日本語で話そう

August 15, 2016
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カテゴリ: スイス旅行
十四日目

この日は最初にヨーロッパ最高峰の展望台マッターホル・グレシャー・パラダイス3,883mまで幾つかのロープーウェイを乗り換え、中継ポイントを通って一気に登る。
ツエルマットからわずか40分で富士山より高いところに行くのである。高山病にならないように、水を飲んで、何回も深呼吸した。
ブータンのタクツアン僧院3,000mに一気に歩いて登った時は降りてから頭が痛くなって寒気がした。多分あれが高山病。恐ろしや。

森林限界を抜け、草地帯を抜けると無味乾燥地帯。ねずみ色の殺伐とした世界、そして流れ落ちる氷河の上をロープーウェイが飛び越え、白銀の雪の原。

テオドール氷河支流
テオドール氷河支流 posted by (C)灰色ウサギ


中継点には展望台の表示の他にイタリアという表示があった。展望台からそのまま行けばイタリア国境なのである

我らそのままハイキングするつもりで、ハイキングスタイルに防寒着。しかし多くの乗客はスキー靴にスキーを担いでいる。その他にリュックにアイゼンをぶら下げピッケルとザイルを括り付けた人たちも乗っていた。

ロープーウェイ駅から展望台にエレベーターと徒歩で登る。息切れがした。


ツエルマットに来てから気がついたのだが、山のあちこちに小さな教会やキリスト像が有った。人々がこの美しい山々に畏怖と敬意を抱いていた事がよくわかる。そしてマスールやシスターが普段のスタイルのまま登山靴とストックを持って山に登る姿を何度か見掛けた。きっと山の教会に登るのだろう。

マッターホルン・グレシャー・パラダイス
マッターホルン・グレシャー・パラダイス posted by (C)灰色ウサギ


ロープーウェイの駅のトンネルを出ると銀世界。すぐスキー場。



マッターホルン・グレシャー・パラダイスのスキー場
マッターホルン・グレシャー・パラダイスのスキー場 posted by (C)灰色ウサギ


寒い。
そして目を先にやると、陽に輝いて光る白銀のブライトホルンが見え驚いたことにそこへと続く一本道を何人かが列を作って進んでいくのだった。その山頂は雪庇でどんと大きく切れている。
歩く人は恐らくガイドとザイルで体を結んで歩いている筈。クレバスのある危険な道。長閑に見えるけれど。

ブライトホルン4,164m
ブライトホルン4,164m posted by (C)灰色ウサギ



スキーも雪渓歩きもしないご隠居とウサギはここでは異端者。
さっさと展望レストランに戻り静かなレストランでフランスの方に見えるモンブランを見ながら、コーヒーと洋梨のタルトを食べた。
モンブランケーキを食べたかったけどなかった。


モンブラン
モンブラン (C)灰色ウサギ

そしてまた異世界からカラカラ乾燥世界を通り越して草の生えるシュバルツゼーまで戻り、ロープーウェイを降りた。
ここからはマッターホルン登攀と技術3のヘンリ小屋を目指す登り登山道とマッターホルンの北壁を見ながらツエルマットに下る3時間、技術1、体力4(!)のハイキングコースと2コースに分かれる。
体力4!知らなかった。今書いていて気がついたのだが道理でいつまで歩いても着かないわけだ。

あ、もちろんウサギたちは迷わず下りコース。

シュバルツゼー
シュバルツゼー posted by (C)灰色ウサギ



歩いている人はほとんどいない。周りに高い山が列ならないマッターホルンの後ろ姿は孤高だ。

シュタッフェルへの道
シュタッフェルへの道 posted by (C)灰色ウサギ

途中道を間違えて戻ったが丘を下ると森の入り口に素敵なレストランが有った。
休憩。居心地が良すぎてハイキングはどうでもよくなってしまう。しかし帰る交通機関がないのでまた歩き始める。

ツムットヘ
ツムットヘ posted by (C)灰色ウサギ

花の中の一本道を進むと行く手には小さな小さな村が現れた。ツムート。

ツムートの村
ツムートの村 posted by (C)灰色ウサギ

10戸ほどの村の家のほとんどが小さなカフェかレストラン。レストランで食事をする人の間を通り抜けると村を抜ける。村外れに「さよなら」の文字が。

ねずみ返し
ねずみ返し posted by (C)灰色ウサギ

村を出たところの丘の上に鼠返しの穀物小屋が有った。地震のある日本では考えられない建築。これじゃネズミじゃなくても登れない。

長い長いハイキングの一日だった。





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Last updated  August 15, 2016 06:45:42 PM
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