故野村監督の名言に「勝ちに不思議な勝ちはあるが、負けに不思議な負けはない」というのがあるが、私の応援している中日ドラゴンズの敗戦は「バカ与田采配」の結果だとしか言いようがない。まずは新型コロナウイルスの特例で広がった1軍出場選手登録の枠もまったく生かしきれなかったことから始まるのだが、今季は一軍登録メンバーが「29」から2人増えて「31」になっているのに対し試合前の中日は29しか登録していなかったという。抹消された吉見の代わりとして1軍に合流した先発候補の勝野投手を差し引いても、残り一人枠分の野手を2軍から補充する手もあったのだ。これについても与田監督は「あと1人何とか予備のために置いておくこともしなかったので、そういったことも含めて監督責任」と頭を下げたという。
監督がバカなら選手もアホで、1回の福田選手の内野ゴロでのダブルプレーはまだ仕方がないにしても、2回の京田選手の三振ゲッツーはいただけない。ワンアウト1ルイ・2塁のチャンスで制球に苦しんでいた相手投手のボール球を振って三振するとはヤクルトすわろーづの10回の攻撃を手本にしてもらいたいものだ。3回の攻撃では先頭打者でレフトオーバーのヒットを打った木下捕手のチンタラ走ってシングルヒットにしかならなかった走塁もいただけない。次の打者である柳投手のバントで二封されたのだが、これがワンアウト3塁になって上位打線に回るといたら先取点の大きなチャンスだったのに残念でならない。これで先発柳投手の 7 回 10 奪三振 1 失点の力投も報われなかったのだ。
中日ドラゴンズの野手を全員使い切るという超総力戦の中で、キューバ出身の「マルティネス・バッテリー」が実現したのは 9 回だったが、支配下登録され巨人 3 連戦でデビューしたアリエルが 7 回に代打出場しそのままマスクをかぶって、 9 回からライデルが登板してなんとか無失点で切り抜けていた。延長 10 回は 4 番手岡田投手が 2 死満塁からプロ15年間でわずか9打点の井野捕手に勝ち越しの押し出し四球を選らばれて勝ち越しを許してしまった。カウント3ボール1ストライクから岡田投手の内角の139キロを見送った井野捕手は打席で「ヨッシャー」と叫んだという。ヤクルトスワローズのベンチには嶋捕手も荒木選手も残っていたが、高津監督は代打を送らずに井野捕手を打席に送り大きな1点をもぎ取ったというのだ。
最後の攻撃となる延長10回に突入し先頭の遠藤選手が中前打で出塁し一死後に高橋が右前打を放って一・三塁とチャンスは広がり、平田選手が右飛に倒れたがここでも遠藤選手がタッチアップをせずに同点機をなくしたのだ。この日は4打数無安打だった京田が申告敬遠で歩かされ二死満塁と願ってもいないチャンスが訪れ、今季は特別ルールにより延長戦は10回まで。中日としては最低でも引き分けに持ち込みたかったはずだ。しかし、二死満塁の絶好機に打席が回ってきた岡田投手の代打はなぜか三ツ間投手で結果は空振り三振に終わった。逆転サヨナラ勝ちもあり得るシーンで投手が代打に送られたのは、加藤捕手と岡田投手を入れる打順を言い間違え9回終了時に野手を使い切っていたからだったのだ。
試合後の与田監督は問題の場面を振り返り「加藤と岡田のところをね、それは完全に僕のミスなので、1人残しておかなきゃいけないところをちょっとね。交代を迷ってしまったのが、こういう結果になってしまったので。野手が全部いなくなる中で、残すつもりでいたが、最終的に判断を誤ったというところです」と意気消沈だったという。そもそも問題なのは9回終了時のバッテリー交代劇で野手を使い切るにしても、岡田投手と加藤捕手の打順を入れ替えるなり加藤を温存しておけば防げたミスだったのだ。野手を使いきって最期の打者が投手というチームに戦術ってあるのかということなのだが、ドラフト時にしか存在感しかない「バカ与田采配」は万年 B クラスが似合う戦い方そのものなのだ。
キーワードサーチ
コメント新着