Laub🍃

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2010.07.11
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カテゴリ: .1次長
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もしなれるものなら月曜絶対殺すマンになりたいものだ。
不安定な大地の上を一歩一歩歩いていく。

「おいこら、それは踏むもんじゃねえだろ…」
「他に足の踏み場がないんですからしょうがないでしょう」

そう言っている先輩だってそれを踏んでいるじゃないか。
俺達の日常。
誰かの日常の屍を踏み越えていくこと。

数十メートル先から聞きなれた声。


ー俺達の、一番の仕事。

「正義、執行」

隊長の正義を、守ること。

隊長が相手の中でも強い奴、位の高い奴を潰すときの口癖。
隊長が青と言えば夕暮れも青くなる。
隊長が正義と言えばそれはもう正義。

隊長が良い性格ならありがたいが、
隊長がイイ性格してやがるとなかなかに大変だ。


しかしそんな隊長でも、居ないと妙に調子が崩れる。



夕焼けの中、俺達の刃と空の色が混ざる。


「え?故郷って、あの…」
「そう。あの、海底炭鉱。いくら上と融通きくっていってもご両親が心配なんだろ。仕事もそこでもっかいやるんだとよ。地上で仕事やってて、金絡みの堕落したことがなくて、身内がそこに居たりそこが出身だったりするとそこそこ安全に入れるらしい」
「えー、でもあの年でか?辛くないっすか?安全つーても肉体労働のメッカでしょあんなとこ。せっかく出世したのにもったいねー」
「俺達も新しい上司のやり方覚え直さなきゃいけないしな。……でも、年くうと、いろんなことを清算したくなるんじゃねえの?特に俺達の仕事じゃ、いつ死ぬともしれない。身体の使い勝手が変わってきたらそれに合わせて住む場所変えるのも一つの手だろ」
「……そっか…そんな考え方もあるっすね。……どんなとこなんでしょうね、海底炭鉱」


空と風の似合うあの人は、海底などで暮らしていけるんだろうか。

「世間では地獄って言われてるけど、地位によってはそこそこ生活ができるんでしょう?」
「やめとけって。興味本位で行った俺の兄貴は帰ってこれなくなった」
「それマジっすか?」
「マジマジ」

でも、そういう危ない所ほど気になっちまうもんなんだよな。
いつか俺が人生の日暮れを迎えたとしたら。

そしたら、行ってみたいもんだ。
最終更新日 2016年07月19日 20時39分42秒

to be continued... ?





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最終更新日  2017.04.30 13:29:04
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