Laub🍃

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2012.09.28
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カテゴリ: .1次メモ




「改造さーれてー僕だーけにーついてーいくー♪」
「おい」
「今日も走る、助ける、増える、そして」
「聞けよ」
「食べ~られ」
「いいから。そういうのいいから、普通に歩け」
「小さな声聞き逃したらどうすんだ」

「……あ、あの、私、頑張って聞き取るよ」
「いや、いい。お前が気を張らなくても」
「頼もしいね!君は助手2号だ、勿論1号は田中君だね。あ、でもそれだとどの田中君にすれば」



 4人に分裂して数日。俺達はあちこちでドンパチやっている中を、幼女――木鈴と名乗った――を守りながら、不可抗力で佐藤も守りながら進んでいる。数年前から少しずつ増えていた怪物による事件は、今ではもう怪物対人間大戦争にまで発展しかけている。

 数日前、俺も怪物退治のドンパチに巻き込まれて意識を失って、気付いたら佐藤に拉致されていた。それを考えると、佐藤も一応命の恩人……と言えなくもない。観察する間もなく再生してしまうと物凄く残念な顔で見てきたり、逆に毒で再生が遅れてると悪鬼のような笑みを浮かべるのは本当にどうにかしてほしいが。


 ……さて、この数日間で「俺」は、少しずつオリジナルの「俺」から分離してきた。俺とは違うタイミングで話したり、違う作業をしたり、恐らく少しずつ違う考え方をしたりしている。
 今こう考えている俺だって、分裂する前の最初の「俺」からは変わっているんだから、俺達全員が新たなオリジナルと考えるべきなのかもしれない。

「研究所がまた壊滅してる」



「火事場泥棒しましょう」
「……生きてる人間の確認のほうがメインだろうが」

 よく佐藤に反応している田中。

「私、ついていっても大丈夫?」
「構わない、というかついてきてくれないと困る」

 木鈴をよく守ろうとしてる、数日前木鈴を最初に抱き締めて敵から助けた田中。
因みにこいつは俺と一番最近分裂した奴だ。

「じゃあ行くか」

 いつの間にかまとめ役っぽくなっていた田中、つまり俺。


 観察眼田中と突っ込み田中とリア充予備軍田中がそれぞれ少しずつ異なる表情で、頷いた。











@@@


リーダー田中はちょっと疎外感を感じていたり






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最終更新日  2015.06.12 04:00:57
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