっているセカンドライフのような「世界」を一つの舞台にした設定は危うく、また、もう一つの舞台である現実世界の家族の繋がり、引いては世界全体の繋がりをエモく描き出す脚本は少々くどい。下手な監督が演出をしていれば、最低の映画になっていただろうと思います。が、そこは細田守監督の仕事。そんな危険要素を飲み込んで、高いレベルへ完成度を持ってきてくれます。ジェットコースタームービーよろしく、物語の運びと映像にスピードがあり音楽も賑やかだった前半から、静寂の中盤への流れ、鳥肌が立ちました。バックミュージックを排除し、時間をゆっくりと流し、それと同時に実写でいうローアングルの長回しのようなカメラワークで登場人物の感情をめーいっぱい引き出す。登場人物の背中と、朝顔と、夏の雲と、夏の空が、画面いっぱいに描き出されると、胸いっぱいです。わたしは、細田監督が使う、流れの速い世界の中で登場人物だけが時間を止めている、そういう演出がツボMAXです。涙出ます。細田監督はすごい。夫もわたしも3回くらい観てるけど、また「時をかける少女」が観たくなりました。こりゃDVD買わなきゃ、かな。この夏は「エデンの東」(テレビアニメ、神山健治、羽海野チカ)も観たいです。あー、素晴らしいお盆休み前日!ボロ負けの予感、常総学院!
August 8, 2009
のりぴー、やっぱり。クスリが抜けるまで逃亡するつもりなんだと思ってたけど、こんなに早く逮捕状が出るとは思わなかった。というか、自称プロサーファー、ゲス野郎だな。自称プロサーファーが「妻も覚せい剤やってる」なんて言わなくても、事実は家宅捜索しちゃえばわかることで、すぐばれる嘘だとわかっていても生涯の伴侶なんだから「妻は関係ない」とでも言ってみろ。というか、というか、自称プロサーファーって!?かたや、押尾の方はどうなったんでしょ。人が死んでるんですけど。そんなことより明日から甲子園!花巻東のサウスポーピッチャーは150キロの球速を持っている。すげえークロスゲームのコウは156キロだけど。@1日(土曜日)横浜花火大会の日。ランチ@ディンタイフォンで小龍包横浜の町をふらふら。象の鼻パークで花火鑑賞。象の鼻パークができてから横浜に来たのは初めて。象の鼻パークは広くてとてもよい。象の鼻パークには象の鼻ソフトがある。@2日中目黒~代官山を散歩夫が通う中目黒の服屋で田村淳。
August 7, 2009
電車を降りると同時に、わたしはイヤホンが震えるほど音量をぐんと上げる。周りの音を遮断すると、水中で泳ぐように歩くことができるからだ。それはとても気持ちがいい。轟音が作り出す柔らかいゼリーの膜の中でふと空を見上げたら、高い青に隆起する真っ白い夏の雲。なんて、夏なんだろう。ぼんやりと立ち止まったら、低い位置にその白を侵して一面に広がろうとする黒い煙が見えた。それと同時に、イヤホンの轟音の向こう側にサイレンと鐘を叩く音が聞こえて、「火事だ」と気がついて慌ててイヤホンを抜き取った。するとサイレンも鐘の音もピタリと鳴り止んで、鼓膜を圧したのは、むんとする蝉の声と空を写メに撮る女の人が連れた犬を叱る声。真っ黒い煙は、真っ黒い雲だった。夕立が来るのかと思ったが、雨は降らなかった。あだち充、という才能に、今更ながら惚れ込んでいます。@19日根津のギャラリーに、友達の個展を見に行く。帰りには谷中ボッサ。@24日夫が買ったDVD「青い春」を見る。アベフトシ追悼。「青い春」は好きな映画の一つだけれど、観るのは2回目で、2回目を観るにあたって懸念していたことが的中した。「青い春」と共に「花とアリス」のDVDも夫は買った。わたしが一番好きな映画「花とアリス」。観る回数を重ねるたびに、映画のよさがわかる。そして号泣する。@25日夫の会社の人たちとBBQ@二子玉その後、資生堂パーラーで休憩。家に帰った後、浴衣に着替えて湯島~上野公園へ。隅田川の花火大会の空気をちょっとだけ感じる。上野公園ではぱっとしない骨董市が開かれていて、とてもよかった。夜は初めての「世界の山ちゃん」夫の元彼女のことを思い出してメランコリック。には、もうならない。▽中目黒グルメ「カフェ ファソン」喫茶店。店内の雰囲気は良くない。IKEAで購入したらしいパリの写真が飾ってあるくらいの良くなさ。でもコーヒーと紅茶とケーキはなかなか美味しい。もうすぐお盆休み。
July 29, 2009
@土曜日入籍前に注文していた結婚指輪がついにできたというので、新宿伊勢丹まで。普段、アクセサリー類をまったくしないため、指輪をするのも違和感で落ち着かず。外したりつけたり、せわしないったらあしゃりない。けれど、初めてもらった指輪が結婚指輪であることが嬉しい。銀座三越で、初めてラデュレのマカロンを食べる。あまりの美味さに夫と共に顔を見合わせる。銀座に行ったら毎回絶対食べよう。パリに行ったら、本店でいっぱい買っちゃおう!@水曜日バムセとクリスピークリームドーナツを持って友だちの家へ遊びに行く。6ヶ月の赤ちゃんと触れ合って、心臓バクバク。わたしの指先を、ちいさな爪のついたちいさな指できゅっとされると、涙が出そうだった。。なんだ、あの生物は!?というか、友だちの旦那は有名バンドのギタリストだった。@木曜日明け方、頭上に洋服がたくさん落ちてきた。生理痛で会社を休む。ダウンしているというのに、町内会費の回収に隣の家のおばさんが何度もドアをノックしてきた。映画▽「レスラー」ダーレン・アロノフスキー@シネマライズ悲しくも強い、素晴らしい映画。人が闘うのを観るのが大嫌いなわたしでさえ、映画のラスト、全てを失ったミッキー・ロークが、生きるために己の死に場所で命を賭して闘う姿に魅せられた。胸が高鳴って、涙が止まらなかった。中目黒グルメ▽まるさんフーズ(カフェ)フルーツ酢がたくさん置いてある、オーガニックカフェ。オーガニックカフェはあまり好かないが、人が少なくてよい。窓際の席が全てカリモク。▽(汁)ハレノヒ蒸し野菜を食べるお店。美味しいけれど、お値段が高い。
July 16, 2009
たくさんの人の願いごとばかり聞いているから、おほしさまはその重みに耐えきれなくなって、ぴゅーって落ちてしまうらしい。ぴゅーって落ちたおほしさまは、世界の果ての湖に沈むのだそうだ。今宵はいくつのおほしさまが湖に眠るのでしょうか。遅ればせながら、小玉ゆき「坂道のアポロン」を読んだ。ガっ!!!と、心、掴まれた。切なさに溺れてしまう。苦しい。でもあったかい。作者自身も扉のコメントで書いているけど、漫画はとってもファンタジー。ハリポタとかのファンタジーではないのだけれど、なんか、同じ世界のようで、違うどこか遠くの世界みたい。そういうファンタジー、大っっっ好きなのだ。「これがリアル!」みたいなものはあまり好かん。小玉ゆき、すごい漫画家。「坂道のアポロン」の巻末には、必ず数ページの短編が載っている。それはファンタジー100%なんだけど、これもすごいよい。少女漫画は集英社が一番だと妄信していた部分があったが、そんなことはないな、と改めて実感。人に借りたまま読んでいない本や、買ったまま読んでいない本が山積している。ずっと活字が読めない状態だった。しかし、現在、活字ゾーンに入っている。とりあえず、井上荒野「切羽へ」を読了。好きじゃないタイプの小説だった。映画は次の2本。▽「ディア・ドクター」西川美和@渋谷んもう、さすが、の、一言。久しぶりに心の底から面白い映画(日本映画)を観た、と思った。▽「西瓜」ツァイ・ミンリャン@DVDポップな映像センスに脱帽。昔のキム・ギドクがポップになった感じ。「映像美で魅せまっせ!」という日本の映画って雰囲気だけでつまらないことが多々あるのに、どうして日本以外のアジア映画は、そいう映像美でさえ生々しいのだろう。という話を、しつこいくらい夫にしている。うざがられている。今月中に観たい劇場作品は「扉をたたく人」と「レスラー」。
July 7, 2009
街のあちこちで椎名林檎のポスターを見る。椎名林檎はおばちゃんになった。ということは、ミルクくさかったわたしたちも大人になったということだ。映画について。▽「チェイサー」@六本木シネマートとても面白かった。久しぶりに、身体に突き刺さるシーンを見た。あの演出、憎い。泣き叫んでも届かない声を、存在を、とても上手くみせていた。生臭い映画で、とてもとても面白かった。▽今週末から、ついに、「ディア・ドクター」が公開。キネ旬での西川美和×川本三郎の対談を読んで、映画への期待がふくらんで、割れて、何もなくなった。だからこそ、すごくたのしみ。西川美和が大好き。ここ2週間の中目黒グルメについて▽はし田屋目黒川沿いの有名なお店。鶏のお店。厚焼き卵(お父さん味)が美味しい。▽中目黒LOUNGE東横線沿いを祐天寺方面に146歩のところにあるカフェ。オシャレ感満載の、シットなカフェ。清潔なオシャレ感、嫌いです。▽楽膳中目黒ラウンジの近くにあるお魚系居酒屋。お酒の種類が豊富。なあんにもない日というのは、ないのだろうか。「今日の夜のニュースはなにもありません」とか。なんにもない日があってもいいのに。なんにもない日がない方がおかしい気がするのに。だって、わたしにはなんにもない日がある。所詮わたしにはさ、みんなの悲しいわけなんてわからない。
June 23, 2009
結婚祝いに栗原はるみのとても素敵なダイニングセットをいただいた。しかしわたしが作るのは、器に追いつかない料理。料理が上手くなりたいと思いはするが、いかんせん家庭料理に興味がないため頑張れない。ダメな妻。@土曜日横浜聡子監督「ウルトラミラクルラブストーリー」を。楽しみに、楽しみに、待ちわびていた作品。それだけに、見誤ってしまった。観終わった後、微妙~という雰囲気を醸し出すわたしに「面白くなくはないね」という感想を言った夫。しかし後日談。「すごく面白かったけど、お前が微妙な顔してるから気を使ったよ」とのこと。面白かったよ。いや、ほんとに面白かったんだ。でも、想像は超えなかったのだ。「ジャーマン+雨」が破格過ぎたのだ。夫の友人のバンドのライブを見に新宿へ。そこで、変態を見つける。しかも、その変態は知っている人だった。衝・撃・的。変態というか、犯罪の匂い。決定的瞬間を捉えるられず、警察に通報できず。@日曜日暑さが身体を焼きつける中、久しぶりに谷根千を散歩。根津のたいやきは薄い皮に甘さ控えめのあんこでとても美味しい。人だかりがあるな、と思えばそこには猫。どうして猫に人は熱狂するのだろう。夫は生まれて間もない子猫に夢中になって、中年男性とともにごつい一眼レフで子猫の写真を撮りまくる。は、恥ずかしいことこの上ない。やなか珈琲店で新入荷のお豆を焙煎してもらう。トートバックから珈琲の香りがやまない。町はお線香の香り。翳る陽と鐘の音。
June 8, 2009
イッチーこと市原隼人のラップが聞きたい。「暖簾」っていう曲が聞きたい。どこで聞けますか?巷では映画版の「ルーキーズ」にめちゃくちゃ人が入っているそうではないか。テレビでもルーキーズの人たちを見ない日はない。今年一番のヒット作になるのだろうか。「余命1ヶ月の花嫁」か?お隣の国、韓国では昨年「チェイサー」という映画が500万人を超す動員で大ヒットした。うらやましい。その、熱い土壌と血がうらやましい。韓国の映画には、人間の心の底流に淀む光と闇がある。画面から醸し出される匂いも、独特だ。そういう映画が国民に受け入れられて大ヒットするのがスゴい。日本ではそんなことはあり得ない。気がする。だって「余命1ヶ月の花嫁」の口コミで、「思った以上に泣けなかった!残念。。」という書き込みがあったのだもの。泣く、泣かないが映画の基準になることはすごい残念。試写会で「愛を読むひと」(dir:スティーヴン・ダルドリー)を観る。これはずっと前からとても楽しみにしていた映画で、普通に劇場に観に行く予定だったので、友だちから試写会のハガキ回ってきてウハウハ。だが、期待しすぎた所以か、残念な感じだった。足らないよ!って叫びたい感じ。全部ちょっとずつ足らないのだ。30日。group_inou のライブ。大好きなキャスパーに少しでも近づきたくて、モッシュゾーンへ。ヘッドバギング激しき野郎に囲まれ頭突きくらった。突き飛ばされたら突き飛ばし返す。どうしてそんな乱闘みたいなことが楽しいのか。斜め前に、乱痴気騒ぎなんてつゆ知らずみたいな顔でキャスパーに熱い視線を送る可愛らしい女がいてムカついた。夜ご飯は久しぶりの小野田商店。ここのもろきゅうがメチャうまなのだ。やまいもも美味しい。てか野菜が美味しい。DVD▽「俺たちに明日はないッス」監督:タナダユキ▽「純喫茶磯辺」監督:吉田恵輔悪くはないけれど、よくもない。「俺たちに~」は映画温度がとても低い気がした。性春をむさくるしく描かれるのはとても気持ちが悪いので青々と描いてくれたのはよかったのだけれど淡々としているから映画に温度がないわけじゃあ、ないはず。「純喫茶磯辺」はとてもいい線をいっている。けれど、編集が雑なのかどうしてかはわからないけれど、人間のどうしようもなさ、やるせなさ、おかしみと哀しみ、そういうのが全部中途半端。もったいない感じ。そして、こーひーじぇりーふらぺちーの、の季節の到ー来!さっそく買って帰る。なんて幸せなんだ。よく行くスタバでは、たまに芸能人に会う。この前はルーキーズの人とフロム京都のグラドルと犬がいた。その程度じゃテンション上がらない。お魚の干物1枚が98円で売っていた。ほっけと塩サバを2枚ずつ買った。テンション上がった。
June 4, 2009
4週間に一度、平日に休みがある。いってらっしゃい、と夫を送り出し、完全に眼は覚めているのだが布団の中に戻り、世間の人からしたら至極やらなくてもいいことを、やらなくちゃいけないと考えるわたしだが、やっぱりというか尚更布団の中から出ることができず、宇宙からしたらどうでもいいことを延々と考え続けて現実から逃げる逃げる寝る。幸福の科学が政党を作ったそうで、そんな大川隆法のアグレッシブさにちょっと憧れ、そもそも本当に自分が仏陀の生まれ変わりだと思っているなら、相当のポジティブシンキングの持ち主だなと思うが、それは嘘なのかどうなのかわからない。夜が降りてきても、この暗い部屋でわたしは動かない。雨戸があればとうの昔に閉めている。電気代わりに点けた消音のテレビは青い光を放つ。手のひらを光にかざすと墨汁のように黒い。ああ、早く帰ってこないかな。帰ってきたら作り話をたくさんしてやろう。友だちと長電話した話や、あの黒猫がなついた話なぞしようか。自転車で目黒川の河口まで行ったこと、飛ばされる飛行船を見たことも話そうか。君がいなくてホントつまんなかったよ。
May 27, 2009
土曜日。久しぶりにIKEAに行く。その後D&Dとシボーネに行く。楽しいインテリアクルージング。その夜。夫とわたしの高校の同級生、というか、夫が属していた軽音楽同好会の仲間たちが入籍祝いという体で居酒屋でご飯とお酒を奢ってくれました。8名中6名はクズ人間。(わたしも夫もクズ人間)BANZAIクズ人間。それでもボクらは大人になっていかなくてはいけないんだなあ、と思う。大人になってもぐちゃぐちゃのままでいられるならば、それはそれでいいかも知れない。ただ、それにはとても勇気がいることで、困ったことだ。居酒屋の紙ナプキンにお醤油で書かれた「おめでとう!!」がちょっとだけ嬉しかった。夫の友人に祝ってもらう義理がわたしにはないので、いろいろと申し訳なかった。日曜日。ぐうたら。買い物とか、選択とか、DVD観るとか。
May 24, 2009
昨日から喉が痛くて、新型インフルエンザだったらどうしよう、と本気で考えた。わたしのせいで大学が休講にでもなったら、いじめられる、と。しかし、未だに熱は出ないし、喉の痛みも快方に向かっている。歳をとったなあ、と感じることは、まだないのだ。ヒットチャートにランクインする人たちの半数がわからなかったり、人気のあるお笑い芸人を覚えることができない自分を若いとは思わないが、その感覚は、歳をとったなあ、と実感するのとイコールではない。久しぶりにくるりのPVを見たのだ。夫が「逆回転するエフェクターが欲しい」と言い出し、「くるりもばらの花とかで使ってるよ」と言うので昔買ったDVDで、たしか、達身がエフェクターの説明していたなと思い出し本棚の端っこからDVDを引っ張り出してきた。そしてわたしは久しぶりにくるりを見た。よれよれのTシャツを着て、眼鏡をかけて、ギターを掻き鳴らす岸田が若かった。駅でたまに昔の君が懐かしくなります、と歌う岸田を若いと思った。そんなこと思ったことなかったのだ。「イマ」と例えば「東京のPVの頃の岸田」を比べて、「若い」と思うことはあったが、自分と岸田を比べて若い、と感じたことがなかった。見た目だけではなくて。その歌う言葉さえも若いと思ったのだ。ああ、わたしは歳をとってしまったのだ。初めて身体でそう感じた。わたしの身体も言葉も意地悪も、歳をとる。先週の土曜日横浜デート。わたしたち夫婦の本籍地は横浜の大さん橋。開港150周年を祝う横浜市だが、もっと無料ゾーンが多いのかと思ったら、メインはほとんど有料だし、イベントはそんなに盛り上がってないように思った。会場が点在しているというのに、チケットは当日のみ有効で、とても1日で全部みることはできない。トリエンナーレみたいな制度にすればよかったのに。「スラムドッグ$ミリオネア」ダニーボイル監督なんというか、トレインスポッティングみたいで、演出というか音楽というか、キレッキレな感じで楽しかった。舞台装置としてインドを選んだことが成功であって、物語的には普通。インドという国の熱が、この映画の熱だ。子役には、実際スラム街に住んでいる子をキャスティングしているらしく、彼らのお家が取り壊されてしまったというニュースを先日見た。
May 22, 2009
携帯電話のデジタル時計が表示していた数字は6:38だった。久しぶりにうなされて目が覚めた。隣に夫の背中がなく、糞バンドのオールナイトスタジオ練習からまだ帰宅していないことを知る。びっしょりかいた寝汗をふきながら、朝ご飯でも食べているんだろうと布団にもぐり込むが、死んじゃったかもと不安になり電話をかける。「もしもし?なに?どうした?」「もしもし?うなされて目が覚めたから死んだかと思って」「ごめんごめん、(入籍の)お祝いしてくれるっていうから」夫のほわわんとした声にちょっとしたムカつきを覚え、さっきまでの不安は吹っ飛び「そうなんだ、朝11時に起こすから」と吐き捨てる。恐らく家に帰ってきてお風呂入って寝る頃には8時頃になっているだろうから11時に起こせば夫の睡眠時間は3時間だ。精一杯の意地悪を言ったつもりだったが、夫は聞こえなかったのか「うん?なに?」と返してきたのでムカつきが殺気に変わり「朝10時には起こすから。じゃあね」と、夫の起床時間を1時間短縮した。今日は横浜散歩をした後レイトショーで映画を観にいく予定だが、2時間の睡眠では夫は眠くて眠くて仕方ないだろう。ざまあみろ!!!電話を切った後、自分の意地悪さに興奮して眠れなくなった。ついさっきまで夫の身を案じて不安で仕方ない健気な妻であったのに、1分程度の電話の後はただの意地悪ばあさんになってしまった。金曜日の夜、3時間くらい本屋をうろついていた。小説を立ち読みしたり、雑誌をめくったり、漫画の試し読みをしていた。ジャンプで連載中の「トリコ」が面白そうだなと思い手を伸ばしかけるが、「トリコ」はすでに5巻くらい出ていて、これを5巻かってしまったら、今の持ち合わせのお金が全てなくなる計算で、それは夕飯のおかずを買って帰ることができなくなるということで、一旦家に帰ってからスーパーに行くのも面倒くさい。夕飯の買い物 > 漫画漫画購入を我慢した。しかし、その後さっさと帰ればよかったものを、本屋をうろつき続けたためどうしても買わなければいけない漫画、それをわたしは運命の漫画と呼ぶが、に出会いあっけなく夕飯の買い物<<<<<<<越えられない壁<<<<<<漫画漫画購入。わたしは妻よ。妻は夫が帰ってくる時までにカロリーを計算したお夕飯を作って待っているのよ。でもあなたが帰ってきて目撃するのは、ベッドに漫画を散らかし寝ている妻の姿よ。それでも、わたしは妻よ。買ってきた漫画をベッドで寝ころびながら読んでいると、ふと、「トリコ」の作者が中学生の頃読んでいた漫画「世紀末リーダー伝 たけし」の作者ではないかと気がつき、なんだか嬉しくなった。木曜日、恋人同士はするりと夫婦になった。劇的な変化なんてどこにもなくて、予想していたセンチメンタリズムに陥ることもなくて、夫と同じ名字になり、二人でささやかなお祝い事をしただけだった。夫の家には申し訳ないくらい、わたしはわたしでわたしはわたし以外の何者にもなれず、嫁としての実感が持てない。ただ、好きで好きでしょうがない人と、その最期の日まで一緒にいられるのか、不安で不安でしょうがない。わたしにとって始まりは終わりの予感でしかなくて恐いのだ。
May 16, 2009
職場で、わたしのことを嫌っている人がいる。と、思われる。その人にわたしは3月の下旬から1ヶ月くらいガンガン無視をされていた。挨拶をしても知らんぷり~。目が合うと睨まれそらされ~。お菓子をわたしだけによこさない~。ま、いっかー。と思っていた。ところで、なんでいい大人(10歳くらい年上)にあたし無視されちゃってんの?と可笑しかった。しかしGW前に、唐突に無視期間は終わったのだ。今は普通に接してくるが、恐らくわたしのことは嫌いなままであろう。嫌われることは恐くないので、気にしないのだが、ホントは気にしなくちゃいけないんだろうな、と思う。わたしにいけないとこがあるから嫌われるのだろうから。けれど、人に嫌われるくらいわたしは性格が悪いので、わたしのことを嫌う奴は性格悪い、と思ってしまい、結局自分のいけないところを見つめ直さない。そしてまた人に嫌われる。ゴーールデンウィーク29日、水曜日出勤。仕事後、クリント・イーストウッド監督「グラン・トリノ」を観に横浜へ。非常に素晴らしい映画。その後、30日朝まで渋谷でカラオケ。30日、木曜日朝5時にカラオケを後にして、ラーメン。早朝の渋谷は気怠そうな人たちがふらふらと駅へ向かい、低い空にはカラスが飛び交い羽音と鳴き声が響き、空気は夜を引き摺っていて重く冷たかった。わたしは早くお風呂に入って寝たいなと思いながら、東横線に揺られ恋人の肩で眠った。昼、ポタジエでお土産を買って実家へ帰省。お母さんと、カノン(実家の愛犬)とお父さんと久しぶりに会う。実家はいつでも帰りたい場所なのに、帰るといろいろと面倒くさくて東京が恋しくなる。でも、実家に背を向けて東京に帰るのはとても寂しいことだとわたしは知っている。1日、金曜日恋人と水戸森林公園へ。お弁当を作ってみたりする、わたし。厚焼き卵がスクランブルエッグへ。森林公園に行く前に水戸市役所に寄って、戸籍謄本と婚姻届をもらう。わたしはもうすぐ家族と別の名字になる。森林公園には驚く程人がいなかった。小さい頃の記憶と、目の前に飛び込む景色を一生懸命照合するが、一向に一致しなかったのだ。記憶の中の森林公園の恐竜たちはもっと大きくて、がおーと吠えていて、すべり台はとてもスリリングで、お弁当は色とりどりで、お菓子は両手いっぱいにあって、陽射しは柔らかかった。その後水戸少年の森のアスレチックで遊び、偕楽園を散歩、大洗アウトレットモールを見て、宝島で夕食。2日、土曜日実家近くにできたスタバで読書後、自転車で水戸を爆走。3日、日曜日恋人と水戸芸術館へツェ・スーメイ展を観に行く。彼女の日本初の個展。4日、月曜日東京へ戻る。目黒区民プールに泳ぎに行く。25メートル泳ぐのも疲れる。夕食は中目黒の美味しい串焼き屋さん、串若丸。5日、火曜日雨。新宿伊勢丹に母の日のプレゼントを買いにいく。ついでに高級メゾンのお洋服などを見る。非常に癒される。夜はDVDにて「闇の子供たち」(阪本順治監督)を観る。疑問を呈したい作品だった。6日、水曜日雨。メランコリック。こんなに休んでしまうと、社会復帰できないと思うが、ちゃんと普通に朝起きて、仕事に行く自分にほっとする。そしてそんな自分になんとなく幻滅する。幻滅する自分に幻滅する。
May 8, 2009
ampmで売っているおやつクラブの茎わかめが死ぬ程美味しい。ここ4日間で10袋くらい食べた。23日、木曜日妹と吉祥寺で会う。伊豆旅行のお土産を渡すためにセッティングしたはずなのに、お土産を家に忘れて会いに行ってしまうわたし、バカ。妹はワンレンボブになっていて、マダムにみえた。24日、金曜日髪の毛を切る。担当した美容師が大好きだという、岡本多緒のような髪型になる。トップモデルとわたしとでは、似合うものが違うということをわかって欲しかった。恋人は金曜日の深夜から土曜日の早朝にかけてバンドの練習へ。彼は職場の人たちとバンドを組んでいる。初期GLAYのような編成。(Vo、G、G、B、Dr)やっている曲はミスチル、レミオロメン、アヴリルラビーン等。わたしは彼に何度も言う。「そんなダサいバンド、早く抜けてくれ!」もう1回、もう1回「そんなダサいバンド、早く解散してしまえ!」決してミスチル等を批判しているわけではない。次はブルーハーツをやるらしい。恋人がこんなダサいバンドの一員だということを、わたしは誰にも言えやしない。25日、土曜日レイニーサタデイに恋人が下北に髪を切りに。わたしはいつも通り駅前のシャノアールにて待つ。わたしはシャノアールが大好きだ。松浦理英子「犬身」を読む。恋人は加瀬亮になりたかったはずだったが、今回もなれずに帰ってきた。そんな彼とともに、久しぶりの王将へ。その後ミスタードーナッツ。ミスドには変な男がいた。中空に向かって、PCの商品説明のようなものを言っていた。わたしと恋人は愛おしい気持ちで彼を見守っていた。男は一通りしゃべって、ドーナッツを食べていた。すると、そこに2人の警官が!客の一人が男を通報していたのだ。警官が「ちょっと、」と男に声をかけると、男はびっくりして顔を上げた。「何してるの?ちょっと、むこうで話を聞こうか」警官は男を店の外へ連れて行こうとする。しん、と静まる店内に「ドーナッツ食べていただけです」という甲高い男の声が響いた。続いて「王将の3階に住んでいます・・・」この事件、めちゃくちゃ笑えるけれど、めちゃくちゃ切ない。夜はコーエン兄弟の「バーン・アフター・リーディング」を鑑賞@横浜華麗なるクソ映画だった。26日、日曜日いつものラーメン屋(中本@目黒)にブランチを食べにいったり、散歩したり、買い物したり、洗濯物したりで、暮れていく。中目黒を散歩していると、居酒屋のポスターに「ハイボール、はじめました」という文言をよく見る。ハイボール、という言葉の響きがとても好きでハイボール、というものがなんなのか全く知らないけれど、茶色くて、甘くて、黄色のライトが似合う、強いお酒なんだろうな、と想像していた。「ウィスキーとサイダーだよ」恋人が教えてくれた。ウィスキーにサイダーを混ぜるなんて、想像以上に素敵な飲み物だと思った。ただ漠然と、意味もなく、雰囲気でハイボールみたいな夫婦になりたいと、密かに思っている。そして子どもにはチョコミントアイスクリームを買ってあげるのだ。
April 27, 2009
目黒川沿いのピンク色の天井が続く道を歩いていたら、風が吹いて花びらがぶわっと散って、飛んでいく花びらは川の流れの上に降り積もり、昨日の雨に濡れたのは葉桜だった。あっっっ!という間に月日が流れていった。4日。東京の桜満開。恋人の友人たちとの花見に、神奈川の三ツ池公園まで行ってきた。知らない人たちに囲まれ、知らない人の作ったお弁当を食べ、気持ち悪くなり、気まずいから梅酒をあおり、そしてゲロった。知らない人たちの前でゲロった。頭の中がガンガンと響いて、心臓がパクパクと鼓動して、眼が回った。知らない人たちに「緊張しちゃったんだよねー」と頭を撫でられ、ブルーシートに横たわりながら、遠くなる昨日の夢のような意識の中で、恋人の元カノだったらこんな醜態曝してないんだろうな、仲良しこよしになれるんだろうな、わたしはこんなにヒトミシリでバカみたいだなと思って泣きたくなってギュッと眼をつむった。11日~12日伊豆は伊東温泉に行ってきた。恋人の完全おごり湯治旅行。熱海、伊東はおしゃれさの欠片もない、ホットなスポットもない、そんな寂れた観光地でとても素敵だった。17日チャットモンチーのライブに行く。サブい友人のホームパーティーのようだった。曲はとても好きなんだけれど、余計な演出が多すぎて、兎角サブかった。高校生ぐらいの男子3人組、とか冴えない男2人組、とかがチャットモンチーのライブTシャツを着てノリノリになっている姿はとても眩しかった。18日ガス・ヴァン・サント監督作品「ミルク」を鑑賞@横浜わたしはとても面白く観た。(恋人は普通だと言っていた)ゲイを公言して政治家になったハーヴィ―・ミルクを、ゲイを公言しているガス・ヴァン・サントが描く。監督のミルクへの尊敬と愛が伝わってきて、とても優しい気持ちになる。ミルクはゲイというマイノリティを表舞台へとリクルートし、トランスジェンダーの一大ムーブメントを築いたが、この映画は世界中のマイノリティをリクルートしている。と思う。
April 22, 2009
もう2年以上前になるけれど、妹と暮らしていたとき、彼女は朝から晩までRADWIMPSを聴いていた時期があって、カラオケに行っても下手な早口歌いを披露していたりして、そのせいで、自ずからすすんで聴くことがなくてもRADWIMPSの大体の歌がわかるようになった。もうちょっと、あと3歳くらいわたしが若かったら、めちゃくちゃ嵌って聴いたかもしれない。そう思いながら、隣の部屋から聞こえる音に耳を傾けていた。そんなRADWIMPSの新譜を今、すごく聴いている。ちょっとした感動を抱きながら聴いている。「アルトコロニーの定理」というアルバムの中の「謎謎」という曲を。音楽を聴く上で、たぶん詞の意味をあれこれ考える必要なはいのだけれど、日本語で歌われる歌については、歌詞の意味を理解しようと頭が働いてしまう。わたしが「謎謎」という歌にある種の感動を持っているというのはその歌の詞について当てはまる。RADWIMPSの歌詞には、完璧で素晴らしい奇跡のような君とダメでどうしようもない僕がたくさん出てくる。世界で一番美しい君と出会って、嘘つきで人間不信者の僕は僕自身を愛し始める、君のおかげで僕のすべてが世界がキラキラと輝き始める、そういう歌詞が多い。君はいつだって僕を救ってくれる存在で、僕は君がいないとダメな存在だ。でも「謎謎」に出てくるふたりはそんな君と僕ではない。君は君自身をどうしようもなく嫌いになっていて信じられなくなっていて、僕はそんな君を救おうとしている。今までの救われるだけのダメダメな僕ではなくて、ダメダメな僕だけど、君を助けてあげたい。そんな僕が歌詞に出てくる。そんな僕と君に、わたしはちょっと感動している。あはは、と、そんな歌詞に感動してるそんな自分がおかしくなるけれど、確かに感動しているんだもん。わたしもまだまだ若い。というか痛々しい!もさもさした青春スーツを着て、痛さに似た気持ちを捨てられずにいるんだわ。わたしもダメダメな人間で、わがままで自分のことしか考えられなくてすぐ怒ってすぐ怒鳴ってすぐ無視して早歩きしちゃうから、いいところなんてひとつだって思いつかないけれど恋人が絶体絶命のピンチに陥っていたら、救えるのは世界でわたしだけだと思ってる。ユー、ノー?
March 30, 2009
口内炎がよくできる。今も左上奥歯の歯茎に大きいのができていて、ほっておいたら腫れてしまって喉の方まで痛みが広がってしまった。口を開けるのがとても痛いので、ものも食べたくないし、喋りたくなくなる。ニッと笑っても痛いので、一日中仏頂面で過ごしている。だからなのか、ときどき顔の筋肉が痙攣している。木曜日、帰りに寄り道。目黒駅から目黒川沿いを歩いて中目黒まで帰った。その道は、たまに恋人と歩く散歩コースで、道にはたくさんの猫がいる。目黒川の桜はまだぜんぜん咲いていないけれど、夜桜見物人のためか、桜まつりに備えてか、ずっと先の方まで紅い提灯が連なって付けられていた。漆黒の川面に、ゆらゆらと揺れる紅い灯が映って、それはどこまでも続いていくようで、不思議なほど妖艶で、とても怖くなってパタパタと川沿いを走った。にゃあ、と、媚を売ってくる猫を無視して、ときどき後ろを振り返りながら走った。しばらく走ると気持ちが悪くなって、橋の上でゲロを吐く真似をした。本気で真似をしたからか、口の中に苦みが充満して、涙が出た。ふと、わたしよりも彼の方が先に死んでしまうんだろうな。そう思った。彼が死んでしまった後もわたしはこうやって彼と歩いた散歩道を歩くけれど、ふたりでは楽しめる景色も、ひとりでは怖くなって走って逃げてしまうんだろうな。そう思った。猫も可愛いだなんて思わなくなるんだろう。そう思ったら、当たり前のふたりの生活を慈しもうと思えた。月桂冠のCMを思い出して、家に帰ってYouTubeで見て、わたしのどこかがプチンと潰れたので、からだをねじった。なのに、恋人が家に帰ってくると、意味もなく不機嫌を装ってしまうのだ。そのうちに、本当に自分が不機嫌なのか、それとも不機嫌のふりなのか、なんで自分が不機嫌なのか、あれ?不機嫌じゃないんだっけ?自分でもわけがわからなくなって、わたしはすべてを口内炎のせいにする。
March 28, 2009
靖国神社のソメイヨシノが咲いたそうです。昨日、目黒川沿いの桜も花開いていました。前回の記事の中に、桜の木がもうすぐ桃色に染まるでしょう、みたいなことを書いておりました。。桜なのに桃色って。桜なの?桃のなの?なんなのあんた!状態です。面倒くさくて書いたものをそのまま流してしまいますが、最低1度は目を通さなければダメですね。と言いつつも、絶対読み返さない。そんなだから、恥ずかしくて消えてしまいたいことが多すぎる日々です。DVDで「接吻」(監督:万田邦敏)を鑑賞。無差別殺人を犯した男と、男に共感を覚え魅入られる女と、男の弁護人である男の3人の話です。(詳しくはHPにジャンプ!)究極の愛が辿り着いた衝撃の結末―とHPにもあるし、公開当時の宣伝や評価等などでも、2人(殺人者である男と女)の究極の愛の形たるやなにかについて言及されている文章をよく目にしていました。ですが、自分の目で観て感じたことといえば、愛とは結局他人でしかない2人の間にある欺瞞、といった絶望でした。どんなにわかりあえても、わかりあったつもりでも、全てをわかることは不可能だ、と感じました。ラストシーンは究極の愛の形、というよりも究極の愛を求めようとしたが故の破綻。タイトルの「接吻」はラストシーンに由来するものと思われますが、恋人が「最後の接吻の意味ってなに?」と聞いてきてわたしは考えてみたけれど、わからずに眠ってしまいました。今、改めて考えてみてもわからない。・無差別殺人を犯した男・男に共感を感じ魅入られる女この2人は世間に疎外されている人間、つまり対世間。カウンターです。・弁護人の男これを「世間」と置き換えるならば、ラストシーン、女の弁護人への接吻は「世間」への復讐か。。女は強く「世間」を意識していて、それを己らの敵だと思っているのでその「世間」に対して、愛のない(意味のない)接吻(口を塞ぐ)行為は復讐か?という考えはあながち間違ってはいないと思うけれどいまいち釈然としない。短絡的過ぎるし、清涼感がない。もやもやする。似たような設定の映画キム・ギドクの「ブレス」ではどうだったかな、と思考するが、まったく思い出せない。2階の窓から白いブラウスがひらひらと落ちる映像が鮮明に浮かび上がるだけ。「ブレス」は“愛”の映画だった(ような気がする)けれど「接吻」は“世界とわたしとあなた”の映画(のような気がする)ではないか。今日は早稲田松竹でジャック・ブラック2本立て。寝てしまいそう。でも、2本立てって寝てもいいような気がするから不思議。
March 21, 2009
髪の毛をばっさりと切るように突然、冬は春に変わってしまいました。恋人は花粉症に苦しみ、水の中で暮らす夢を見続けている。わたしは冬服のクリーニング代を計算して嫌な気持ちになる。目黒川沿いの桜のつぼみが日に日にふくらみを増してゆきます。きっともう少し経ったら、樹木も桃色に染まるでしょう。去年、恋人の友人Aがお花見を計画しました。参加者は友人A(所謂ヤンキー)とその彼女とその友人(女)。友人B(所謂ヘタレ)と友人C。そして恋人とわたし。この友人たちは恋人の元彼女ととても仲の良い人たちです。わたしと付き合っているというのに、元彼女と彼の仲を取り持つようなことをされたので、恨みを持っています。そして、わたしは彼の今の彼女として友人らに認識されるのだろう、過去と比べられるのだろう、そんなことを悶々と考え続け、お花見の前日になって「そんなお花見、行きたくない!!!」と爆発。恋人はおたおたして、深夜に「明日行けなくなった」というメールを友人たちにしたのでした。今年も友人Aがお花見を企画しました。もちろん、わたしも参加予定です。参加、できるでしょうか。ものすごく憂鬱です。恨みは晴れておりません。恨みは一生忘れません。カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」を読了いたしました。身震いするほどの衝撃。主人公の語りによって物語が進んでいく。主人公が語るのは、ありそうな施設の中のよくある思い出話。意味の分からない言葉や言い回しがあるけれど、それは違和感は与えるが読み進めることに支障が出る程ではなく淡々と思い出話は進んでいく。そして、わたしたち読者は気がつくと、この話の真実に触れている。わたしは思わず声をあげてしまった。ブラックボックスにいれた手が得体の知れない物に触れた瞬間にあげるような。真実の周辺を泳がされていたわたしたち読者は、突然辿り着く真実に驚く。しかし、それが当たり前かのように、そもそも最初からその真実は共通の認識であったかのように書かれていたのだ、淡々と語られては真実が剥き出しになっていく。読者は語り手に引き込まれて離れない。生きるために生まれるわたしたち。生きるために生まれなかった彼ら。ネタばれになってしまうのでこれ以上は書けないのですが、是非体験して欲しい、この感じ。一生ものの読書体験になるはず。押井守「スカイ・クロラ」の鑑賞会を職場の仲間たちと開きました。お好み焼きとクレープをじゅうじゅうと焼きながら。なんだか、「あっそ」っていう感じ。ペシミズムに酔い過ぎで、ちょっと気持ち悪い。若い人に伝えたいことがあると宣伝段階でさかんに押井が言っていたけれど、そんな映画では全くないと思う。しかも、森博嗣の原作とはラストだけ違うらしいではないか。そこに押井のどんな意思があるのか、原作を読んで検証したいと思っています。
March 17, 2009
恋人から誕生日プレゼントにMARNIの長財布をもらいました!!!長財布をわたしが持つことになるなんて、大人の高速エスカレータに乗ってしまったような気分です。財布の中身より、財布本体が何倍も高額なので、あまり持ち歩かないようにしています。そんなわたしから恋人へのプレゼントは大人の科学のテルミン・・・。こんな格差、許されるのだろうか。明日(土曜日)も仕事ですが、金曜日はなんだかアフターファイブを楽しみたい気分になるので早稲田松竹で原一男監督2本立てを見てきました。「全身小説家」と「ゆきゆきて神軍」「全身小説家」は3時間弱の映画ですが、2時間弱は寝ていたと思います。夢と映画が混濁してしまって、なにがなんだかわかりません。「ゆきゆきて、神軍」はきちんと見ました。先週は久しぶりに恋人と二人で映画を観に行きました。クリント・イーストウッド監督「チェンジリング」映画の日に渋谷の映画館に観に行ったのですが、さすがサービスデー。大きな劇場に満員の人。人が多いだけならいいのですが、映画を見るエチケットを持たない人が多いこと多いこと!渋谷の映画館にはよく行きますが、そこは初めていく劇場で、古い劇場のようで、座席の最後列のすぐ裏に入り口がある造りだったのですが、映画の途中、何人もの人がバタバタと席を立ち、外へ出て行く!当然外の明かりが漏れる!突然携帯電話が鳴る!エンドロールを最後まで見たい人がいるというのに、本編が終わるとすぐにバタバタと席を立ち、悠々とスクリーン前を横切る!ぎゃーーーーーー!!!始終イライラしっぱなしで、映画にちっとも集中できませんでした。外に出て行くにしても、静かに、できるだけ劇場に明かりを漏らさないように出て行くのがマナーじゃないのかああ!携帯電話はオフにしろ!エンドロールも含めて1作品なんだから出て行く奴は気を使って出て行け!もう二度と、サービスデーに大劇場には行かない。「チェンジリング」は普通に面白い映画でした。そう、髪をばっさりと切りました。学生の頃と同じ、おかっぱにしました。なんか、中学生みたいになってしまい、ちっとも気に入りません。永作博美になりたかったのにー。
March 6, 2009
一人だと、本を読むことしかしないので、頭の中がぐっちゃぐちゃになります。最近読んだものをちょっと紹介。津村記久子「ポトスライムの舟」芥川賞を受賞しなさった作品。淡々と、しかしとても丁寧に、繊細な心の揺らぎを描いているので読んでいてとても気持ちがいいです。なんていうか、今の時代に寄り添っているようで、普遍。この表題作の他にもう一遍入っているのですが、そのもう一遍を読むと、ずどーん、と心が重くなります。うわああああ。コワいよう。と。津村さんのユーモラスで優しい筆致の小説が好きです。ジョージ秋山「銭ゲバ」ついに読んでしまった。ドラマを見ているわけではありませんが、ドラマ化できてるのか?てか、今のテレビ界でこんなんドラマ化してしまったらPTA大激怒では?そもそも、蒲郡を松ケンが演じている点で、ドラマは漫画に遥かに及ばない。これがすごく面白いので「アシュラ」も読みたいと、書店を梯子したのですが、絶版のようで全くない。今日、古本屋で発見したのですが、全3巻で6300円!むーん。。。くらもちふさこ「駅から5分」素敵。大好き。こういう少女漫画が好きなのだ。なんだかあったかい涙が出てしまう。わたしはよく泣かされますが、そのほとんどがあらかじめ泣くように作られたものによってです。そういうのって、簡単に作れるんです。泣くツボさえおさえればいいわけで。でも、これは違う。本当に魂が揺さぶられて涙が出るんです。重松清「疾走」面白かったので一気に読んだのですが、軸がぶれるような感覚を覚えました。二人称で語られるのですが、その語り手がぶれるから、ぶれる。にんげんと、生と、死と。赤と黒という色彩が小説内に何度か出てきましたが、それはもちろん、スタンダールであるだろうし、太宰治なのだろうけれど、赤と黒、つまり生と死というテーマがそれほど上手く扱われていなかったような。相方はこの小説をすごく好きだと言っていたので、わたしが見落としている部分を知りたくてどこが好きなのか聞いてみたのですが「忘れた」と言って答えてくれませんでした。むー。わからない。「ピースオブケイク」が知らん間に完結していました。後半の失速具合が半端ない。ジョージ朝倉は絶対に天才なのに、やる気のない不真面目な天才タイプのようです。富樫と同じだー。わー。今日は古本屋でカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」をゲットしてきました!むっきゃああ!!!超読みたかった!!!映画は一人で「JUNO」と「カンナさん大成功です!」を。「ジュノ」はめっちゃ面白い映画です。エレン・ペイジが可愛い。しかし、なんでアメリカ映画の中のちょっと不思議なティーンって黒髪で70年代ロック、パンクに詳しいのでしょう。あー。
February 21, 2009
ずっと一人でいると、同居人とほとんど話をしていないような錯覚に陥る。誰かとしゃべりたい。そんなことを思って、携帯電話のボタンをプチプチと押してアドレス帳を見るが誰にも電話がかけられない。話すこともないのに、電話なんてかけられない。でも誰かと、とても、話がしたい、のだ。誰か、誰かと手を伸ばす先は、絶対に触れたくない、過去の思い出。意識はあやふやになって、夢の中にいるような心地で過去の思い出へのボタンを押してしまう。「なに?どうしたの?」声が聞こえる気がしてしまう。我に返って、慌てて携帯電話の電源を切る。そんなしょうもない自分に、泣けてくる。なにをしようとしてたんだ。恐い。神様、神様、神様。どうかわたしを強くしてください。それが無理ならば、ガルファンの如くに葬ってください。
February 15, 2009
相方が祝日も休みもなく働きまくっているのをよそに、わたしときたら、、、一人遊びパターン入ってる。まず、テレビを見るようになった。バカみたいに見ている。クソつまらんテレビを消音にて見てる。何をするにもテレビ見ながらやってる。あらびき団とかを今さら見始めて神々の遊び見て大笑いして泣いちゃったりしてる。本(漫画)を1日1冊以上読んでいる。新しい本(漫画)が手元にないと不安で泣きそうになる。髪の毛を一本一本抜きながら読んでいるのでハゲている。独り言がマジ多くなった。独り言というよりも妄想を口に出して生活してる。自分が作家になって、「プロフェッショナル仕事の流儀」にゲストで呼ばれたときとか「情熱大陸」で密着取材されたときとかそういうときのことを考えて「そうですねー。書くっていうことは云々」と喋ってる。ご飯とかお弁当作りながら。パターン入った。でも映画は観に行かない。観ない。一番手っ取り早い時間の流し方だけれど、できる限り我慢したい。映画は相方と観たいから。二人で並んで椅子に座って、「ああ、今感動しているな」とか「つまらなくて眠たそう」とかそういうこと感じちゃう空気の中で観たい。でももう、観に行っちゃうと思う。なぜなら、今日、ユーロスペースの会員になってしまったから。(相方の分も入ろうと思ったらご本人様でないとダメですと言われた)今日はバレンタイン。イデミスギノで相方と父親にチョコを。父親にチョコを送ろうとしたら、危うく着払いで送るとこだった。ギャー!!!って暴れ回りたい。と常に思っているものの、それができない。なんて自分は常識人なんだと落胆す。
February 14, 2009
文化庁メディア芸術祭に行ってきました。国立新美術館の展示室の一つで開催されているので、そんなに広い展示ではないのですが、内容が深い、深い、深い。1日かけないと存分に味わえないだろう展示の数々です。個人的に面白かった展示は「つみきのいえ」(加藤久仁生)水に囲まれつみきを積んだような部屋でひとりの老人が暮らしている。水没している階下にパイプを落とした彼は、それを拾うためにもぐり、それぞれの部屋に刻まれた家族の思い出にめぐりあう。いまはいない妻、娘、なつかしい人々の大切な記憶が静かなタッチで描かれている。地球温暖化のテーマも秘められている。観ながらぽろぽろと泣いてしまいました。素晴らしい作品!!!これは観なきゃダメです。なんだろう、相方と一緒に人生を送るようになってからというもの、夫婦もの、にはかなり弱くなりました。あと、TERORI-ON(ヤマハ)ゲーム機のようなインターフェースで音と光を遊ぶ、新しい楽器とでもいうべきデバイス。縦横16個ずつ、256個並んだLEDはスイッチにもなっており、光のパターンを映しだすとともに、サウンドを視覚的に操れるようになっている。仕組みとかイマイチわからないのですが、適当に遊んでも音楽になるのです。相当楽しいですよ、コレ。テノリオンアーティストになりたい、と相方が言っていました。欲しいなー、コレ。そんなに美術館を訪れるわけではありませんが、年に何回か現代アートの展示を観ていると、馴染みのアーティストや同じような展示に出会います。なんとなく現代アートの流れを感じます。身体的感覚を大切にするものが多い気がします。その後、つるとんたんでうどんを食べ、ミッドタウンのジャンポールヴァンでチョコケーキを買いました。買ったことのないケーキ、サフィとドュジャを選びました。(サフィはいまいち、ドュジャもちょっと・・・でした。)バレンタインが近いため、ミッドタウンではチョコのイベントが行われていました。楽しい季節です。らんらん♪ところで、今年のチョコは、HIDEMI SUGINOで買うつもりです。ケーキ屋さんですが、ショコラも売っているそうなので。
February 8, 2009
「さみしさは鳴る。」そう書いたのは綿矢りさだったか。相方が毎日終電で帰ってきます。帰ってこない日もあります。非常に仕事が忙しいみたいです。2月までがピークに忙しいみたいです。再来週は2人で仕事を休んで北海道に行く予定です。氷の哭く海を見てくるつもりです。そこで世界の果てを想像してくるつもりです。行けるんだろうか・・・。仕事、休めるんだろうか・・・。というよりも、相方は忙しい時期に仕事を休むことに罪悪感など感じていないだろうか。「流氷、やめようか」とケラケラ笑って言ってあげられたら、相方は救われるんだろうに。優しくないわたしはそんなことできません。@DVD「パンズラビリンス」監督:ギレルモ・デル・トロ今や超売れっ子監督であるギレルモ・デル・トロの出世作(?)「大人でも楽しめるファンタジー」というのがこの映画の売り文句ですが、とんでもない!!!子どもは見ちゃダメです。ゲロ吐いきます。サンタクロースを信じない子に育ちます。エグい、恐い、絶望・・・。「ファンタジーでありながら現実の厳しさを教えてくれる」というのも売り文句ですがこの映画が描いているものは現実の厳しさ、なんていうぬるいものではありません。もっと根本的な恐怖です。とはいっても、あまり出会ったことのない肌触りの映画で、すごく楽しみました。「死の棘」監督:小栗康平松坂慶子と岸部一徳が演じる夫婦の物語です。松坂慶子演じる妻に、「え?あなた、わたし???」と思うほど、感情移入しました。感情移入というか、もう、分身でしたね。ちなみに、しまおまほのおじいちゃんの小説が原作です。
February 5, 2009
日曜日、ようもなく銀座へ行きました。日比谷線銀座駅のホームに、ラスクの看板があって「あれ、めちゃくちゃ美味しいんだよ。知ってる?」職場によくあった、名前は忘れてしまった美味しいラスクに違いないと思い、わたしは相方に言いました。「知ってる!あれ、実家で年末食べた!」実家で食べた、名前を知らない美味しいラスクに違いないと相方は思い、言いました。同じラスクかどうかもわからないまま、わたしたちはそれぞれの記憶の中の美味しいラスクに違いないという想いを胸に、銀座松屋へ。「あ!あれだ!」二人が指したのは、グーテ・デ・ロア!!!グーテ・デ・ロア、これ、めーっちゃくちゃ美味しいのです。プレーンとホワイトチョコレートのコーティングver.があります。わたしはプレーンが好きです。サクサクッ!とした軽い食感に、フランスパンの香ばしい匂いと砂糖の甘い重みがたまりません!ちなみに、相方はホワイトチョココーティングが重くて好きらしいです。グーテ・デ・ロア!グーテ・デ・ロア!グーテ・デ・ロア!3回唱えれば、目の前に現れるらしい!目黒ベルンのミルフィユも久しぶりに食べたくなったーあーお菓子死ぬほど食いたいーあーあーあー
February 2, 2009
相方が帰ってきません。今日は会社に泊まりのようです。台所には相方と一緒に食べようと、食べるのを待っていた夕ご飯、カレー鍋。カレーの匂いとざるに入った水菜、白菜、ニラの山。お湯をはった乳白色のお風呂。これ、みんな、どうしたらいいですか?捨ててしまえばいいですか?誰かを待っているって、なんでこんなに悲しいのでしょうか。誰かを待っているという気持ちが、一人でいることをいたたまれなくします。わたしの生活は二人だから、一人だと弱くなってしまうよ、シスター。優しさという強さをおくれよ、シスター。寂しくて彼の匂いを探すけれど、一年以上一緒に暮らしていると彼の匂いもわたしの匂いも、もうそんな区別はないのだから、見つからない。わたしはもう二人だから、一人のわたしは寂しい。これは幸福なことですね、シスター。明日、わたしが仕事から帰ってくれば、彼はきっとベッドで寝てる。がんばってね、仕事。おやすみなさい。
January 29, 2009
風邪を引いてしまいました。キネ旬で働いていた頃の先輩が同じ中目黒に住んでいるので、夜、コンピニで食料をたんと買ってきてくれました。(頼りになる同居人は仕事がハードで毎日帰るのが0時過ぎなのです)しかし、先輩、わたしの家に来たことがないため、結局わたしが迎えにいくことに。高熱を発しているわたしを外へ連れ出すとは、さすが先輩です。「ちょっと、インフルエンザ?移さないでよね!」と言いながら、家に上がってソファに腰掛け「営業のMさんがさー、アクションプランとか言っちゃってー。そんなことするくらいなら編集者1人やとってよって感じだよねー。アクションプランって何やねん!」と会社の愚痴を言って帰っていきました。ありがとうござます!M本さん!「ベンジャミン・バトンー数奇な人生ー」監督:デビッド・フィンチャーデビッド・フィンチャー好きの相方を差し置いて、才能あふれるひょっこ映画監督である朴さんと観てきました。(けっこう前に)80歳で生まれて時間を追うごとに若返っていくベンジャミン・バトンの人生を軸に、彼の周りの人たちの人生を描くヒューマンドラマでした。映画はとても面白かったです。が、所々、ブラピのイメージビデオのような画が挟まれるので、笑いを堪えるのに必死でした。白いタンクトップを着て、EDWIN503ジーンズみたいのを履いて、グラサン付けて、バイクやらヨットやらに乗っているブラピはちょっと・・・。そういうブラピを中学生の頃からこれでもかというくらい見ているのでもうそろそろご勘弁くださいませ。でもとてもいい映画です。優しくなれます。わたしとあなたは、同じに皺を増やしていけて、よかった。映画館で働いていた頃の友だちに赤ちゃんが生まれたらしく、その名前がすごく素敵で憧れちゃいました。纏(まとい)ちゃん、というのです。センスが良い彼女らしいお名前です。わたしも負けないぜー。
January 29, 2009
「レボリューショナリー・ロード」監督:サム・メンデス公開初日に観てきました。女優志望の女(ケイト・ウィンスレット)と、形になっていない夢を追う男(レオナルド・ディカプリオ)。冒頭、二人は出会い、恋に落ちる。しかし、次のシーンでわたしたちの前に提出されるのは女優になれなかった女とサラリーマンの男という夫婦の姿。レボリューショナリー・ロードという通りに建つ田舎風の美しい家に住む家族。一見、誰もが憧れる幸せ(そうな)夫婦であり、家族。しかし、二人は焦がれた未来ではない現在を受け入れることができない。幸せであると思わない。思えない。二人はとても似ている。二人は然るべき未来を共有している。だからこそ、二人は現在を認められずぶつかる。お互いに向ける憎しみさえも隠さない。そして二人は・・・。ぶつかりあう二人は全てを共有しています。かつて夢見た未来を、現在の欺瞞を、全てを。だから苦しい。二人の周りにいる夫婦は、上手くやっています。なぜなら、共有する物をもっていないからです。不満も、不安も、焦りも、全て自分の中にしか存在しない。パートナーと共有していない。だからうまく嘘がつける。だから二人で生活していける。ラスト近くに、激しくぶつかった後に、酷く穏やかな朝食の場面があります。光と静けさの中、夫婦は朝食をとります。それは酷く美しいシーン。妻が夫に笑いかけます。それは酷く美しい笑顔。それは美しく脆い嘘。その後、二人には現実という悲劇が訪れます。サム・メンデス監督の上手い映画の作り方だなあ、と感心。(ここからネタばれ含みます。観られる方はとばしてください。)ラストシーン、長く連れそった夫婦が居間にいます。妻がペラペラと終わらない話をしています。カメラはその向かいにいる夫に寄っていきます。ガンガンと頭に響いて止まない妻の声が、すっと消えていきます。夫が補聴器の音量をゼロにしたのです。何も聞こえない中、無表情の夫の顔が映し出されます。ああ。涙がぶわっと零れました。そういうことだ。いや、そういうことなのか?夫婦とは本当に騙し合いなのか?何が幸せなのか、そうでないのか。その夜は、わからなくなって、恐くなりました。でも、今、思うのです。レボリューショナリー・ロードの二人は何を間違ったのか。夢に焦がれたことではない。現在に欺瞞を感じたことでもない。きっと、忘れてしまったからだ。お互いのことを。というか、「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」という邦題、一体何なんでしょうか?なに?このダサイ邦題。燃え尽きるまで、って一体なに?
January 28, 2009
オタクってこういうことしたがるよね?勝手に2008年私的ベスト3!日本映画1、ぐるりのこと2、トウキョウソナタ3、ジャーマン+雨海外映画1、There will be blood2、ノーカントリー3、イースタン・プロミス次点、ダークナイト2008年は海外映画をよく観に行きました。なので、ベスト3を選ぶのはとても胸が苦しいです。日本映画のベスト3には、賞レース総なめにしている「おくりびと」は入れませんでした。そんなに?という肩すかしな感じ。「百万円と苦虫女」はよかったけれど、横浜聡子監督が三馬身リード。ただ、日本映画をそんなに多く観に行っていないので、「接吻」とか「あさま山荘」とか漏れてます。「接吻」観たいなー。漫画1、怪獣の子供2、聖☆おにいさん3、僕の小規模な生活次点、三月のライオン、鈴木先生これほど漫画を読まなかった一年は珍しい気がします。一人の時間が減ったからでしょうか。小説は持ち歩いて読むのですが、漫画を持ち歩いて読んだりしないので、相方と暮らすようになって、あまり読まなくなりました。でも最近、日曜日の朝、目覚めてすぐにいくえみ綾の「あっさりショコラ」を読んで、号泣して相方を困惑させました。昔読んでも泣いたりしなかったのに、歳を経て、感情ボタンが増えてしまったよう。小説1、森に眠る魚2、星のしるし3、時が滲む朝小説も、2008年に発売されたもの、というくくりでは驚くほど読んでいません。(そうでなくても学生の頃のようには読めていません)昨年は今まで読んだことのない作家の小説に手をつけたりしました。東野圭吾を読んだことが、現代社会と繋がってる感をわたしに与えてくれます。今年はいっぱい時間を作って、無駄なネットサーフィンとかやめて小説読むぞ!やっぱり、映画は相方と共有できるので観る機会が前よりも増えました。旅行にもたくさん行くようになりました。いいことだ。さて、新年明けて、さっそく観たい映画が目白押しです。先日「EXILE/絆」(監督:ジョニー・トゥ)を観てきました。これこそ泣ける、いや哭ける映画!長編映画にしては短めの90分という時間内で、魅せる、魅せる!ザッツ香港映画!というバイオレンスアクションですが、ものすごくカッコいいので、是非!特に男くさいものを好む人にはお勧めです。漫画でいうと、熱さはジョージ朝倉級です。「キャラメル」「レボリューショナリー・ロード」観たいですー。「レボリューショナリー・ロード」は先日の、ゴールデングローブ賞の主演女優賞をケイト・ウィンスレットが獲ったことで、にわかに話題になっているようです。ディカプリオかよー、とさほど興味はなかったのですが、急激に観たくなった理由は女優志望の妻と、夢を追い求めていた夫の関係が破綻をきたしたのは、叶わなかった夢のせいではない。選ばなかったことに焦がれ、選んだたことを責めたからだ。夫婦の間に新しい価値観を築けなかったからだ。二人はそれに気がつかないという(ような)映画評を読んだから。泣きそう・・・。
January 13, 2009
帰省しています。実家でとある原稿をもりもりと書いておりますが、相方に実家に来てもらって徹夜で校正を手伝ってもらいましたが、結局締め切りを守れませんでした。もー、まったくダメだ。ダメ人間極まり。来年も、のらりくらりと、ゆるゆると、全てを手に入れていきたいと思います。わたしは超楽天家なので、欲しいもの、叶えたいもの、全部が自分のものになる気がしてならないのです。うふふ。
December 31, 2008
ああ、気がついたら街にはクリスマスが溢れている。11月22日~23日箱根で湯治。一泊3万円以上のお宿に宿泊!血反吐出るほど大奮発しました。でも、贅沢なお宿にお金をは払う、というよりも、そのお金で贅沢な時間を買うのだと実感しました。(ハチクロでリカちゃんが言ってたなあ)頭がしん、と静まって、水の音を聞いたり、夜の気配を感じたり。旅行に行くと、あれもこれも!あっちもそっちも!とアクティブに動き回ってしまいますが、じっとしていることも、身体には大切なのだなあ、としみじみ。12月6日毎年恒例の、相方presentsボーナスディナーは世界一のピザ職人の作るお店、Napuleに行きました。もっちもちのピザ生地の美味しいこと美味しいこと!わたしたちがモッツァレラと生ハムとルッコラに舌鼓を打っていると、黒柳徹子さんがご来店。いかにも、という格好で窓際に座り(さすがとっとちゃん!)店長とボスニア・ヘルツェゴビナの地雷の話しとアレクサンダー大王の話しをしていました。さすが!慈善大使!12月14日久しぶりに、妹とディズニーランドへ。今は別々に暮らす妹と会うのは、なんだかとても緊張します。何を話せばいいのか、わからない。昔は何を話して何で笑っていたのか全然思い出せない。ぎこちない緊張はキオスク前で妹を待つ時にピークを迎える。けれど、八重歯を覗かせてわたしを「おねいちゃん」と呼ぶ妹を見て、溶ける。とても楽しかったです。この一ヶ月でわたしが摂取した映画と小説でピカイチだったものを一つずつ紹介。映画は断然「WALL.E」。もう、ウォーリー、可愛い!すばらしい映画でした。やはりピクサーはすげえ。小説は断然「森に眠る魚」角田光代。明るい場所で戯れていたはずのわたしたちは、気づくと暗く湿った森の中から出られなくなっている。角田光代は本当に上手い。どれだけ人間の醜い業を描いても、彼女は絶望の先の淡い光のような希望を見せてくれる。今日は相方とクリスマスパーレー。日曜日にお互いにプレゼントを買ったのに、堪え性がないわたしたちは今日のパーレーを待つことができず、買い物から帰ってすぐに開けてしまったのでした。プレゼントのテーマは、お互いがお互いでは絶対に買わない物を買ってあげる。お互いの趣味の違いをついた絶妙なプレゼント。わたしはVANSのスリッポンと緑のチェックシャツ。相方はツモリチサトのサロペット。「自分じゃ買わね~な~」ケーキは毎年恒例のサダハルアオキ。楽しみ。
December 23, 2008
わたしのデスクの隣に、女がいる。その女は、わたしの上司であり、可愛がってくれる人生の先輩である。しかし、とても五月蝿い。とても人遣いがあらい。あれやってこれやって攻撃に防御する暇もない。時々本気でむかっとしてしまって、名前を呼ばれても無視する。それで怒られたりする。嫌いではないけれど、仕事のやり方が好きではないし、いつも周りに敵を作るので「生き方下手すぎる」と思っていた。木曜日、営業部の副部長が、自分の部下を怒鳴った。フロア全体に聞こえるほどの大声で、しかも、その部下を前にしてではなく、自分の席から、遠くにいる部下を怒鳴った。怒鳴った理由は、その部下が文句を言いながら、副部長がふった仕事をしていたからだ。それは確かにむかつくことかも知れない。でも、フロア全体を震わせるような大声で人を怒鳴っていいはずはない。それは恫喝に近い、ただ、己の怒りを発散させるだけの行為だった。彼の声に、フロアが一瞬にして真空状態になったようだった。しんとして、耳がきーんとして、息が苦しくなった。怒鳴られた人は、わたしのことを可愛がってくれている女の人だった。すごく心配だったけれど、恐くて動けなかった。営業部の部長もなにも口にしなかった。注意すべきの人がなにも動かなかった。みんな、みんな、固まっていた。そのとき、ふっと、空気が揺らいだ、と思った。隣の女が、すくっと立ち上がった。わたしは見上げた。女は口を真一文字に結び、すたすたと怒鳴った彼の席に行き「今のはなんですか?」と言った。「なんで怒鳴ったんですか?それが許されると思っているんですか?」部署も違う、しかも立場もずっと上の上司を女は怒った。「パワハラですよ。そういうことはやめてください。」言い訳をする副部長を制し、「言い訳はいいです。ご自分の行動を考えてください。」そう言って、席に戻ってきた。わたしは涙が零れそうになった。感動で。女は所謂、いい人でもない。優しい人でもない。みんなにウザがられるタイプの人間だ。でも、女は自分を決して騙さない。悪いと思ったことに、間違っていると思ったことに、立ち向かう。たとえ、それが大きな大きな壁でも。自らの立場が危うくなることなんて考えない。ちんけな正義感で動いているわけではない。己にどこまでも真っすぐなのだ。いつもは人には調子のいいことばかりいって、嘘ばかりつくくせに。わたしの隣に座っている女は、とてもかっこいい女だ。生まれて始めて、人を心からカッコいいと思った。「その日のまえに」大林宣彦監督超、楽しみにしていた映画だったのに。あぼーん、でした。あぼーん。全部が、あぼーん。「その日のまえに」重松清こちらは小説。死を、悲劇の材料としてではなく、日常の一つの粒としてとらえているから、好感の持てる物語たちが収録されていました。しかし、なんだろうか、あまり心に刺さらない書き方。知ってる知ってる、という既視感が。ただ、子どもの描き方が非常に上手!重松清!子どもの頃の、上手く言葉にできない気持ちや行動、目に見えた景色や感じた温度、すべてが匂い立つように思い出される。「ゴースト・ワールド」テリー・ツワイゴフ監督超好き!すべてが好み!おすすめです!
November 15, 2008
実家に帰っています。とりあえず、wii三昧です。もう、身体が悲鳴を上げております。右手が上がりません。右手が後ろに回りません。お腹の筋肉が痙攣して上手に笑えません。あれは、国を滅ぼす遊びです。危険です。1日は同居人の親と、わたしの親との会食。親同士は初対面です。同居人の親のご友人がやっておられる、中国薬膳のお店に行きました。こう、なんというか、あははうふふ、みたいな空気で何事もなく、無事に顔合わせができたのでよかったです。2日は水戸芸術館を中心に展示されている『日常の喜び』展を見に。馴染みのあるアーティストがけっこう参加していたり、インスタレーションが多かったりしたので、かなり楽しめました。同居人と2人でKOSUGE-16の巨大サッカーボードゲームに興じたり、梅佳代のわけのわからないビデオに見入ったりしておりました。どの作品も面白かったのですが、個人的には岩崎貴宏の作品が好きでした。タオルの繊維を解いて、その繊維で鉄塔を作ったり(タオルから鉄塔が生えてるようにみえる)、シャープペンシルの芯で電波塔を作ったり。ミニマムでありながらスケールの大きい作品が好きです。街中で行われている、『カフェ・イン・水戸』の展示は、ふーん、という感じでした。現代アートはなんでもアリ!という作品ばっかり。デュシャンのレベルまで到達したらそれやってもいいけど、ペーペーのくせに!みたいな。そして、飯田淑乃の「ねばねばなっちぃ」から生まれた商品「なっちぃ」を買えて嬉しかったです。(飯田淑乃を教えてくれた、会社の上司へのお土産です)その後、同居人と別れ、友人とパステルでお茶を。元気いっぱいの友人に、元気と勇気(仕事をする勇気)をわけてもらいました。東京さ帰りたくないべー。
November 2, 2008
流行ものには、やはり目がない。『容疑者Xの献身』東野圭吾を読みました。ガリレオシリーズの一作。東野作品を一つも読んだことがない、時代遅れ状態を脱却できたでしょうか。感想はと言うと、面白かった、の一言です。本当に面白かったです。さすが人気作家です。うおおお、と感心してしまう後半は夢中で頁をめくっていました。ただ、人間の業の部分、カルマを描いていないので、(おそらく、意図的に。)(タイトルにもある、)容疑者の献身に疑問府が点滅してしまいました。なんでそこまで献身できるの?そんなに強い人間なんているの?と。とはいえ、一点の曇りもない、傷さえつかない、強い強いダイヤモンドのような純粋を、わたしは知らないだけかもしれません。あるのかも知れない。小説にあるような、魂を震わせる献身が。東野作品は他にも読んでみたいです。ただ、今は人気すぎて、古本屋でも図書館でも滅多にお会いできない。「純粋」といえば。月9のドラマ「イノセント・ラブ」。あれは、すごいドラマです。ネタ満載です。今週は、主人公のストーカー行為が純粋という言葉に変換されていることに戦慄しました。毎週欠かさず見たいと思っています。浅草と渋谷の街の下を銀座線が走っています。地下を走る銀座線は、渋谷駅の直前で地上に出ます。しかも、地上2階の高い高い位置に、突如表れます。渋谷行きの銀座線の先頭車両に乗り、運転手室の窓ガラスにべったりとはりついていると、銀座線の走る地下の様子を見ることができます。細い筒の中、そこは朝も昼も夜も、夜で、街灯のような灯りが等間隔で点いています。青山一丁目からはほぼ真っすぐにレールが延びているので、次の駅の灯りが遠くにぼんやりと見えます。表参道を出て、しばらく走ると、突然、目の前からレールが消えます。「落ちる」そう思って、内蔵が縮みます。銀座線が夜に落ちていくのを想像します。それが、銀座線が地上に出る瞬間です。「落ちる」その瞬間の次に、渋谷のネオンが包みます。ビックカメラの赤の光が右に見えて安心します。夕方の銀座線は、奇跡的でした。表参道を出て、いつも通り目の前からレールが消える瞬間、目を刺すような橙色の光が射し込みました。渋谷のビルに反射して、反射して、反射して、暗い筒の中に射し込んだ夕陽。「落ちる」と思いませんでした。「飛んだ」と思いました。渋谷で夕日は見たことがないけれど、こうやって夕陽が差し込むのだと思ったら、胸がちりちりと痛みました。
October 30, 2008
口の中に、ひとつ、ふたつ、みっつ、と口内炎ができました。あくびをしたいのに、痛くて痛くて口を開けられなくて、できません。土曜日、同居人と喧嘩。荷物をまとめて出て行く。わたしたちはよく喧嘩をします。もう、これでお別れなんじゃないか、という喧嘩を、1ヶ月に2、3回はするでしょうか。例えばわたしたちは、どちらかが放つ「あい」という言葉を、どちらかは「あい」と理解できない。同じ日本語を話しているはずなのに、お互い意味が分からず、意味が分からないからこそ、お互いの言葉をお互いで封じ合ってしまいます。仲直りをした後、仲直りなんていつもどうやってしているのかわからないけれど、横浜トリエンナーレに行きました。2日目。でも、特別何も見られなかったです。そして久しぶりの自然食バイキング、「はーべすと」へ。ご飯の後はみなとみらいから横浜の繁華街まで散歩。途中、以前から欲しくてたまらなかったズーラシアの看板動物である、オカピの足ソックスを購入!夜はDVDでイマヘイこと、今村昌平監督作品「楢山節考」を。追悼、緒形拳。この作品、強烈な生命の臭いと熱を放っています。生々しく、熱い熱い、動物の濃厚な臭い。イマヘイの映画には人間ではない動物がたくさん出てきますが、それはきっと思考する動物を、生きるだけの動物と同じ地点に持ってくるからです。最後、それまでの濃厚な生命の臭いを、一気に、雪の白さで一掃した終わりは見事!「動」から「静」への切り返し方が、また生命そのものをなぞるよう。こんな映画、今、作れるのだろうか。「楢山節考」にある豊かさは、今も映画にあるのだろうか。日曜日は、お勉強会の後、大好きなモーパラへ。口内炎がいたい。
October 27, 2008
好きなテレビ番組はもっぱら、「プロフェッショナル 仕事の流儀」です。最近はほとんど毎週同居人と観ています。そして時々熱い涙を流します。MCである茂木健一郎のおかしさに笑います。あの人は、能科学者でありながら、脳と身体がバラバラのように見えます。いや、能科学者だからこそ、か。本当に、不思議な存在です。1年以上伸ばし続けて、蒼井優ちゃんにぐんぐん近づいていた前髪(自称)を、ひとおもいに、ざくざく切ってしまいました。土曜日、ヴィム・ヴェンダース監督「都会のアリス」「まわり道」を観に、早稲田松竹へ。「都会のアリス」が、わたしの好きなフィクションタイプのど真ん中!どストライク!無関心で、優しくて、曖昧で、切なくて、ほっとする感じ。その後、大学の近くまで歩き、学生の頃よく食べにいった韓国料理「ママキムチ」へ。わたしはキムチチゲ定食。同居人は石焼ビビンバ。ママキムチは、3年ほど前、同居人と再会したお店でもあります。早稲田映画祭のあと、ママキムチに行きました。わたしは石焼ビビンバ。彼はサムゲタン。外がとても寒かったから、ママキムチの店内の温かさに一瞬頭がくらくらしました。わたしはすごく緊張していて、それは、高校の同級生とはいえど彼と話すのは実質その日が初めてで、なんでここに2人座っているんだろうなどと考えていたからでした。言葉と言葉の間隙を埋め尽くすように言葉を重ね、笑って笑って、少し食べて、また笑って。油絵みたいな会話を2人で楽しんだ気がします。3年後のわたしたち。いつも一緒にいるから、話したいことは、話したいと思った時に話せるから、食べる時の会話はほとんどありません。たまに、思い出したようにほっそりとしゃべって笑ってまた食べる。端から見たら「あのカップル終わってない?」って思われているのかもしれません。わたしも昔、ファミレスで隣のテーブルにいる、会話のないカップルを見て、もう別れるんだろうな、と思っていました。食事は、とても大切で、重要な行為です。食事をともにとる人は、とても大切な人です。笑顔で食卓を囲む絵ばかり、画面から垂れ流されて、それがよしとされるような空気があるけれど、わたしたちの無言の食卓に大きな安心を覚えているのです。それぞれの形が食べ物と一緒に、在る。深夜にジム・ジャームッシュ「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を観ました。淡白な1カット、1カットに潜む可笑しみが、ジム・ジャームッシュの本領なんだろうな、と思わせるいい映画でした。先週の夜に観たDVD「ミスティック・リバー」は悲しい映画でした。今日はこれからnest partyです。同居人がチケットを買ってくれました。group_inou、toe、i am robot and proud、ネハンベース、nisennenmondai(別にこれはどうでもいい)らが集結!たくさんのアーテイストのライブを観られるのが、超楽しみ!
October 19, 2008
ビバ3連休。満喫して完結!金曜日の夜が、わたしはとても好きだ。無限の可能性と時間を孕んだ空気を主成分とした金曜日の夜がとても好き。金曜日の夜は、特別な用事がない限り、同居人と赤坂・六本木付近で待ち合わせをし、目黒の中本に行く。その後は中本近くの喫茶店で休憩し、家まで歩く。そして銭湯へ行く。先週もこの金曜日の夜コースを満喫したのだが、一つ特別だったことがあって、この日の銭湯はラベンダー湯をやっていたのだ。銭湯を包むようにラベンダーティーの香りがもわもわ漂って、溺れてもいい、と思いながら、東横線の電車の音を聞きながらお湯に沈んでいた。とても気持ちよく、お湯をいただいたわけだが、脱衣所で奴に遭遇。奴、それは生命の神秘。地球誕生60億年の謎。漆黒のボディー。煌めく生命力。その名をゴキブリ。まあ、家の中で遭遇したら落ち込むけれど、銭湯で遭遇しただけなら、別に平気。ただ、裸体の自分にゴキブリがよってこないように気をつけるのみ。そして土曜日は友人の結婚式の二次会。なので前日の夜は、わたしの持つあまりある自意識のせいで(同居人談)一睡もできず。朝になってようやく浅い眠りについた。「だれもお前なんて気にしてないから」そう同居人に言われても、高校時代の有象無象の知人に会うのが恐ろしすぎて眠れなかった。二次会は夜からなので、昼間は横浜トリエンナーレを満喫。それにしても横浜に行くたびに、何故か、小動物をつれたおじさんに会う。小動物も、猫とか犬とかではなく、うさぎとかフェレットとかを鎖で繋いでるとか、赤ずきんちゃんのような洋服を着た猫を肩に乗せてるとか、相当変な連れ方をしているおじさん。なぜ。そして結婚式の二次会へ。友人と、友人のお嫁さんは、とてつもなく幸せそうな顔をしていた。びっくりするほどだった。同居人が「自分はあんな幸せそうな顔はできないな、って思った」と言ったが、確かに、わたしもできないと思った。幸せを、そのまま体現することはきっと難しい。単純なことが単純にできない。(それも余りある自意識のせいだろうか)それができる二人は本当にステキだと思った。ステキすぎて、ちょっと、泣きたくなった。日曜日。目黒~恵比寿を徹底的に歩く。リムアートで「地」と「図」という展示を見たり、同居人が家具屋を見たり。そして、シドニー・ルメット監督作品「その土曜日、7時58分」を観た。ある誤算で起きてしまった事件が、家族の闇を光の元に曝し出す話。家族の闇の描き方が、うーん、という感じで、期待した感じではなく、いまいち、だったが、先日試写で観た「ハンサム☆スーツ」の、いまいち、とはレベルが違う、いまいち。「ハンサム☆スーツ」では、久しぶりに映画で酷い目にあった気がした。月曜日。恵比寿で家具を購入。(同居人)わたしは自転車購入を目論んだが予算不足にて断念。その後恵比寿の喫茶店でしばし個人勉強。夜ご飯はおでん。今宵のDVDはクリント・イーストウッドの「ミスティックリバー」。明日から仕事。嗚呼、嫌だ。ブタ野郎!嫌なことがあると、口汚いことを言って、気を晴らす。ゴキブリ野郎!
October 13, 2008
先週の木曜金曜と、終日羽田空港で取材があり、それに同行して、とことん、疲れ果ててしまいました。疲れ果てる度に「あー、編集者向いてない」と思います。それでも、「今のわたしは、絶対に夢で描いたわたしに繋がってるはず!」そう思い込んで生きるのです。とは言っても、取材は楽しいこともあるんですけどね。俳優の変な癖とか見つけると、心がワクワクするものです。先々週、松之助NY@代官山でアップルパイを食べてきました。薄くスライスしたりんごがミルフィーユみたいに重なった、ちょっと変わったアップルパイは、ちょっと不思議な食感にお上品な味で美味しかった!ただ、ドリンクはレベル低いです。おそらく、イートインが主軸ではない模様。イートインでケーキ+ドリンクを頼むよりは、テイクアウトでケーキ2つがよい気がします。そして先週の土曜日は、久しぶりの友達と再会。お互い積もり積もる話を、機関銃のように話しまくり、だけどちっとも話しきれないで、また近々会う約束をして別れました。高校時代を共に過ごした彼女と話をしていると、記憶の海に埋もれてしまったものを思い出します。ガストに行くと、わたしはいっつも、鉄板餃子+ライスを頼んでいたこと。そして、なかなか注文を決めないその友達に「あと5分で注文決めないと、餃子ね」と言い放ったこと。高校時代を「あの頃」と形容したり「子供だなー」とか思いながらも、決して遠く離れた場所だとは思わないし、「おとなになった」とも感じません。こどもとか、おとなとか、曖昧なものだと思って、境界線が気になって仕方がない。日曜は家の近くをふらふらして、COWBOOKSを覗いたり、服屋を覗いたり。DVDで「神童」と「undo」を観ました。これから観たい映画がぱらぱらと劇場公開されるので、とても楽しみな秋。母校の学園祭のライブに、group_inouがやってくるらしいし、とても楽しみな秋。実家でwiiを購入したらしく、親が、わたしと恋人のmiiを作成してくれたようです。わたしもちっとも似ていませんでしたが、恋人は似ていないどころか変態みたいで笑えました。でも、恋人のも作ってくれたことがとても嬉しくて、早く実家に帰りたくなりました。
October 6, 2008
うちに本棚がやってきました!引越し祝いに両親に買ってもらった本棚!ホンダナ!!!縦×横=170×360の本棚です。壁にダダッ、と並んでいます。未だに段ボールの中に詰め込まれていた本たちがキレイに収まりました。整然と並んだ本たちを見ていると、意外に少なく思えます。これまで、部屋の中の空いてるスペースに押し込めたり、床に天井高く積み上げていた時は、とても多く思えていた本たちなのに「これだけ?」という、きょとん。これで本をじゃんじゃん増やせるぞ!と思いつつも、本棚の空きはもう既に、稀少スペースなので無駄な本を買ってしまわないようにしないと。それにしても、これだけ大きな本棚があると、ちょっとした公民館の図書館みたいで嬉しいです。本棚の前のソファに座りながら本棚を眺めてると、一人でふくふくしちゃいます。でも、次回引越す時は公民館の図書館レベルではなく、書庫が欲しい。それまでには、書庫に相応しい本たちを集めよう。先週、一般試写で「P.S.アイラヴユー」とマスコミ試写で「イーグル・アイ」を観てきました。前述には友達が、後述にはおすぎがいました。土曜日は黒沢清監督作品「トウキョウソナタ」を観に行きました。トウキョウで暮らすバラバラの家族がバラバラにトウキョウを逃げ出そうとするけれど、結局家に戻ってくる。(長男だけは異質なんだけれど。)黒沢清の映画はいつも、人間の生々しいリアルを描きながらも、現実とは乖離した設定で枠を作る。感情移入を安易にさせない、距離感を作り上げている。それが絶妙に心地よかったり。DVDでは阪本順治監督「魂萌え!」を。原作とは違う、物語の描き方をしていてそれはそれで楽しめました。
September 29, 2008
先週末、恋人と待ち合わせをしてH&Mに行く予定でした。が、恋人が仕事で、待てど暮らせどやってこない。独りで銀座に行って、列に並んで、お店を見て、お店を出る。近くの喫茶店で待つけれど、それでも連絡は来ない。H&Mは21時で閉店する。時計は無情にも21時をデジタルで表示する。雨に打たれながら帰路へ。仕事だから仕方がないって、どうしようもないってわかっているのに、銀座線に揺られながら、車窓に写る曇った自分の顔を見てたら、涙がじわじわと溢れてきて、それとともに怒りも滲み出てくる。中目黒に着いた頃、恋人から電話がかかってきたけれど「もう一秒たりともあなたを待つことはできない」と切ってしまった。恋人が走って家に帰ってきて、何度も「ごめんね」と言ったけれど、赦すことができなかった。もともと、赦す権利なんてわたしの手の中にはないはずなのに。そもそも、彼のなにをわたしが赦して、彼はわたしになにを赦されるのか。そんなことすらも曖昧なのに、わたしは彼を赦せなかった。「なんでもするから。本当にごめん」そんな言葉を彼に言わせてしまうわたしは、本当にダメです。優しくなりたい。やさしくなりたい。今日の朝方は、そんな日頃の行いが祟ったのか、急激に気持ちが悪くなって目が覚めて、早朝、吐きました。吐いて、吐いて、吐いて気持ち悪くなくなりました。恋人が、わたしの吐瀉物を片付けてくれました。彼のやさしさを受け取れば受け取るほど、わたしはやさしい彼を傷つけてしまう。彼がやさしい分だけ、わたしは自己中心的になる。そんな恋人の体調が、今日は一日優れませんでした。わたしはなにもすることができませんでした。「黒い十人の女」をDVDで見ました。面白かったです。岸恵子が美しい。そういえば、髪を切りました。8ヶ月ぶりに。髪の長さはかえずに、軽くしてもらっただけだったのに、切られた髪の毛の量ときたら、ジャパニーズホラームービーの1シーンのようでした。
September 21, 2008
朝、恋人が、履きたいジーンズがない、などと言ってそこらじゅうを探しまわっていました。置いてある場所を忘れて、哀れにも探しまわっていました。そんな姿に怒り心頭。「なんで覚えてないの!」こんなやりとり、休日っぽい。ON 土曜日家の近くのミヅマギャラリーで会田誠展を。前回は、私の大好きな近藤聡乃展を開催していました。(知らなかったので見逃しましたが)そして、隣の家の人から誘われていた町内会のお祭りへ。焼きそばとフランクフルトを恋人が食べていました。その後祐天寺まで歩く。ギャラリーに寄る。歩いて帰る。疲れる。夜ご飯は、お家で七輪を使って焼き肉を。炭の具合が悪くいっこうに焼けませんでした。疲れました。DVDで「ドッペルゲンガー」(監督:黒沢清)を。ON 日曜日上野にある国立科学博物館へ『黄金の国ジパングとエル・ドラード展』を見に。上野の西洋美術館を世界遺産に登録する運動があるらしいです。「世界遺産なめんなよ!」と、どこかで誰かが叫んでいます。夜は、今話題の映画「おくりびと」(監督:滝田洋二郎)を。恋人が「広末涼子、いらなくね?」と言っておりましたが、おっしゃる通り!いらない。広末涼子は大好きですが、映画にはいらなかったです。納棺師というマイナーな職業を取り上げたのは素晴らしいと思います。知らない世界を、感情を提示されるのは有意義なことでした。けれど、「死」という王道なテーマを扱っていることを、もうちょっと深く考えて欲しかったと思うのです。2時間ちょっとの上映時間の間に、わたしたち観客はたくさんの「死」に直面するのですから、それはそれは感動してしまうのです。「だれだっていつかは死ぬ」のですから、感情移入がしやすいのです。そういう感動と、映画の面白さは全く別です。山?努と余貴美子の使い方が下手。あの2人をうまく使えばもっともっと深い映画になったはず。もっくんの、納棺士としての成長と、人間の成長と、自分を捨てた父親との再会までを、一本の線で結べていないのが、おしいところです。おそらくそれは結ぶことを意図しているはずなのですが、前述の2人の使い方が下手なためできていない。それと、個人的には趣味ではない演出が目立っていたので、むーん、という感じ。もっくんの動きは美しかった。山?さんも余さんも笹塚さんも吉行さんも素晴らしい役者さんです。山形の田舎のロケーション、もちろん良かったです。それだけに、ざんねん!!!
September 14, 2008
最近、家をだいぶ早くに出て、出勤前の40分をマクドで過ごしています。なんだか、自分の時間を自分で作り出している感じで、悦に入ります。こういう時間を出勤前に持つと、仕事がついでに思えてくるのです。基本軸は自分のためだけの時間に置く!仕事はついで!「仕事はついでだと思ってます。」とか上司に言ったら殺害されそうです。会社で引越し作業がありました。しなくてもいいレイアウト変更でビルの4Fから9Fに行くことに。それに伴い自分の仕事がまったく進まず、溜まるばかり・・・。会見に行っただけで原稿に起こせてないものが3つもある・・・。ジーザスクライスト!!!終わるのか仕事!?でも、残業は絶対にしたくないのです。お隣さんからよくお手紙が来ます。なぜか便箋をプレゼントされました。お隣さんはわたしたちのことを大変気に入っているようで、なにかといらぬ心配をしてくれています。勝手にうちの部屋のオーナーに、うちの部屋のことでいろいろ注文をしてくれるぐらいです。隣人問題は気をつけないといけません。そして今日は、待ちに待ったH&Mの日本初上陸店開店の日です!初日に行ってみたい気持ちは溢れんばかりですが、聞くところによると徹夜して並んでいる人もいるとか。すごい行列で入場制限されてまで初日に行く気力はない。あー。こういうところがダメなところです。そういえば、この間DVDで観たケン・ローチ監督の「やさしくキスをして」がなかなかよかったです。漫画「アオイホノオ」がかなり面白いです。近年稀に見る面白さ!映画版「デトロイト・メタル・シティ」は普通の感動作になっていてよかったと思います。そんなことより、待ちに待った3連休。楽しく楽しく過ごしたいです。とりあえず、スタートは、ドミニク・サブロンのパン!
September 13, 2008
お盆休みを勝手に4日もとって、実家に帰っています。祖母が麦茶を飲む時に、右手の小指をピンと立ててこぷこぷと飲むのを見て、ああ、わたしと同じなんだと思いました。床に寝ころんで、ウスバカゲロウが迷い込んだのを見て、空が暗くなって、犬が鳴いて、風が冷たくなるのを感じる。ああ、わたしだ。そう思う。昨日は内原ジャスコのなかのTOHOシネマズで『ダークナイト』監督:クリストファー・ノーランを観てきました。・・・。かっこいぃぃぃぃっ!!!!バットマンが乗ってる車、使ってるメカ、豪華絢爛でカッコよすぎ!!!ふぉぉぉぉぉぉ!!!そんでもって、ジョーカーを演じたヒース・レジャーの怪演!ぞわぞわぁぁぁ!!!超娯楽大作でありながら、テーマがしっかりとしている。テーマがしっかりとしているのに、哲学によらずわかりやすい。わかりやすいのに、答えを一つにしぼらない、提示しない。素晴らしいエンタテイメント大作だと思います。ところどころ、突っ込みたい面白いボケポイントもありつつ、眼をキラキラさせて、ドキドキして、楽しめるはず。わかりやすい映画とはこういうことだと思うよ。押井守に言ってあげたい。観客をバカにしちゃいけないと思う。その後、相方のお父さんとメヒコに行きました。メヒコはフラミンゴのいる、カニ料理店です。相方のお父さんと相方の後ろで、フラミンゴがずっと喧嘩していました。くちばしをガアー!と開けて、長い首をひねって、小さいフラミンゴを突き回してました。お父さんは相方にそっくりで、笑い方が、眉毛が、口元が、本当にそっくりで、何年後かわからないけれど、いつかこの顔と向かい合ってご飯を食べる日がくるのだと思いました。今日はうちの家族と相方がご飯を食べる日です。楽しみだ。
August 14, 2008
巷で話題の映画、『HOT FUZZ』を、フライデーナイトに相方と共に川崎チネチッタまで観に行きました。溜池山王から銀座線に乗り、新橋まで。新橋から川崎まで東海道線。そう、もう一度書こう。新橋から川崎まで東海道線。そう。新橋から「川崎」まで東海道線。しかし、わたしたちが新橋から乗った東海道線は通勤快速。「品川」を出た通勤快速東海道線が、次の駅と表示したのは「大船」。・・・。大船!?説明しよう。大船とは、鎌倉の近くの都市である。川崎を越え、横浜を越え、戸塚を越えて到着するのが大船である。なんで横浜まで通過するんだ!!!!映画の時間には間に合いましたが、わたしたちは大船まで行って、川崎まで帰ってきたのです。小旅行してしまいました。相方は言いました。「品川の次が小田原じゃなかっただけよかったよ」閑話休題。「HOT FUZZ」、大変なファッキンムービーでした。もちろん、褒めています。監督であるエドガー・ライトが、大好きなポリスマンムービーの大好きなシーンをパクって詰めこめるだけ詰め込んだぜ!という過剰な映画。すげえな。という域まで達しています。タランティーノ監督と友達なだけあります。スプラッタにカーチェイス、銃撃戦に大爆発。村のおばちゃんが2丁拳銃でぶっ放しながら自転車に乗っているような映画ですから。ファッキンです。ただ、考えたのが、「笑い」には国境がある、ということです。イギリスの笑いは、正直わたしにはそんなに面白くない。この映画は爆笑映画なわけで、本国(イギリス)ではどっかんどっかんウケている。わたしに限らず日本ではそこまではいかないだろう。笑いは言語と、言語の間、言語の持つ空気、がとても大切だと思う。つまり、言語に依存している。(のではないかと思う。)だから、面白いけど、手を叩いて涙を流して笑うことはできません。帰り、南武線内で同じ車両に乗り合わせたおじいちゃんが倒れました。というか、ふとあたりに眼をやったときに、倒れ込むおじいちゃんと、おじいちゃんを支える数人の男性が眼に入りました。わたしは相方の肩を叩き、注意を促しました。わたしは頭の中で、救急救命の演習を何度も何度も思い出そうとするのだけれど、真っ白で何も思い出せなくて、口がからからに渇いて、汗がじとっとしてきて。数人の男性はおじいちゃんを席に座らせようとする。わたしは動けない。すると相方がぽつりと言いました。「次の駅で降ろした方がいいんじゃない」次の駅で数人の男性に抱えられておじいちゃんは降ろされ、相方が駅員を呼び、おじいちゃんは駅員に預けられました。電車で気持ち悪くなって倒れ込むと、座席に座っていてもよくならない。わたしもたまにそういう状態になるのでよくわかる。でも、相方のようにすぐに「次の駅で降ろす」という言葉が出てこなかった。その晩、こっそり独りで猛省しました。今日は、中目黒の新居のお掃除に行きました。来週が引越しなので、今週中にキレイにしておきたかったのです。先週も掃除に行ったのですが、ゴキブリ2匹に遭遇したので、バルサンして終わりました。今回は、バルサン後のわけで、ゴキブリが数匹死んでいることは予想していました。予想はしていましたが。20匹!20匹もゴキブリ太郎の死体が転がってたんですよ!部屋の中に!!!関ヶ原の戦場よりも凄まじい惨劇の場面ですよ!怖い!!!!全部片付けました。そしてまたバルサンしました。古くて味のあるマンション。それだけで済むはずがないんです。古いところにはゴキブリ太郎がいるんです!!!すごい疲れました。ここんとこハードですごく疲れる。そういえば、先々週のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」はとても面白かったです。プロ棋士、森内俊之と羽生善治。努力の人と天才。重厚な受けと常識破りの閃き。小学生からのともに将棋の世界で生きていて、同い年、永遠のライバル。お互いがお互いの道を阻む存在でありながら、お互いがお互いを最強に導く存在。ぞくぞくする。その道を極めた人にしか見えない世界というものが、確実に存在する。本当に存在するんだ、と思ったら背中の毛が逆立った。
July 26, 2008
井上荒野さま、直木賞おめでとうございます!楊逸さま、芥川賞おめでとうございます!今年に入って読んだ本で(『時が滲む朝』は文芸誌でだけれど)、面白いなあ~、と思った作品の作家2人の受賞にとても心跳躍す。楊逸の『時が滲む朝』は最初、人物名が漢語で読みづらくて苦心していたのですが、気がつくと、物語の持つ「時代の熱」にわたし自身浮かされていました。ここ最近ずっと、会社で歳の近い女の子(彼女は女性というよりも、圧倒的に「女の子」なのだ)に、アルコの漫画をダダっと借りて読んでいたりとか、面白いのか面白くないのかわからない『ウシジマくん』を読んだりとか、相方が会社の先輩に借りた『ハチワン』読んだりとかで、漫画よりの頭になってしまっていたのですが、徐々に、文字だけの世界によってきています。漫画と小説を同じ時期に読むことができない不自由な脳みそです。のうみそ。引越しは8月2日に決まりました。お値段、破格の2万5千円!!!わりと荷物が多いのにこのお値段。他社と競合させたのがよかったのか。でも、引越しのことで相方と喧嘩。外に出て行った相方を裸足で追いかけ、手に持ったサンダルを背中めがけて投げつけた。夜の気配を未だまとい、あぶなげで、やわらかく、ぼんやりとした優しい朝の空気が、「なんなのよそれ!」というわたしの怒声によって切り裂かれた。またやっちゃったな、という。土曜日はうちの会社が出した本の出版記念サイン会のカメラマンとしてお手伝いしました。帰りに、資生堂パーラーがあったので、営業部の人たちと3人で行っておごってもらいました。わたしは初めて資生堂パーラーに足を踏み入れたのですが、すげえ!!!超リッチ!!!おしゃれ!!!おしゃまんべ!!!(北海道の一都市)わたしは今月のパフェを食べたのですが、超うまい!!!死ぬほどうまい!!!3人でお茶しただけで、6800円越えのお会計でした。お金を出してくれたMさんは、苦虫のような顔をしてました。●タナダユキ監督「百万円と苦虫女」@川崎チネチッタなんの資格も特技も、友達もいないフリーター佐藤鈴子(21歳)がある事件をきっかけに、100万円を貯めては、他の誰も自分を知らない町を転々としていく。自分探し、ではなく、圧倒的に絶対的にそこに存在してしまう自分から逃げる鈴子。だが、鈴子はとある地方都市で中島くん(21歳)と出会い、恋をし、失恋し、自分を見つめ直し始める。ラストシーンがとても気に入りました。誤解ともどかしさとやるせなさを含んだシーンを、クールで、さっぱり、あっさり、スパン!と描ききったのは監督の妙技だと思います。しかもエンドロールで流れる音楽は原田郁子ちゃんだし。サイコー。しかし、良い前評判がわたしの中のハードルをぐんぐんあげていて、思ってた以上には面白くなかったです。なんとなく、蒼井優演じる鈴子のキャラがいまいち立っていないような気もするし、脚本に歪みがあるし、冒頭導入部分がすごく下手!と思ってしまいました。ただ、大好きな蒼井優ちゃんをスクリーンいっぱいに観ることができたのは至福。本当に、ほんとーに、わたしは蒼井優ちゃんが好き!!!●DVD「二十四時間の情事」アラン・レネ「三月のライオン」矢崎仁司相方はわたしの会社の営業部の人たち(面識なし)に「薫ちゃん」と呼ばれています。確か、薫ちゃん、という名前ではなかったと思うのだけれど。
July 20, 2008
新しい生活の場が決まりました。中目黒駅徒歩6分のところにある、古びた小さなマンションです。壁一面の大きな本棚に梯子をかけて、何度も読んだ物語を手に取る。古い大きな机とカリモクのソファーに沈んで本を読む。そういう空間。キッチンには柳宗理で揃えた調理器具が並び、コーノ式ドリッパーでいれるイノダコーヒー。そういう質感と香り。理想です。案外早く決まってしまって、これから8月中旬にかけてばたばたしそうです。書類上のわたしは、契約者の婚約者で、パートしてる女、です。その女はわたしなんだけれど、なんだか、思考するこの今のわたしとは全くちぐはぐで、身の丈の合わないぶかぶかの服を着せられたような、おかしな感じ。とにかく、生活環境はがらり、と一変しそうです。渋谷代官山下北沢三茶三宿・・・、ありとあらゆる場所が徒歩圏内。うわああああ、と思います。精一杯の背伸びをしています。
July 14, 2008
今日から部屋探しを始めました。ふたりで、ささやかに、ゆらゆらと、小さく生活できる部屋に引っ越すために。中目黒、祐天寺、付近で考えているので、とりあえず、今日は中目黒の不動産屋さんに行ってきました。大手、と、地元老舗不動産屋さんの2軒。さすが大手はしっかりとした「教育」があるとみえ、接客がとても丁寧でこちらの要望を「はい。はい!」と笑顔でぐんぐん飲み込んでいく。かたや、地元老舗不動産屋さんときたら、びっくりする接客を繰り広げる。「すみません。入り口に貼ってある物件ってまだありますか?」と扉から押し入ると、狭い空間におじいさんと館ひろしと同じくらいの年齢のおっちゃん2人が無関心そうにこちらに眼をやって、「それはもうないよ」と、面倒くさそうに答える。「ないんですか?」「ないよ、それ貼り変えるの面倒くさいでしょ。8月になったら貼り変えるの」「じゃ、他の物件見せてください」すると、ものすごく分厚いファイルをドカッと目の前に置かれて、それの説明もなしに「これ。見たら」とくる。ひどくガラッパチかと思えば、「この物件はいいよ」「スリッパ置きにいくからその部屋に連れてってやるよ」と意味不明な理由で車を走らせてくれる。窓全開の後部座席には風がびゅんびゅんと吹き込んで、汗でしなった髪の毛をはたはたと流して乾かせる。「ふたりは結婚してるの?」「いえ、まだです」「まさか20歳は超えてるんだろ?」「もちろんですよ」「いくつ?」「24です。」「若いわ。眩しいくらいの歳だわ」「そうですか」「親も知ってるわけ?」「知ってますよ」「それなら完璧だわ。で、ふたりはどれくらいなわけ?」「高校の頃知り合って、付き合うようになったのはここ3年くらいです」「じゃあ、もうそろそろだな」「なにがですか?」「ふたつの意味で、もうそろそろだよ」「ひとつは身を固めるってことですよね」「ひとつはね。あとひとつあるだろ、もうそろそろなの」「なんですか、それ?」「わかんないならそれでいいよ」「わかんないです」おっちゃんとわたしがどうでもいい話をし、相方はわたしの隣に座り時折笑い、車は中目黒を走り、蛇崩の交差点を左折する。コギレイなマンションの前に車を止め、おっちゃんは「そこの2階のドンツキ、206だから」そう言ってどこかへ行ってしまう。「勝手に入っていいのかな」「ダメだろ」「あれ、鍵開いてるし」206の前でそんなことしていたら、おっちゃんがやってきて「何やってんの、入りなよ」とわたしたちをうながした。「この部屋は本当に縁起がいいんだよ」おっちゃんはそう言った。その部屋を後にして、祐天寺の駅を通り、駒沢通りを通り、中目黒に戻った。おっちゃんの田舎、沖縄の話や、わたしたちの田舎、茨城の話、もうちょっと古くてレトロな物件を探してることを話した。中目黒に戻ってきて「ほら、そこの部屋も見ていいよ」と、中目黒駅近の物件も勧めてくれた。「そこの3階のドンツキだから」おっちゃんはそう言ってまたどこかに行ってしまった。「おっちゃんさ、さっきからドンツキしか言わないよね」そう言いながら相方と3階ドンツキの部屋のドアを開ける。やっぱり鍵はかかっていない。おっちゃんも来ない。ふたりで中に入る。バランス釜のお風呂、キッチンの陰鬱さ、変な間取り、レトロさに笑う。おっちゃんはいつまでも来ない。「まさか、うちらを置いて店に戻ってるんじゃないよね」そう言いながら店に戻るとおっちゃんがいた。「またちょくちょく来てよ」おっちゃんは笑顔でそう言った。帰り道、「おっちゃんが言ってた、『ふたつの意味でもうそろそろ』ってなんだったの」と相方に聞いた。「あれじゃん。別れるか、結婚するか、じゃん」●劇場公開作品「イースタン・プロミス」デヴィッド・クローネンバーグ@川崎109シネマズ暗躍するロシアマフィアの男と、ある妊娠した少女の死に立ち会った助産婦の運命がロンドンの街角で交差する。ロシアマフィアが行う人身売買について綴られている少女の日記をめぐり、ふたりは大きな犯罪の渦に飲み込まれていく・・・。ロシアの田舎、そこがどんな場所かわたしは知らない。けれど、荒廃し、さびしく、人の成長を歪ませる場所なのだろう。そんな場所で生まれた人間が、なんとかそこを抜け出して、大きな何かを、世界の全てを手に入れたい、そう思ってロンドンに集まる。しかし、忌み嫌うその場所=己自身から逃げようとすればするほど、深く、内蔵に潜るように深く、そこに入っていってしまう。暗く、甘美に、腐る、世界。ラストシーンがよかった。(この映画はストーリーを書くと、ネタばれ激しく、映画を楽しめなくなってしまうので書けません。)てか、ヴィゴ・モーテンセンがカッコよすぎるって話よ。●本「長い終わりが始まる」山崎ナオコーラ山崎ナオコーラは、「著者近影はポールスミスの男物でそろえた」とか公言するような、「前に一緒に暮らしていた男の子」とか公言するような、イタイ人間で、そんなところが好きなのです。そんなイタサ爆発だった前作はけっこう面白かった。しかし、この小説は面白くなかった。彼女の企みも、挑戦も、やりたいことも、わかる。だけど、「もう飽きたよ、その方法」と、少しうんざりしてしまいました。まあ、「この文章きれいでしょ」「この文章雰囲気あるでしょ」みたいな、書きたいことがあるから書いてるような、書きたいことに書かされているような文章ではなく、手癖ですらすらさらさらと書いている小説家の小説よりはましだと思う。明日は相方の家族との会食です。ラウンド2のゴングが鳴り響いています。
July 5, 2008
全590件 (590件中 1-50件目)


