東京なな猫通信

東京なな猫通信

千葉ホームレスの件



いよいよ昨日、わたしとSASA代表のりりーさんで
現場に行ってきました。千葉のホームレスさんが飼ってる猫の保護。
キジ虎の小さい子が弱っていたので、その子1匹だけ保護して治療し、
無事、一時預かりさんのところに引き取られました。
一時預かりをしてくださったのは、疥癬に苦しみ、
殺処分寸前のところを保護された、
ダックスのアルくんを保護されていた、しろママさんでした。
しろママさんの日記で、保護したライムくん(仮名)の様子を
知ることができますので、よかったら下記ご覧ください。
  リンクをします


以下は、わたしの素人的な感想です。

私は、ああいう現場を見たのは初めてでしたので、
正直に言いますと、“思っていた程は悪くなかった”面と、
“思ってい以上に悪かった”面と、両方感じて帰ってきました。

悪くなかったというのは、もちろん悪くないわけはないんですが、
まあ、一応、3本足の黒い子とか、3本足の三毛、それから犬のポチなど、
意外に太っていたことです。
あの子たちは、たぶんおじさんが
一番かわいがっているのではないかと思われる、
のは、おじさんの居住部に一番近いところにいたからです。
もちろん、みじかーーい紐でつながれていましたが。

mike kuro


そして、私などが近づこうとすると、
犬のポチが一生懸命吠えて近づけまいとして、
猫たちを守っているようすが見られ、
ポチは猫たちのボスの気持ちでいるように見えました。
でも、ポチ自身とても甘えん坊で、やさしくされるととても甘えてきて、
私には自発的に「お手」までしてくれたのでびっくり、
嬉しかったです(*^_^*)

poti
ポチは元気ですが、背中には自分で噛んでるような跡があり、
元気といっても疥癬か何かだと思われました。


3本足でない黒ちゃんとかキジ虎の成猫などは確かにちょっと痩せていて、
この子たちが糞をして土 を掘るので、
この子たちをもってってほしいようなことをおじさんは言ってましたね、

でも、それは紐で繋 がれ、そこに垂れ流し状態であれば、
猫たちにしてみれば仕方ないことで、
早く保護してやりたい部分と感じました。

それに、夜はどうも、小さい箱かケージに一匹一匹入れてるみたいで、
夜中そんな狭いところで、糞尿にまみれて・・・と思うと、辛かったです。


そして一番奥にいた小さめの子、
つまりいま預かり先にいる仮名ライムちゃんを保護に至ったわけですが、
わたしの素人目にも見るからに弱り、目もどろん、だったので、
昨日保護できて本当によかったと思い ます。

raimu

これは、保護前のライムちゃん。
いま、預かり先でほっとしているかと思うと、とてもうれしいですね。
自分からキャリーに入り、病院にいっても、もうキャリーから出たくない、
治療が終わったら一刻も早くキャリーに戻りたいって感じで、
いままでの地獄からすれば、ここは天国といった、
先日保護できた、白キジたちと同様の、救われたのがわかる、
そんなほっとした感じが伝わってきました。


それから、おじさんの居住部からちょっと離れた場所に、
廃材やらなにやらで囲って窓もなく、
閉めたら真っ暗の小屋みたいなものを作ってあるのですが、
そこに昨日は、黒猫2匹が入れられており、おじさんが言うには、
雨が降りそうだから入れたとのこと。


中はまっくら、土間になっていてもちろん糞尿でくさく、
キャリーケースが積んでありました。
黒猫の1匹は長毛系のサビ猫 で、この子、もしかしたら、
里親さん募集中のラッキーちゃんの母?(先日この日記にも、
保護前・保護後の写真でアップした、黒サビのかわいい子)
似てる!とい うわけで
オッサンに問いただしたところ、そうだというような 曖昧な返事。
謎です。
わたしは初めて行ったので知らなかったのですが、
SASAのりりーさんのおっしゃるには、
既にこの前から考えても3匹「消えて」いる、
そして事故で死んだと聞かされていた、
ラッキーちゃんの母はこの子?という状態です。

そのサビちゃんともう一匹の黒
(どちらもメスで、ほんとは昨日、この子たちを保護して
避妊させる予定でした)は、
まあわたしがさわった感じはガリガリではなかったのですが、
毛によだれがついており、カリシだということです。
2匹とも、その小屋を開けてやると、にゃーにゃー言って、
びくつきつつも人を慕ってくる感じで、
この子たちも早く保護したく思いました。

rakki-

昨日行ってくださった、外部協力者の方のおっしゃるように、
一応は元気なので、しばらくはまだ大丈夫だ、というのも
そのときは納得できたのですが、昨日家に帰って、
よくよく思い出していましたら、
今頃あの子たちは、あのまっくらな臭い場所に
閉じこめられているんだと思うと辛く、
わたし、夜中に一度目覚めたとき、わんわん泣いてしまいました。
とにかく、避妊はしなければいけないわけで、
早く助けてあげたいですね。


その小屋の向こうは原っぱで、
そこは文字通り死ぬ寸前の子たちがつながれており、
それをSASAの人たちが、これまで1匹ずつ保護してこられたわけです。


でも、昨日なによりも心強かったのが、本千葉のK獣医先生の存在です。
本当に、とても素晴らしい先生で、
過去にも「潮騒の家」というんですか、わたし知らなかったんですけど、
放置されてオオカミみたいになってた犬100匹を、
ボラさんたちと全部世話して、洗ったり治療したり餌やったりして、
ほとんど里子に出せた、という素晴らしいご経験をもつ、
こうした活動に理解モリモリの猛者でした。
その先生が、ライムちゃんを診てくださり、
元気そうに見えても、恐らくその現場のこたち全員、
病気でしょうと判断され、
金曜日に見に行ってくださることになり、
これは大きな一歩前進だと感じました。


わたしの感想は以上です。
それで、やはり一時預かり先、里親さんは必要とされていますし、
保護を手伝っていただける方、
また資金カンパもおおいに必要とされています。
あと7匹、たった7匹の保護が、預かり先が定まらないために
涙をのんで出来ないでいます。

これまでたくさんカンパしていただき、大変助かりましたが、
あとからあとから治療、入院、手術ですので、
もしできる方がおられましたら、カンパだけでも大変助かりますので、
どうぞよろしくお願い致します。

 問い合わせ先
   〒107-0062 東京都港区南青山1-3-6 MBE125
      info@sasajapan.org



■2005-07-25■

千葉のある町に、ホームレスのおじさんが住んで
「一般人」の捨ててった犬猫たちの世話をしているんですけど
みんな病気と衰えに弱り、ノミとダニと自分の糞尿にまみれて
一緒にすると子供ができるからとの、おじさんなりの配慮で
1匹1匹身動きもままならない長さの細紐につながれ
この炎天下、今日も明日も、同じ一日をおなかをすかせて
ガリガリに痩せた状態で生きてます。


SASA JAPANという市民グループの人たちが、この惨状を知って
おじさんを説得し、少しずつ保護し始めましたが
一時預かりをしてくれるお宅がなかなか見つからないので、保護が捗らず、
千葉には、野良を入院・治療してくれる病院さえ見つからず
それでも、どうしても放っておけない状態の子から保護して、
やむなく東京の病院に運んで、入院させています。

実はなな猫とオヤジ、この保護のお手伝いで
先日、千葉から東京の病院までの犬と猫の搬送をしてきたのですが、
既に具合の悪かったフレンチブルの愛ちゃん、
なんども子供を産ませられてブリーダーに捨てられ
弱っていた体に、渋滞もあった車の輸送に耐えられず
車の中で息を引き取りました(T_T)


それでも、オヤジ号泣運転の末に、2匹の病猫は無事に世田谷の病院へ。
この子の顔、見てください。

sasa1

アウシュビッツの床に横たわる囚人さながら、
飢えと病気で死を待っていた白キジちゃん

sasa2

sasa3

病院で世話されて、無表情だった顔にみるみる生気があふれ、
え? 助けてくれたの?って、先生たちの顔を何度も伸び上がって見て、
普通なら嫌がるケージにもすんなり入り、
気持ちいいなあ、新しいおうちかあ、と周りを見回して
笑いました。なな猫、笑顔、見ました(T_T)


この子のほかにも

sasa5


入院中で、退院後の預かり先も決まってない黒白ちゃん、
現場近くの学生さん宅のアパートにいる白い親子、
(お風呂場で生活しており、ちゃんとした預かり宅を急募しております)

足が1本ない猫も、3匹もいるそうです。
どうしてそうなったかは不明。。


こうした活動、野良の保護ということには、賛否両論があると思います。
なな猫自身、自分で飼えないなら拾うな、と言われて育ちました。
世界中の野良たちを保護することなんてできない。
わかってます。わかってますけど
今、この炎天下、やっと息をして、生きてる子たちがいる。
その子たち、生きちゃいけませんか。自然に死ぬのが、摂理ですか。

17

ここで保護された、さび猫のラッキーちゃん(仮名)、
保護時、こんな酷い状態でした。

16

いま、こんなにきれいに、元気で愛らしくなって
一時預かりのおうちで、里親さんが現れるのを待っています。
ラッキーちゃんのように、世話され、愛されて
汚く病気で、目も萎縮していた犬や猫が、
みるみるかわいく、美しくなって、目もまん丸になっていきます。
みるみるです。みるみる美しく、なれるんです。なっても、いいですよね!?


SASA代表、ドイツ人のりりーさんによると、
ドイツにはこういう状態はあり得ない、
つまり、野良動物を保護する、動物シェルターというものがあるそうです。
日本は、一方でペットブームといわれながら
犬に服を着せて歩く風潮が一般的になっているというのに
虐待の悲惨なニュースも後を絶たず
野良たちは、ペット不可のマンション等に隠れて飼われています。
人間のことをまず、それはもちろん当然かもしれない。
でも、たくさんの人たちがボランティアで
いっぱいいっぱいになりながら、寄る辺のない犬や猫を助けているなら
わたしたちの血税の一部を、動物シェルターの設立に用いてもらうべきじゃないか。
それが、りりーさんとSASAのコンセプトです。


どうぞ、一時預かりできそうな方、また治療費・入院費のカンパができる方、下記URLに詳細が載せられていますので、ご覧ください。

  リンクをします



■2006-07-12■


沖縄のJOYくん救出が1年前ということで
連鎖的に思い出した、この1年の数々の毛深いカオたち。

思えば、わたしが「保護」とか「一時預かり」、
そして「里親募集」といった言葉を知り、
そのお手伝いをするようになったのも、
この千葉の犬猫たちに関するSOSが最初でした。



現場で保護された初期の子の中で思い出すのは、
かわいいサビ猫ラッキーちゃん。
この子たちを保護の時点では、まだわたしは関わっていなかった。
くしゃくしゃで、病気で死ぬ寸前だったラッキーちゃん、
神奈川のMさんが預かってくださって、元気になり
よい里親さんを見つけることができました。

こういうことに、まったくの素人だったなな猫とオヤジ、
何かお手伝い出来るかと、
いきなり千葉の現場に行ったわけですが
まず保護したのが
後にFさんちに預かられた、いっくんとゆっくん、
そしてフレンチブルの愛ちゃんだった。

ホームレスのおじさんの住む、大きな歩道橋の下の家で
いっくんとゆっくんはエイズや白血病で、真夏のテントの中、
紐でつながれ、やっと息をしていた。

sasa1

現地で初対面だった、この件の協力者Kさんの保護で
段ボールに詰め込まれ(文字通り)、
車に乗せても、イヤもおうも言わなかった。
衰弱しきって、死ぬのを待っていました。

フレンチブルの愛ちゃんは、東京に帰り着く前に、
力尽きて車の中で息を引き取りました。

愛ちゃんの亡骸


何度も何度も出産させられ
ブリーダーらしき元飼い主に半分捨てられた状態だった愛ちゃん。
そのときは、東京でしか診てもらえる病院がみつからず
リスク覚悟で車に乗せたのでしたが
やはり長時間の輸送には耐えられませんでした。
同乗していたKさんが泣きながら愛ちゃんを抱っこしていました。

病院に連れて行くと、
それまで死んだようだったいっくんとゆっくん、初めてキョロキョロ見上げて
先生や看護士さんたちが身体を拭いたり、
世話してくれるのを
嬉しそうに嬉しそうに見ていました。

sasa3

死んでいたような二匹の目が、文字通り生き返ったのを目撃。
その目は、助けてくれてありがとう!と言っていました。
たしかに、そう聞こえました。

それを見て、ブルの愛ちゃんが車中で死んだとき
ショックが強くて逆に泣けなかったわたしでしたが
初めて泣きました。
泣けて仕方ありませんでした。
ケージに入れたときも、
これまでこんなスバラシイお部屋に入ったことない!って顔で
周りをキョロキョロ見回していました。

sasa5


その後、いっくんとゆっくんは、
いったん猫ボラのYさんが引き取り
これはこのままYさんちで介護か?と危ぶまれていた矢先、
里親覚悟で預かりを申し出てくださったFさんちに引き取られ
世話されて少しずつ元気になっていきました。

Fさんがお勤めから帰ったりすると、
玄関まで迎えに行ってた、味のある顔のゆっくん。

ゆっくん

愛される幸せを知って、
愛されることに自分も返す喜びを知って、
しばらく前に亡くなりました。

いっくんは、爆弾抱えているような体調ながら
どうやら元気で、いまもFさんちで甘えています。

いっくん
  いっくん、鼻、黒いよー(^o^)

そのあとに保護したのが、 キジ虎の子猫ライムくん。
カリシにやられ、全体的に衰弱して、
放っておけば死にそうでした。

raimu

おじさんは、終始保護ということに乗り気ではなかったのですが
「あの子は死にそうだから、もう連れてっていい」ということで保護に成功。

すぐに病院に連れていき、軽く治療してもらったのち、
ピアチェヴォーレビアンカという保護団体のしろママさんが
快く一時預かりしてくださいました。
その間にネットで預かりか里親さんを募集したところ
里親覚悟で預かると言ってくださったのがMさんでした。

カリシという病気にやられていたライムくんを保護するには
ほかに猫を飼っていないお宅か、隔離部屋のある保護宅が必要になる。
うちでは間に合わず、すぐにはそういう場所も確保できず
このときのMさんのお申し出は、涙が出るほどうれしかった。

しろママさんから受け取って、うちで一晩預かったのち
かわいくてかわいくて、うちの子にする~~なオヤジを蹴飛ばしながら
Mさんとのお話を進め、
今ではMさんと旦那様に可愛がられ
レモンくんという名前を付けられた兄弟も出来て
本当に幸せに暮らしています。

レモンとライム


そのあとには、M田さんご夫妻と一緒に現場に行って
3本足の三毛と、茶白のオス、それに長毛系のサビ猫と黒猫、
同時に4匹保護できたのも、
M田さんが預かってくださると言ってくださったから、
そして、ネットでの呼びかけに応じ
Cさんが、ほかの二匹の預かりを申し出てくださったからにほかなりません。
預かり先が決まっていなければ、保護は出来ないのです。

rakki-

みんな紐につながれ、とくにサビと黒は
離れた所に置かれた、下が土間の真っ暗な小屋に
昼も夜も閉じこめられてて

小屋

この子たちを助けられると思うと、
本当に嬉しかった。

三毛と茶白は、ももちゃんだいちゃん、
サビと黒はビビちゃんりりちゃんとして
いま、双方のお宅で幸せに暮らしています。

わたしが直接携わったのはそこまでですが、
一度、おじさんが猫たちを返せ返せと言っていた時期もあり
それをなだめに、Nさんと一緒に現場に赴き
一緒に、おっさんに土下座せんばかりにアタマを下げました。
保護した子たちの写真を持っていって
いまこんなに幸せだからと説得し
おじさんをなだめました。
懐かしい思い出です。

その後、FさんとMeさんが骨折ってくださり
おじさんをなだめたりすかしたりしながら
何度も何度も現地に赴いて説得し
とうとう、おじさんが凶暴凶暴と言っていた黒猫(黒丸)、
ただ一匹、犬として猫たちを守っていたポチ、

poti

おじさんが可愛がっていた、3本足の黒猫(のんちゃん)、
そして、ライムくんのお父さんと呼ばれていた子(レモたん)まで

レモたん
         狭いキャリーに閉じこめられていたレモたん

Fさんが預かったり保護したりしてくださって
一時はF家、大変なことになっていたと。。(^_^;)

いまでは、のんちゃんもレモたんもポチも、

レモたん
         幸せいっぱいっす!のレモたん

やさしい里親さんのもとで可愛がられています。

ちなみに、Fさんたちのたゆまぬ説得により
ホームレスのおじさんは市営住宅入居に応じ
この千葉ホームレス猫の一件は、ようやく幕を閉じました。
いま、おじさんはきちんと暮らしています。

ここまでして、本当に保護でした。
こんなこと、一人の力で出来たでしょうか。
本当に嬉しいです。
これも氷山の一角かもしれないけれど
確実に助かった幾つかの小さな命、
みんなのちからで守られました。

わたしも、たくさんのことを教えてもらいました。
ちょっとしかお手伝い出来なかったけど
幸せになった子たちのカオ、あのカオ、このカオ、
泣いていた顔
無表情な顔
怒っていた顔
そんな毛深い顔たちが、みんな笑い顔になったこと、

黒丸
   おじさんに「凶暴」と言われて疎まれ、離れた所につながれていた黒丸。
   いま、Fさんちでのんびり「ぼえええええ」と鳴きながら、
   里親さん到来を待っています。


そして
この件を通して知り合えた友たちが
わたしの人生の財産になりました。


★追記★

なな猫HOMEでは、この件で
ライムくん・ダイちゃん・モモちゃんの3匹を短期お預かりし
無事素晴らしい里親さんたちを見つけることができました。

またほかの子たちも皆、里親さんが決まり
全頭保護・里親決定にこぎつけました。





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