再選された東京都の小池知事は政府の新型コロナウイルス対策を担う西村経済再生担当相と都内で会談したが、東京都の新宿区長と豊島区長も同席し感染者が目立つ「夜の街」の対応を協議したという。接待を伴う飲食店の協力を得ながら対策を強化することで合意したそうなのだが、西村経済再生担当相は非公開の会談後に記者会見し PCR 検査の拡大や消毒等の徹底などの必要性を改めて強調し、「濃厚接触者は症状がなくても幅広く検査を受けてもらい、二次感染を防ぐことが何よりも大事だ」と述べたという。濃厚接触者の把握には感染者の話が一番大切になるkとから調査に協力をお願いしたいというが、都内の感染者数増加については「緊急事態宣言を直ちに発出する状況ではない」と述べたそうなのだ。
風俗店党「夜の街」に通っていることを家族らに隠す男性は多く、聞き取り調査に携わる行政関係者は「 2 次会、 3 次会に行ったとは言うけれど、店名になると口を割らない」と話している。感染者のクラスターの接点は夜間に営業する飲食店に複数でそこから家族や会社の同僚らに広がったとされるが、そのうち福井市のある飲食店では男性客 10 人と女性従業員 2 人が感染した。この店ではボックス席で女性従業員が接客していたという。利用したことがある 50 代男性は「かなり密着していて、女の子が入れ代わり立ち代わり隣に座った。感染しやすい狭い空間だった」というし、元従業員は「夜の店は特殊。マスクをして接客する発想はない」と話し営業スタイルも感染を広げた一因とみられている。
聞き取り調査に携わる行政関係者は「飲み歩いていたけど、店は分からない」といった回答もあったそうなのだが聞き取りに強制力はない。仕事上会食などの機会も多い大手企業の幹部は「夜の街には家族にも言えない秘密がつきもの。その秘密が、感染拡大を阻止する上での壁になってしまっているのではないか」と話しているそうで、行政側も証言が得られず濃厚接触者を追い切れないもどかしさがにじんでいるという。臨時の記者会見を開いた小池知事は新たな感染者の多くが 20 ~ 30 代の若年層や「夜の繁華街」関連になっている傾向や、新宿や池袋など特定エリアでの集団検査で目立って増えている「都民の皆さまには夜の街・夜の繁華街への外出はお控え頂きたい」と述べたそうなのだ。
都内随一の歓楽街の歌舞伎町にはホストクラブだけでも100を超える店があって数千人が働いているというが、保健所などの公的支援だけでは現場に合わせた周知が及ばないし、実際に訪れた店舗に入るとコロナ対策として靴の消毒や入り口での検温を行いテーブルにも液体アルコール消毒スプレーが置かれ、政府のガイドラインに従い感染を起こさないことに気を配っていることが分かるという。しかし実際に店舗を回ると医師からは多くの改善点が指摘されたそうなのだが、それもガイドラインなどには書いていない「ちょっとしたこと」という。だがそれが感染予防には実に重要な情報で、感染について相手の視点で基本情報を伝えなぜその対策が必要かを示すと、店側は実効性と有効性に納得するからこそ行動に移すというのだ。
夜の街のクラスター発生が止まない理由は環境要因が大きいとされるが、科学に基づく適切な対策を伝えるリスクコミュニケーション不全も大きな原因にあるという。政府が打ち出した「密閉・密集・密接」を避ける3密回避や「新しい生活様式」など市民生活へ踏み込んだ対策を指示した割に、細かすぎて逆に伝わっていないといわれている。市民が腑に落ち自らが納得して行動を変えるというリスクコミュニケーションが不全を起こしているというのだ。多くの市民が感染拡大抑制に協力していると感じる一方で根本的な感染症対策が伝わっていないため、ある場面では徹底した感染予防を重視するあまり市民生活に負担と制限がかかり過ぎで、別の場面では逆に根本的な対策がおろそかになりがちになっているという。
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