2011.04.10
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カテゴリ: 籠球
11年前、とても苦い記憶がある。

オリックス史上最高の生え抜きスターであり、
被災地・神戸において“復興のシンボル”として、
優勝にまで導いた男が、メジャー移籍を表明したのだ。

その意向は、随分と前から明らかになっていたが、
決定となると、かなり動揺した。

だって……、イチローだぞ?

あの時は本当に未練タラタラだったなァ。

神戸でのラストゲームは辛くて直視できず、

ファンの大歓声で翻意しないかと願っていた。

いやあ、恋愛では一番カッコ悪いパターンね。

最終的に、何とか気持ちを立て直したわけだが、
それを可能にしたのは“時間”と、
「移籍先が海外」という“言い訳”だった。

要は、オリックスに害を加える存在ではないと。

もしも国内にFA移籍していたら……、
可愛さ余って憎さ百倍となっていただろう。

そんな葛藤をこの半年、存分に味わった市民がいる。

米国のクリーブランド。
NBA・キャバリアーズのホームタウンだ。


或いはそれ以上のスターをFA移籍で失った。

レブロン・ジェームズ、今年12月で27歳。

高校時代から全米の注目を集め、
当時既にナイキとは7年100億円以上の超大型契約。

2003年、全米ドラフト1位で指名されると、

その後もシーズンMVP2度、
オールスターMVP2度、得点王1度、
五輪金メダルなど、歴史に残る選手となった。

万年下位だったキャブズを、レブロンは変えた。
チームの成績を急激に上昇させ、
07年には遂にファイナルにまで導いた。

そんな絶対的存在“キング・ジェームズ”が、
全盛期の真っ只中に街を去るというのだ。

しかも、それまでは残留も仄めかしていたのに、
去就を発表するために組まれたテレビ特番で、
散々焦らされた挙句……、グッバイ。

移籍先はマイアミ・ヒートだった。

チームの看板はレブロンに匹敵する実力者、
ドウェイン・ウェイド。更にこのオフ、
ヒートはトロントの看板である
クリス・ボッシュの獲得までも成功させていた。

レブロンも含めると、大豊作と言われる
03年ドラフトで上位指名選手が3人!

澤村、大石、佑ちゃんが1チームに揃うより
凄いことである。

ヒートはこれで、年間72勝という最多記録の
更新を期待されるほどの強豪になった。

一方、レブロンの抜けたキャブズというと、
これといった大型補強はないまま……。

優勝に手が届く位置から一転、再び弱小に。

市民はもちろんだが、オーナーも怒った。

例えば、それまで99.99$で販売していた
レブロンのジャージーを17.41$に大幅値下げ。

これは1741年に由来した価格設定で、この年は、
米国で“裏切者”の象徴とされる独立戦争時代の軍人、
ベネディクト・アーノルドが生まれた年だそうだ。

そして10月、シーズン開幕。
キャブズは、かつてない苦難の道を歩む。

弱い。弱い。弱い。弱い。弱い。

12月半ばからは、とんと勝ちから見放され、
その状態が2ヶ月もの間続いた。

なんと、悪夢の26連敗。

これは、NBAでワースト記録、
北米四大リーグでワーストタイ記録だった。

30チーム中16チームが出場できるプレーオフも、
勿論、早々に進出が絶望的となった。

嗚呼、不憫すぎるクリーブランド市民。しかし。

先月30日(日本時間)、@クリーブランド。
キャブズvs.ヒートの今季4度目の直接対決。

ここまでキャブズは3戦勝ちなし。
下馬評はやはりヒートの圧倒的有利だった。

第1Q、24対24の同点。

第2Q、29対18とキャブズ11点リード。

第3Q、22対28とヒートが追撃開始。

ここまでの得点、75対70。
しかし、ヒートにはレブロン、ウェイドという
第4Qに滅法強いエース級が2人。
シュート2本分のリードなど、ないに等しい。

はたして……?

第4Q、27対20。

レブロンには大ブーイングの中、
27得点、12アシスト、10リバウンドと
トリプルダブルをマークされたが……。

キャブズが奇跡の勝利を挙げたのである。

試合後、バイロン・スコットヘッドコーチは、
ロッカールームに引き揚げる際、
笑顔で警備員1人1人と拳を合わせ、
喜びを噛み締めたという。

ファンも大いに溜飲を下げた。

今季、泥沼だったクリーブランドは、
ほんのちょっとだけ救われたのである。

☆☆☆

因みに、NBAでは近年、
生え抜きの大物=フランチャイズ・プレイヤーが、
他球団に移籍するケースが相次いでいる。

やはり、大都会のチームが人気で、
戦力が偏らないように、一部のオーナーからは
ある制度の要望が挙がっているそうだ。

フランチャイズ・プレイヤー・タグ。

これは新労使協定で導入が検討されているもので、
チーム側が毎年1人のFAを指定して、
プロテクトすることで流出を防ぐというもの。
NFLでは既にお馴染みの制度となっている。

但し、選手側は移籍の権利を奪われるわけで、
制度を成立させるには、プロテクトできる年数を
制限するなど、クリアするべき問題も多い。

結末は、はたして?

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Last updated  2011.04.11 09:51:17
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キジー @ Re:乱戦(06/09) 完全に油断していた。ご無沙汰である。 こ…

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