SAC.COM

2017年06月19日
XML
カテゴリ: 航空&ミリタリー
 MS-21の直接的ライバルはボーイング737MAX-8やエアバスA320neo。
 輸出を前提しており、MS-21は価格をボーイング737MAX-8やエアバスA320neoより15%安く設定している。
 だが、米・FAAのハードルは高い。
 日本のMRJと同じく、FAAの型式認定を前提に飛行機造りをしないと認定を受けることは難しいとされる。



 MS-21 (ロシア語表記 МС‑21)は統一航空機製造会社(UAC)配下のイルクートとヤコブレフが開発した双発中短距離ジェット旅客機。
 150-212席で3モデルが計画されている。
 2005年からは開発にツポレフも参加。
 ロシア国内向けエンジンはアヴィアドヴィガーテリ PD-14を搭載予定。
 輸出を前提としているので、アビオニクスについてもハネウェル、タレス、エルビットなどの国外企業を活用している。



 2016年6月8日、ロールアウト。
 MRJと同様、米FAAの型式認証を得ることが、世界の空で闘うためのパスポート。
 焦点:
 2017年 06月 2日 ロイター
 今月初飛行に成功したロシアの新型ジェット旅客機は、米ボーイングと欧州のエアバスによる2大支配に挑むには苦戦を強いられるかもしれないが、未来のジェット旅客機に大変革をもたらす可能性がある。
 ロシアの統一航空機製造会社(UAC)が開発した単通路型旅客機「MS21」は、高コストのオートクレーブと呼ばれる複合材硬化炉を使わず、軽量の炭素繊維複合材で造られた主翼で飛行する初の旅客機だ。
 同機は、複合材を用いた航空機建造において、より安価で早い方法を探し求める欧米ライバルたちがすでに検討しているテクノロジーの試金石となると、航空業界の幹部やサプライヤーらは指摘する。
 ボーイングは次期大型旅客機「777X」向けの主翼を製造するのに世界最大のオートクレーブを建設したが、最もよく売れている737型小型機と大型機の中間に位置づけされる新型中型機(NMA)の選択肢を模索している。

 「NMAの一部がオートクレーブを使用せずに製造される可能性は十分ある」と、同プロジェクトに詳しい人物はこう話した。
 ボーイングの広報担当者は中型機の市場機会を研究中だとし、詳しくは語らなかった。
 関係筋によると、NMAに使用するテクノロジーとしてボーイングが何を選択するかは、2030年以降に登場が見込まれ、今世紀後半になっても残るであろう次世代の737型機の基礎を築くものになるという。
 ボーイングはまだ明らかにしていないが、業界筋によると、戦略のなかには座席数160-210席のジェット旅客機3機が含まれ、NMA開発で使われるのとほぼ同じ製造システムで建造されるという。
 どちらも30年にわたり建造され、さらに20-30年間就航する可能性が高い。
  …(略)…



 ボーイングのドリームライナーとエアバスのA350型機には、樹脂を含浸させた「プリプレグ」と呼ばれる炭素繊維が使われている。
 機体の部品として使われ、巨大なオートクレーブで加工される。
 専門家によると、こうした部品の製造コストは、アルミニウムと比べ、30-40%程度高いという。
 一方、オートクレーブを使わない新しい技術では炭素繊維織物基材を積層し、真空圧で樹脂を注入する。
 その後、加圧せずオーブン内で硬化させるこのプロセスは金属よりも25%のコスト増が見込まれるため、最終的には、この増加分を大幅に減らすか、なくす必要がある。
 造船会社や風力発電メーカーは何年もこの技術を使用している。航空業界でも、主要ではない部分の部品では同技術が使われていた。
 カナダのボンバルディアが自社の「Cシリーズ」で同技術を一部使用していたが、ロシアの新型機が主翼で採用するまで飛行に必要不可欠な部品で使われることは珍しかった。
 …(略)…
【MS-21の特徴】
・軽量。
・TsAGI開発の効率的な空力特性。
・3.81mのワイドキャビン。
・低騒音(累積マージンノイズ15EPNdB)。
・ヘッドアップディスプレイによるパイロットの負担軽減。
 軽量化のため構造部材に炭素繊維複合材を多用。
 高アスペクト比でスーパークリテイカル翼型を採用した主翼は、中央翼部分を含め、複合材製。
 尾翼も複合材。
 中央翼と主翼パネルはUAC傘下のエアロ・コンポジット(AeroComposit)部門が製作する。
 オートクレーブ(高温焼結釜)を使わず、新製法「真空吸着法(vacuum infusion process)」で製造しコストダウンをはかる。

 西側専門家を驚愕させた
 新型旅客機「MS-21」の技術的優位性
 渡邊 光太郎
 2016.2.17(水) JB PRESS


A-VaRTM(真空補助樹脂注入成形)材料
 A-VaRTMの開発』
 東レ株式会社





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年06月19日 18時00分05秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

Ta152R

Ta152R

お気に入りブログ

新名神高速道路 土… New! nkucchanさん

源氏物語〔12帖 須磨… New! USM1さん

新型車検証 New! 越前SRさん

English speech Nove… New! maki5417さん

以前にもアップした… New! 為谷 邦男さん

コメント新着

maki5417 @ Re:コメ 品薄の構図、値上げの秋(09/09) 需給ギャップは20万トン程度。 6月頃か…
maki5417 @ Re:福島原発の核燃料デブリ取り出し…着手できず作業中止(08/31) 核燃料デブリ取り出し 元請けから下請け…
maki5417 @ Re:香川産 養殖鮭に注目(07/07) 外国のように船ごとの漁獲高制限をしない…
maki5417 @ Re:星野リゾートトマム 施設売却(07/05) 中国に買われていたとは知りませんでした…
maki5417 @ Re:中国 重要閣僚解任連鎖 農村農業省(05/22) 5%成長は、立派だと思います。 少子高齢…

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: