Laub🍃

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2011.09.23
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カテゴリ: .1次メモ
*僕らの村には魔女が住んでいる。
 魔女はその薬の効力以外では蛇蝎の如く嫌われていた。
 何故なら魔女は僕らを利用することしか考えていないからだ。僕ら個人には興味がなく、ひたすら魔女としての向上を図る為にだけ動いているのだ。
 僕の大好きな人が魔女のお気に入りになったけれど、それは体の良い生贄というだけだ。
 僕はあの子を救わなければならない。
 あの子が泣くかもしれないならばそうさせる魔女を生かしてはおけない。

「僕達の村から出ていけ」
「そんなに僕達の体の情報を知って、何に使う気だ。悪魔にでも売り渡すのか?」

 魔女は僕がそう言うと笑顔のまま固まる。ああつまらない。

 やはり魔女は自分のことしか考えていないのだ。

 やはり魔女は誰も愛せないのだ。

 年々僕は刃を拵えている。
 愛のない笑顔に刃を突き立て引き裂く日が来るまで、ずっと。

 村の皆への愛の刃を、拵えている。

 ずっと美しくて、ずっと正しい愛を、僕は拵えているのだ。

 だってほら、刃を突き立てる僕の方が、突き立てられる魔女よりもずっと綺麗な笑顔だろう。





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最終更新日  2017.03.06 01:58:48
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