全10件 (10件中 1-10件目)
1
厚生労働省の2022年「人口動態統計」によると、離婚の全体件数は17万9099組で減少傾向にあるものの、ピークだった2002年(28万9836組)と比較して約4割も減少している。 「同居期間20年以上の夫婦」の離婚に着目すると、その数は3万8991組。全離婚件数に占める割合は23.5%で、前回調査から0.8ポイント上昇。つまり、いわゆる「熟年離婚」は増えているということ。 熟年離婚の原因、男女別ランキング・第1位 妻「夫が家事を手伝わない」 夫「妻が年金生活に不満を言う」・第2位 妻「夫からの心ない言葉」 夫「妻が自分の親の世話をしたがらない」・第3位 妻「夫からの感謝の言葉がない」 夫「妻に自分の趣味を否定される」 「熟年離婚」、「定年離婚」などは昔から聞いていた。「夫と同じ墓に入りたくない」などの見解も耳にした。 「死後離婚」という言葉は下記の記事で知った。 「死後離婚」とは、夫の死後、「姻族関係終了届」を役所に届出ることで親戚等との関わりを絶つことを指すという。 その主な目的は夫の死後義父母と関係を断つことにあるらしい。 死後離婚した50歳理不尽な義父母とは「もう関係ない、と言える」「お墓も思い切って……」オールアバウト 2024年9月2日 22時5分 産経新聞で「死後離婚が増加傾向にある」と報じられた。筆者自身も、周りで夫の死後に「姻族関係終了届(=死後離婚)」を自治体に提出した女性たちが増えてきたと感じている。「死後離婚」とは? メリット・デメリットは…… 通常は、夫が亡くなっても夫の親戚等との関係は変わらない。だが姻族関係終了届を出せば、配偶者だけは夫の親戚等との関わりをなくすことができるのだ。 子ども(義父母から見れば孫)と義父母の関係は「終了」できない。 死後離婚したところで、配偶者の遺産に対する相続権や遺族年金の受給には影響がない。だから特にメリットもデメリットもないと法律の専門家は言うが、いちばん大きいのは残った妻の心持ちだろう。 50歳女性が「死後離婚」を決意した理由 ミドリさん(50歳)は、10歳年上の夫を3年前に亡くした。結婚したのは彼女が38歳のとき。彼女は初婚だったが、当時48歳の夫には高校生のひとり娘がいた。最初の妻は娘が小学生のときに病気で亡くなっていた。 「高校生は多感な時期だから、結婚するつもりはなかったんです。でもさばさばした娘で、私と彼が付き合っていると知ると、『お父さんの死に水をとってやってくださいよ。私は面倒見られないから』って。 娘とは2年ほど一緒に暮らしました。大学入学と同時に娘は家を離れた。でもよく帰ってきたし、私が娘に会いに行くこともあります。今でも仲がいいんです」 その後は夫婦ふたり暮らし。夫の両親が車で30分ほどのところに住んでいたため、ミドリさんは仕事をしながら義父母のことも気にかけていた。 「義父母に嫌われたくなかったし、せっかく縁があって義理の関係になったのだから、義両親を大事にしたつもりです。でも夫は生前、よく『あんまり甘い顔をしなほうがいい』と言っていました。自分の両親ながら、『金に汚い』『すぐたかろうとする』と手厳しい言い方をしていたんです」 夫が突然の余命宣告、義両親の不思議な反応 夫が病に倒れ、3年ほど闘病している間も、義両親は「私たちだって具合が悪いんだから、車を出してほしい」「お金を貸してほしい」とたびたびミドリさんを頼ってきた。できることはしたが、夫からは「親と関わらなくていいから」と言われていた。 夫は必死で生きようとしたが、余命半年を宣告されてしまう。ふたりで夫の両親のもとを訪れ、そのことを伝えると、両親は「そうか」と言ったきりだった。 「ショックが大きくて言葉が出ないのかと思っていたら、その翌日には、お金を貸してほしいと私に連絡があって。かわいそうで夫には言えませんでした、そんなこと。それを機に義両親とは距離を置きました」 夫が病院で亡くなったとき、ミドリさんはすぐに義母に電話をした。義母は「わかった。あなたのほうで全部やってちょうだい」とだけ言って電話を切った。実の親子なのに、面倒なことはしたくないといった感じだったから、ミドリさんは2度と義両親と連絡をとるまいと決めた。 夫の葬儀後、義両親は「保険金をよこせ」と 通夜や葬儀には義両親も参列したものの、葬儀が済むと義母は「息子の保険金があるでしょう。半分寄越して」と言いだした。 保険の受け取りは妻のミドリさんである。親に分ける義理はない。 「夫の闘病でかなりお金がかかりました。働けない期間も長かったし。それまでにも義両親には結構持っていかれていた。夫の生命保険なんて微々たるものです。それすら持っていこうとするなんて……。渡す義理はないんですが、もうこれ以上、関わりたくない。本当にそう思いました」 そんな時に、友人から姻族関係終了届というものがあると聞いた。それを自治体に出したところで、夫との関係が変わるわけではない。遺産や年金も受け取れる。ただ、義父母の理不尽な言い分からは逃れられる。「もう関係ないですから」ときっぱり言える。そう思った。 「姻族関係終了届」を役所に提出した結果 「役所に届を出したとき、体中から力が抜けました。あの義父母からようやく離れられる。そう思った」 だからといって夫の遺産が十分にあるわけではなかった。借家だった家を出て、自分の名義で小さな中古マンションを購入した。頭金だけは夫の保険金を使ったが、あとは自分で返済していくつもりだ。 ― 引用終わり ― 死後離婚は相続や遺族年金には影響はないので、経済的なデメリットはおおむねないと考えられる。【メリット】・配偶者の両親や兄弟姉妹の扶養義務の可能性をゼロにできる・祭祀承継者にならずにすむ・配偶者の両親との同居を解消しやすい・生前に仲の悪かった配偶者との関係を断ち切れる【デメリット】・子どもや配偶者血族との関係が悪くなるおそれがある・亡くなった配偶者の法要への参加が難しくなる デメリットは精神面ではメリットの場合も多く考えられる。
2024年10月10日
コメント(0)
日本での自家用車の使用年数(車齢)は10年を超えつつある。 自家用車は家よりは安いが、比較的高価な耐久消費財とされている。 世界では日本ほど自動車を長く、安定した状態で使用することを望む人ばかりではないようだ。 下記は高額な欧州車や日本車ではなく、中国車を選ぶ理由が記されている。最新の技術が用いられている自動車を欲する人には、中国車が向いている。 私が日本車ではなく中国車を選んだ理由―南アフリカ人レコードチャイナ 2024年9月17日、中国メディアの環球時報は南アフリカの自動車オーナーによる「私はどうして中国の自動車を選んだのか」と題した南アフリカメディアの文章を掲載した。 文章は、ある南アフリカ人が「最近、1年乗ったスズキの車から奇瑞のOmoda C5に買い替えた」と明かし、車を買い替えた理由について「スズキの車に問題があったわけではない」とした上で、妻とOmodaのディーラーに行った際に一目ぼれし、試乗したところ所有したい思いが強まってその場で購入したと語ったことを紹介した。 そして、この人物が「中国ブランドが既存ブランドからシェアを奪っていることは決して驚くことではない。デザインが良く、丈夫で性能も優れており、高級なドイツ車でしか見られないような各種付属品や機能まで備えている。Omodaを選んだのも、ソニーの音響システムを採用していることが大きかった」とした上で、最も訴求力があったのは価格だと指摘し、同様のスペックであるBMW1シリーズが70万ランド(約570万円)なのに対し、Omodaは47万ランド(約380万円)と3割以上安いと明かしたことを伝えた。 さらに、Omodaは趣のある外観をしているほか、大部分の機能には音声制御が搭載され、内装も非常に豪華だと説明。メーターパネルもデジタルディスプレー化して必要なデータがすべて提供されるほか、グーグルマップや音楽とのリンクも簡単で、音声で指示をすればハンズフリー通話も気軽にできるなどと紹介したことを伝えた。 ― 引用終わり ― 古くなったり壊れがちになったら買い換えるのであれば、外観が先進的で、ユーザーインターフェイスが豊富な最新の中国車は、有望な選択肢になる。 古くなったり、壊れがちになったら、新しい車を購入すればよい。購入資金に不自由しないお金持ちなので、車の売却価格は気にならないはずだ。 環境保護を踏まえてライフサイクルコストを考える人、同じ車に不都合なく長期間乗り続けたい人、最新のメカニズムを重要視しない人、中古車価格が気になる人は、中国車を選択しない方がよい。
2024年10月09日
コメント(0)
米テスラの2024年4〜6月期の世界販売台数は、前年同期比4.8%減だった。24年1〜3月期も同8.5%減と、ここにきて販売の減速傾向が鮮明になってきた。 世界各国の自動車メーカーの中にもEVの生産を縮小、生産能力拡大を延期して、ハイブリッド車(HEV)を増産するところも出てきた。 米国ではアーリーアダプター層によるEVの需要は一巡したとみられている。 ドイツでは新型コロナウイルス対策で残った予算を転用してEV購入時の補助金にしてきた。これが違憲との判決が出たことで23年12月に補助金を停止。販売台数が大幅に鈍化した。 欧州全体は欧州自動車工業会によると、1〜6月のEV販売は前年同期比1.6%増、伸び率は前年の45.0%増から大幅に低下した。EV購入時の補助金を廃止したスウェーデンやドイツではマイナスに転じている。 自動車のナンバー取得で有利な中国では、EVの需要は続いているが、EVの野放図な低価格化とハイブリッド車の増加傾向が続いている。 電気自動車が世界で失速…巨額投資に見合わぬ販売実績ベンツやボルボが計画断念日刊ゲンダイDIGITAL 2024年9月12日 9時26分 「EV(電気自動車)失速」が世界の自動車大手を揺さぶっている。 独メルセデス・ベンツは2030年としていた「完全EV化」計画を撤回。同じく30年までに「全ての新車をEVにする」としてきたスウェーデンのボルボ・カーも構想断念に追い込まれた。 米ゼネラル・モーターズはミシガン州の工場でのEV投資を2年間凍結。フォード・モーターは大型SUVのEVモデル開発を取りやめる。系列部品メーカー筋によると、トヨタ自動車も26年で150万台としてきた世界EV生産台数を100万台に下方修正したという。 業界関係者らにひときわ衝撃を与えたのが独フォルクスワーゲン(VW)だ。ドイツ国内の生産拠点の一部閉鎖を「検討する」というもので、実施されれば1937年の創業以来初。2029年末までの従業員に対する雇用保障契約の「破棄」すら辞さない構えだ。 VWはディーゼルエンジンでの燃費不正問題が発覚して以降、ひたすらEV化に舵を切ってきた。21年には向こう5年間の総投資額の6割に当たる14兆円超(890億ユーロ)をEV関連領域に振り向ける方針も打ち出した。しかし、巨額投資に見合うだけの販売実績を挙げられず、コスト削減を余儀なくされた格好だ。 同社はドイツ国内に完成車6工場、部品4工場を抱え13万人を雇用している。閉鎖対象となるのはこのうち「少なくともそれぞれ1工場」(首脳)とされ、現地では、傘下ブランドのポルシェやアウディに比べ相対的に収益力が劣る「VWブランド車の工場が標的になる」とも取り沙汰されている。無論、組合側は猛反発している。 ― 引用終わり ― EVは、充電設備などのインフラが十分整っていないこと、より高価にもかかわらず、エンジン車に比べ、1度のフル充電で走れる航続距離が短く、酷暑・酷寒でバッテリー性能が大きく低下するなどが弱点となっている。 高価なEVの販売が失速する一方、電池切れでもエンジンで走行できるPHEVや、ハイブリッド車(HEV)の販売が、中国を含めた世界各国で大きな伸びを示している。 現行のBEVは地球温暖化防止策、CO2削減策となっていないことも知られてきた。BEVの販売失速は地球環境にとって、けっして悪いことではない。
2024年10月08日
コメント(0)
石橋氏が自民党総裁に決まって、日本の株式市場は大幅な下げを記録。 9月30日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比1940円01銭安の3万7919円55銭と大幅反落して取引を終えた。石破茂新総裁の誕生を受けて巻き戻しの売りが出た。 ありもしない危機による「売り」であり、安い日本の割安株は外国人投資家に買われることだろう、 政治家、不動産屋に続き株屋も、日本を切り売りする売国奴と化している。 そんな経済発展可能性に乏しい国ではなく、経済発展の可能性に満ちた中国は、政治の暴走で不動産バブルが荒っぽく強制終了させられ、経済の混乱、停滞にj拍車がかかっている。 不動産バブルの急速な解消という、自由主義経済の国家ではなしえないことを、なしえない速度でなし、中国共産党の習金平国家主席は誇らしいことだろう。 不動産価格は劇的に低下したが、不動産の作り手も、買い手もいなくなった。 景気浮揚策、GDP拡大策として、中国政府は、鉄鋼、EV、太陽光パネルに力を入れている。 鉄鋼は不動産バブル崩壊により内需不足。EVは国内の過剰生産能力の解消が急がれる状況。EVの先進国への海外販売道は、失業につながるとして封じられつつある。海外現地生産の拡大では、中国国内経済への浮揚策とはなりにくい。 地方政府財政も不動産バブルの崩壊で様々な痛手を負っており、EV充電インフラの拡充、太陽光パネル導入促進、高速鉄道網拡大などを今後大きく進めることはできない状況。 6000万戸もの「売れ残りタワマン」に習近平主席もお手上げ…「EV頼み」でも経済を立て直せない中国政府の大迷走プレジデントオンライン 2024年9月30日 9時15分 … (略) … 2023年半ば、不動産デベロッパーの破綻懸念を背景に、中国の新築・中古住宅ともに下落に拍車がかかった。足許の価格下落ペースは当時を上回る。不動産バブル崩壊により住宅市場の厳しさは増している。 … (略) … 不動産業者の財務内容を規制する3つのレッドラインは、業者の借り入れなどに重大な影響をもたらした。大手デベロッパーであるカントリーガーデンなど、不動産業者の経営体力は急速に低下した。2021年秋ごろから、住宅価格は下落に転じた。マンション建設の減少、資金繰り確保のための値下げなど、バブル膨張とは逆に、「売るから下がる、下がるから売る」という弱気心理が連鎖し、不動産バブルは崩壊した。 ■マンションの売れ残り在庫は6000万戸にも それ以降、マンションなどの需給バランスは悪化傾向だ。過去、中国では住宅在庫の面積を成約面積で割った消化月数は、12~14カ月が適正な水準といわれてきた。易居研究院によると、2023年末時点で主要100都市の消化月数は22カ月程度、2024年4月時点では26.5カ月まで伸びたようだ。供給が需要を上回る状況に拍車がかかった。 中国全体で、マンションなど集合住宅の売れ残り在庫は6000万戸あり、未完成の物件は4800万戸との試算もある。相場の格言に「落ちてくるナイフをつかんではならない」とある。住宅の買い手や投資家は、今後もマンション価格は下落すると警戒を強めている。足許、完成前にマンションを販売し住宅ローンの返済を始める、いわゆる“予約販売”の比率が18年ぶりの低水準に落ち込んだ。人々の警戒心が高まっていることを物語っている。 ■鉄鋼、EV、太陽光パネルなどに注力するが… 今年5月、需給バランスの改善を目指し、中国政府は200以上の都市に住宅在庫の買い取りを指示した。開始から3カ月程度で、その指示に従ったのは29の都市にとどまったようだ。地方財政の悪化による買い取り資金の不足に加えて、今後の住宅価格下落リスクから地方政府でさえ手を出せないのが実情だろう。中国人民銀行が設定した資金枠(3000億元、約6兆円)も少なかった。 今のところ、中国政府の経済運営は手詰まり状態といってよい。中国政府は、基本的には投資を軸にした経済運営に固執しているようだ。重視する目標は、鉄鋼やアルミなどの基礎資材、EV、太陽光パネル、デジタル家電などの供給増加にあるようだ。EVなどに関しては、民間主要企業と国有・国営企業に土地や産業補助金を支給して価格競争力を高め、世界シェアを高めたいのだろう。 ただ、その発想だとデフレ圧力の上昇は避けられない。不動産市況対策が思ったような効果を上げていないこともあり、政府内部でも2024年の経済成長率目標(5%前後)の達成は難しいとの危惧も出ているようだ。 ■不動産業者の破綻処理を重視していない? 不動産市況の悪化に伴い、これからさらに地方政府の財政は悪化する恐れがある。住宅需要の減少によって、地方政府の土地使用権譲渡収入は減少傾向だ。2024年前半は前年同期比18.3%減だった。2021年と比較すると土地使用権の譲渡益は4割近く減少したとみられる。経済対策などとしてのインフラ投資、公務員給与の支払いなど歳出の削減を余儀なくされる地方政府が増加するだろう。 今年8月、国際通貨基金(IMF)は中国が住宅在庫の圧縮などを進めるには、最低でも140兆円程度が必要と指摘した。不動産バブル崩壊対応のための不良債権処理などのコストも含めると、政府の対策費はそれを上回る可能性は高い。 それに対して中国政府は、既存の政策で十分であるとIMFに反論した。中国は中央政府の財政支出拡大による地方政府の救済、不動産デベロッパーなどの破綻処理、規制緩和による成長産業の育成などの必要性は低いと判断しているのかもしれない。 ■交通違反の罰金収入にはしる地方政府も 財政の悪化を食い止めるため、交通違反など罰金収入の増加に取り組む地方政府が増加傾向だ。内陸部など経済規模が小さい都市ほど、罰金依存は高い傾向にあると考えられる。公安と連携し、脱税などの摘発に取り組むケースもある。電気、ガスなど公共料金を引き上げる都市もある。 IMFの予測によると、地方融資平台の債務残高は2024年の約66兆元(1320兆円)から、2029年に約92兆元(1840兆円)に増加する。今後、財源確保のため罰金の徴収など、苦肉の策に頼らざるを得ない地方政府は増えるだろう。 地方政府の財政悪化により、産業補助金政策などの持続性は低下するだろう。公共料金の引き上げなどは、個人消費にマイナスだ。低価格競争の激化などでコストカットに追い込まれる企業も増え、雇用・所得環境も悪化する可能性は高い。それにより、中国の株式や不動産などの価格は下落し、デフレ圧力は高まるだろう。 ― 引用終わり ― 電気自動車(EV)用モーターに使われる磁石の材料となる「ネオジム」など、レアアースは現代の産業には欠かせない資源となっている。中国はレアアースの主要生産国。 10月1日、ハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)に関する国家の管理を強化する「レアアース管理条例」を施行し、政府の管理を強化する。米国などへの対抗策と考えての施策だろうが、途上国の自動車市場はまだまだ小さく、中国の自動車メーカー、中国製EVの孤立は深まる。即ち、輸出商品としての活路が閉ざされる。 共青団勢力を政権の中枢から追い出し、独裁体制を築いた習政権では有効な経済回復政策が打てないことだろう。このことはアジアの安全保障を揺るがす事態につながる。
2024年10月07日
コメント(0)
反日韓国人のように利に敏い中国人は「愛国ビジネス」を展開しつつある。 参戦・反対の別はおき、「反日」はSNS上でバズるそうだ。 習金平の中国で、天安門事件への言及や中国共産党への批判は、直接・間接を問わず許されないが、反日は禁じられていない。 そこにビジネスチャンスを見出した者たちがいた。 2024年6月24日、中国・蘇州で、日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われる事件があり、犯人の男に立ち向かった中国人女性・胡友平さんが、男に何度も刺されて2日後に亡くなった。 中国では、他にも外国人を対象にした無差別殺傷事件が起きている。 9月16日、外務省は中国の日本人学校がスクールバスの警備員を配置する費用を補助する2025年度予算案の概算要求をした。世界に危険な国・地域は多数あるので、中国に駐在する家族の危険は企業で判断してくれということなのだろう。 この事件の後、「日本人学校はスパイを養成している」といったデマ動画が拡散されSNSで人気を集めているという。 9月18日、中国広東省・深センで、日本人の母親と歩いて登校中の男子児童が刃物を持った男に襲われ、19日未明、死亡した。 男児が襲われたのは日本人学校から約200メートルの路上だった。 9月18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件の発生から93年にあたり、反日感情の高まりやすい日だとされている。中国各地で毎年、抗日記念館の見学イベントなどが組まれる。また、東北地方の遼寧省では、14都市で午前9時18分に防空警報が鳴らされ、交通機関は運行を停止し、公共メディアはSNSを通じて屈辱を忘れるなと強調する。 中国「愛国ビジネス」暴走、日本人襲撃...中国政府は止められないのか周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)ニューズウィーク日本版 2024年9月23日 11時0分<深圳で日本人学校の男子児童が中国人の男に刃物で襲われて亡くなった。その背景には、愛国・反日教育が生み出した「迷惑系ユーチューバー」たちの存在がある> このコラムを執筆中にいたたまれないニュースが飛び込んできた。9月18日、中国南部の広東省深圳で日本人学校の男子児童が中国人の男に刃物で襲われ、19日未明に病院で亡くなったのだ。 現時点ではまだ容疑者の動機も事件の背景も分からない。だが、恐れていたことが起きてしまったような気がした。 今回書こうとしていたのは、動画配信者たちの暴走についてだった。外国人を目の敵にして突っかかり、そのやりとりを動画に収め、ネットで配信する。世の中にはそんなろくでもない輩(やから)がいる。 「愛国」の名の下に迷惑行為を働き、金儲けをする輩 9月7日、北京の円明園という観光地で日本人観光客が現地の動画配信者に暴言や罵声を浴びせられる事件が起きた。 中国メディアによれば、観光客が中国人通訳を介して「写真を撮りたいから場所を空けてほしい」と頼んだところ、「なぜ日本人のためにどかなくてはならないのか」と激高し、日本人を追いかけ回すなどしたという。おまけに、駆け付けた警備員までもが「日本人はこの場所には入れない」と動画配信者に味方したらしい。 一部始終を配信していたこの中国人は、いわゆる「愛国ビジネス系配信者」だ。過去には航空機内で白人男性を挑発し、「差別された!」と大騒ぎする動画を上げたこともある。 「愛国」の名の下に迷惑行為を働き、その映像でアクセス数を稼いで金儲けをする輩だ。日本で言うところの「迷惑系ユーチューバー」の一種で、5月末に靖国神社の石柱にスプレーで落書きし、SNSに投稿した中国人動画配信者も同類だ。 実は、そんな愛国ビジネス系配信者の同類が日本にもいることはご存じだろうか。 この夏、有名な迷惑系ユーチューバーの男性が奈良公園を連日のようにパトロールし、彼が言うところの「鹿に暴力を振るっている」中国人観光客を見つけては、強い口調で注意し、その様子を「さらして」いた。 しかし、私が見た1つの動画では(確かに行儀は悪いが)足で鹿の脚と握手するような行為をしていただけで鹿を蹴ってなどいなかった。写真の説明には「中国人が鹿さんをサッカーボールのように蹴り上げた」とあったが、本当にそうなのか。中国人のマナーが悪いのをいいことに差別意識をあおっているのではないかと思った。 … (略) … 中国政府は円明園の事件後、「外国人差別は許さない」とのメッセージを出し、当然ながら深圳の事件後も「外国人の安全のため効果的な措置を取る」としたが、6月には江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われる事件があったばかり。 政府が暴走を望まなくても、もはやそう簡単に火消しはできないだろう。数十年間の愛国・反日教育のツケが回ってきたのだ。 ― 引用終わり ― 中国南部の深センで、日本人の男子児童が男に襲われ死亡した事件を受け、柘植芳文外務副大臣は、訪問先の北京で事件の対応を協議し、反日的なSNS投稿の取り締まりなどを求めた。 9月23日、中国外務省は、反日的な投稿の有無について言及しなかったものの、「中国には反日教育はない」と指摘した。 男子児童が刺殺事件を受け、中国に拠点を持つ日本企業が駐在員の一時帰国を認めるなど、影響が広がっています。 パナソニック・ホールディングスは、現地に駐在している社員と、それに帯同している家族の一時帰国を認めると発表した。 帰国にかかる費用はパナソニックが負担する。帰国の開始時期は未定。 中国に約100名の社員が駐在している東芝は、現地の駐在員や出張中の社員に対して、大使館が発表した情報を共有するなど注意喚起を行っている。 深セン市で中国の自動車大手・BYDとの研究開発の合弁会社があるトヨタ自動車は「日本大使館と日本人学校が発信する情報をメールで駐在員と共有し、注意喚起している」。 「悲劇を繰り返すな」日本人男児殺害事件の再発防止を訴える―シンガポールメディアRecord China 2024年9月22日 7時0分 シンガポール華字メディアの聯合早報は20日付で、広東省深セン市で日本人男児が登校中に襲われて死亡した事件を受けて、事件が発生した背景への分析を加えた上で、類似の事件の再発防止を訴えるコラムを掲載した。 … (略) … 記事は次に「中国政府や各メディアは、抗日ものの映像作品などを使って、毎年日本が中国を侵略した出来事を繰り返し思い出させる。その目的は歴史を風化させないこと、そして民族の団結と自立を促すことのはずで、一般市民に現在の日本政府や日本人に過去の報復をしろと言っているわけではない。だが、これらの歴史や現実の衝突を促す素材は、ひとたびネット上にアップされてしまうと、閲覧回数やフォローの多さを追い求めるインフルエンサーの利益追求の動機が加わって、違った局面を作り出してしまう」と指摘した。 記事は続けて、「中国のネット上では『反日』とはバズるためのキーワードの一つになるからだ。無知な者がキーボードをたたいて英雄を気どり、愛国投稿をバズらせながら、現実への不満を晴らしている。中国のネット上では中国にある日本人学校に対する攻撃的な言動が形成され、日本人学校の付近を撮影し、中国から追い出そうと威嚇する動画を流すチャンネルもあるという。このようなチャンネルは政府の手で強制的に閉鎖されるが、多くの閲覧を獲得できるので、何度でも復活する」と指摘した。 記事はさらに「オンラインであおられた反日感情は、例えば『精日(精神日本人の略。精神的に自らを日本人とみなしている人物を指す)』と思われる芸能人の排斥や、北京市の円明園で中国人インフルエンサーが日本人観光客らに難癖をつけて追い回した動画のように、オフラインでの具体的かつ極端な行動へと移行してしまう。そして今、深センの事件が起きた。これは反日感情やポピュリズムが非常に極端な方向へ滑り落ちていることへの警鐘だ。 ポピュリズムによって危険な行為が引き起こされ、治安が破壊され、中国のイメージを損ね、外資参入すら危うくする。黙って見ているわけにはいかない。地域的な視点から見れば、日中両国民の反感の高まりはこの地域を不安定にさせるたくさんの種をまくことになる。中国の経済不振が反社会的な行為を助長し、愛国の名義を借りて個人的な憂さを晴らしていると論じる意見もある。もしそうだとしたら、非理性的な反日感情が間接的に中国の経済的矛盾の土壌を培養しているのではないか? 非常に心配な局面だ」と分析した。 ― 引用終わり ― 「反日」「抗日」はポピュリズムなどという一過性のものではなく、中国共産党政権の国策。自由主義の日米に対抗するため、共産党が必要だということを長期間、継続的に国民に訴える精神的支柱。 かつて「造反有理」という言葉があった。中国語で「造反に理が有り」という意味。正義を実現するための謀反側や反乱者に正義があるとしてて文化大革命で紅衛兵が掲げたスローガン。日本の学生運動でも使用された。 日本人をはじめ中国を害する可能性のある外国人を襲撃することは、中国を守り、発展させるために必要なことと考えることができる。 習金平政権が対外拡張戦略を改めない限り、中国の外国人無差別襲撃に遭う「悲劇が繰り返される」可能性に満ちている。 EV製造で新たな生産拠点を設けつつあるトヨタ、ホンダ、日産などの日系自動車企業は、中国の駐在員とその家族をどのように守るのだろうか。
2024年10月06日
コメント(0)
経済の膨張でGDP世界2位となった中国は、多くのことに自信をもって臨んでいる。 どれほど自信があっても、世界の軍民航空市場に参入することは容易ではない。 自動車はエンジンが止まっても死ぬとは限らない。壊れたら整備すれば済む。 航空機はエンジンにトラブルがあると墜落するため、一般に航空市場は、価格安さより実績と信頼を優先する。 航空産業で歴史も技術力もあるロシアでさえ、輸出向けの旅客機は欧米製のエンジンを搭載できるよう開発された。性能はそこそこながら欧米のエンジンに比べ耐用時間に大きな差があるとされる。 中国製の軍用ジェットエンジンは、そのロシアのバッド・コピーとされる。大きく、重く、低出力で、耐久性が低い(耐用時間が短い)ことで定評がある。 親中とされるセルビア、タイの軍事政権もアビオニクスが高性能であると称する中国製の戦闘機は購入しなかった。 セルビアはフランスのラファールを購入、タイはスウェーデンのサーブ・グリペンを購入した。輸出用としてダウングレードされた、堕ちる可能性も高い戦闘機にカネを費やすのは無駄と思ったのだろう。 2023年8月、ウクライナのゼレンスキー政権は、ロシアの脅威に対抗することを想定して開発されたグリペンの供与を求め、スウェーデンと協議を始めた。 価格は仏ラファールの4分の1なのに売れません…親中国家にもそっぽを向かれる中国戦闘機「殲10C」2024年9月23日 朝鮮日報 欧州の代表的な親中国家であるセルビアが、古くなったMiG29を代替する戦闘機としてフランスのラファールを選び、中国は腹が煮え返っている雰囲気です。これまで中国は自国製のJ10C(殲10C)輸出のため力を入れてきましたが、信用していた相手に裏切られたのです。ソーシャルメディアには「性能も対等で価格は4分の1という安さなのに、どうして鉄盟だという国がラファールを選ぶのか」という書き込みまでありました。 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は8月29日、1泊2日の日程でセルビアを国賓訪問し、アレクサンダル・ブチッチ大統領と首脳会談を行いました。ブチッチ大統領は首脳会談直後の記者会見で、ラファール戦闘機の購入契約を公式発表しました。 中国のJ10Cは国際舞台の受注戦で連戦連敗を喫しています。J10CとスウェーデンのJAS39グリペンの間で悩んできたタイも、8月27日に「グリペンを購入する」と発表しました。習近平主席まで乗り出して力を入れていたサウジアラビアも昨年末、フランスのラファール戦闘機を買うと決定しました。 ■東欧の代表的な親中国家 バルカン半島の内陸に位置するセルビアは、ハンガリーと共に、東欧の代表的な親中国家といえます。中国の「一帯一路」プロジェクトに積極的に応じてきており、昨年はブチッチ大統領が中国を訪問して中国と自由貿易協定(FTA)を締結しました。習主席も今年5月、フランス訪問の直後にセルビアを答礼訪問しました。 セルビアは、中国産の兵器の輸入国でもあります。最近はHQ17AE(紅旗17)近距離防空システム、FK3中・長距離防空ミサイルなどを中国から購入しました。 セルビアは今回、12機のフランス製ラファール戦闘機を27億ユーロ、およそ30億ドル相当(現在のレートで約4300億円。以下同じ)で配備すると発表しました。1機当りの価格は2億5000万ドル(約360億円)になります。東欧の小国セルビアは、旧ソ連から購入したMiG29戦闘機14機が空軍の主力です。今回の契約で、2028年からラファール12機が配備されれば、MiG29は全て退役するといいます。 ■高価でも検証済みのラファールを選ぶ 中国はこれまで、複数のルートを通してセルビアにJ10Cを購入するよう打診し、破格の価格も提示したといいます。しかしセルビアの最終選択はラファール戦闘機でした。 J10は、米国の小型・多目的戦闘機F16を意識して作った単発戦闘機で、2005年に実戦配備されました。胴体の大きさや離陸重量などはF16と同等です。 J10Cは、初期モデルを改良して18年に登場したタイプで、アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーなど最新の電子装備を搭載したといいます。ただし、F16・ラファールなど競合機種より武装搭載量は少なく、実戦経験がないというのが弱点です。1機当りの価格は6000万ドル(約86億円)ほどで、ラファールよりはるかに安値です。 ラファールはインド、エジプト、カタールなどに輸出されたフランスの主力戦闘機。小型の機体ながら武装搭載量や機動性に優れ、空対空・空対地・空対艦などさまざまな役割を遂行できるのが強みです。リビア爆撃、アフガニスタン戦争、IS(イスラム国)攻撃などに投入され、実戦で性能は検証済みという評価を受けています。 ― 引用終わり ― 親中とされたミャンマーの軍事政権は、兵器の調達に関してロシア寄りとなっている。 2023年3月27日、ミャンマー国軍は、国軍記念日恒例の軍事パレードで、ロシアから新たに調達した戦闘機スホイSu-30などを披露した。ロシアとミャンマーは原子力発電所の開発に向けた協力覚書を締結するなど非軍事分野でも接近が目立つ。 高速鉄道で日本の裏切ったインドネシア・ジョコ政権のインドネシア空軍は、フランスと米国から戦闘機を購入した。 2012年から2017年にかけて米国から24機のF-16 C/Dブロック52戦闘機を購入したことが欧米製航空機によるインドネシア空軍現代化の契機とされる。 2022年2月にインドネシア空軍は、フランス製のダッソー・ラファール(Rafale)戦闘機42機を約1兆1,908億円(81億ドル)で購入する契約を結んだ。 2023年8月、ボーイングF-15EX双発機24機を米国から購入すると発表した。 韓国製T-50練習機の度重なる墜落で、「堕ちる飛行機」の購入にこりたのだろう。 世界の最貧国の一つとされるラオスのラオス人民軍は、ソビエト連邦製の航空機が主力となっている。中国資本で豊かになったら、安い中国製のジェット戦闘機を購入するだろうか?
2024年10月05日
コメント(0)
江崎グリコ株式会社(大阪府大阪市)は、菓子・食品・乳製品・健康食品などを製造・販売する総合食品メーカー。 2024年4月5日、社内の基幹システムの更新を行なった4月3日以降にシステム障害が発生していることを公表。 4月14日、乳製品、洋生菓子、果汁飲料、清涼飲料などほぼ全ての冷蔵・チルド商品(キリンビバレッジ製品販売業務受託分を含む)の出荷を停止。 4月18日、一旦再開したものの、すぐに再度出荷停止。 6月25日、一部商品について順次出荷再開すると発表。 8月13日、人気商品「プッチンプリン」を順次出荷再開すると発表。 8月14日、2024年1~6月期の連結決算を発表し、障害の影響で純利益が前年同期比53%減の36億円となった。1~6月期の売上高は前年同期とほぼ同じ1540億円。 営業利益は前年同期比10%増の88億円を確保した。障害は売上高ベースで150億円、営業利益ベースで36億円の押し下げ要因となった。 9月30日、11月5日以降全商品出荷停止解消と発表。 システム障害は、生産・営業・会計など部門ごとで分かれていた古いシステムを統合型システムに置き換える作業の中、発生した。 障害の原因となったプロジェクトの主幹ベンダは、外資系コンサルティング会社・デロイト トーマツ コンサルティング。 情報技術と経営に詳しいCIO(Chief Information Officer)は、グリコに居なかった。 江崎グリコ 「カフェゼリー」など11月5日以降再開全商品の出荷停止が解消へ ABCニュース 2024年9月30日 16時58分 江崎グリコは、システム障害により停止していたカフェゼリーなどの冷蔵商品の出荷を、11月5日以降再開すると発表しました。これで、全商品が出荷再開になるということです。 出荷を再開するのはカフェゼリーなど8商品です。 江崎グリコでは4月、全商品の発注から出荷までを管理するシステムに障害が発生。 この影響で、江崎グリコと販売を受託しているキリンビバレッジ社の冷蔵商品合わせて116品目の出荷を停止していました。 6月以降、段階的に出荷の再開を進めていましたが、今回の8商品の再開をもって全商品の出荷停止が解消されることになります。 江崎グリコは「全品の出荷再開までに時間を要し、お客様およびお取引先様に多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしました」とコメントしています。 また、出荷停止に陥った原因については、システムとオペレーションに起因する「データの不整合」としていますが、根本の原因は引き続き究明中だということです。 ― 引用終わり ― CIOの重要な役割は、企業経営における情報技術の活用と管理、そして情報を活用した経営戦略の立案・実行。 近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が増えていることから、自社でIT人材を抱える重要性が知られるようになった。 情報システムの開発、維持を外注先に頼ってきた多くの企業は、社内のIT人材育成やノウハウの蓄積が進んでおらず、CIOを設置して本格的にDXに取り組むまでには至っていない。個人情報の流出などが頻繁にニュースになっているが、2020年に一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)がおこなった調査によると、専任・兼任を含めCIOを設置している企業は15%程度となっている。
2024年10月04日
コメント(0)
Wikipedia によると「戦略的曖昧さ」が以下のように説明されている。 戦略的曖昧さ(policy of deliberate ambiguity) は、政府が外交政策のある側面について、意図的に曖昧にすることを指す。 諸外国と自国の政策目標が相反する場合や、抑止政策におけるリスク回避のために有効である。 このような政策は、国家の意図に対する誤解を招き、意思とは矛盾する行動につながる可能性があるため、危険性が指摘されている。 中華民国支持から中華人民共和国支持に乗り換えた米国の中華民国=台湾に関する安全保障に関する姿勢は、二つの中国を前提とする「戦略的曖昧性」と称される。 日米安全保障条約はあるが、ロシアや中国が日本の領土に武力侵攻した際、米国が日本と連携して反撃に取り組むかも曖昧。 世界の警察=米国は国益を最大化するため、曖昧な姿勢に終始する。 台湾への「戦略的曖昧性」をアメリカは変えるかアメリカ新政権で試される日本の外交力東洋経済オンライン 2024年9月23日 8時0分 … (略) …アメリカの台湾政策「戦略的曖昧性」 アメリカの共和党、民主党双方の支持メディアから「日本との同盟関係が最も重要」との見出しで報じられた。極めて戦略的な演説だったと言える。同盟国に負担増をつねに求めくるトランプ氏への先手としても有効であった。 したがって、どちらが大統領になっても「日本との関係は最重要」との認識は変わらないと思える。今のアメリカにとって最大の課題は「中国との競争」であり、安全保障上も経済上も日本との協働なくしては中国との競争に勝てないとアメリカは見ているためだ。 では、アメリカの新大統領登場によって、日本に与える地政学的リスクとは何か。それは、「アメリカが台湾に対してどう行動するか」だと考える。 これまでアメリカは、台湾有事へのスタンスを「ストラテジック・アンビギュイティ(戦略的曖昧性)」としてきた。すなわち、もし、中国が武力で台湾統一に踏み切った場合、アメリカは「軍事介入を行うのか、行わないのかは曖昧にしておく」ということである。 その背景には、2つある。まず「もし、軍事介入をする」と明言すると台湾の独立派がアメリカの軍事介入を期待して独立に向けて動く可能性があるので、これを排除したいという意図。 もう1つは、「もし、軍事介入をしない」と明言すると、中国が安心して台湾統一に向けて動き出す可能性がある。これも排除したいという意図だ。 バイデン大統領はこれまで、4回も「台湾有事となれば、アメリカは助ける」と述べたことがある。ところが、発言直後には国務省「アメリカのスタンスはこれまでと変わらない」と大統領の発言を否定するコメントを出している。まさに、「戦略的曖昧性」だ。 ― 引用終わり ― 軍事的脅威に直面した場合、米国が日本を守るかどうかハッキリしてない。米中、米ロの軍事衝突が起これば、在日米軍基地が稼働するので、国際法上、日本は米国側に属する戦争当事国となる。 米国の核の傘に入っているのは安心かもしれないが、政治的にも、軍事的にも、経済的にも楽ではない。「米国債を売ってもいいんだぞ」すごんだ橋本政権はすぐに更迭された。 米国のトランプ前大統領は、駐留米軍について経済的観点を中心に応分負担を主張していたが、予算がないから駐留米軍基地を縮小してくださいと言われたら困るのは米軍だ。単純な主張は分かりやすいが、賢い選択とは言えない。 戦略的曖昧性は外交、国際政治につきものの、二律背反を避ける姿勢を表す用語。 白黒つけるとは限らない外交、二枚舌ならぬ二枚腰外交を積極的に演じるのが日本は得意ではないと見受けられる。
2024年10月03日
コメント(0)
2020年8月4日18時ごろ、レバノンの首都ベイルートの倉庫で大爆発が起きた。超音速の爆風がベイルートの街全体を駆け抜け、爆発の衝撃波で通りが焼き焦げ、建物は倒壊し、車や人が吹き飛ばされ、窓ガラスが砕け散った。この爆風は10km先まで及んだ。爆発の原因物質はまとめて大量に保管された肥料用の硝酸アンモニウムとされる。 爆発では224人以上が犠牲となったが、経済の低迷と政治の混乱から、遺族や負傷者への政府補償も行われず、原因調査も停止されている。 「中東の火薬庫」レバノンの今政治改革の兆しも経済は低迷続き市民は「自国通貨が紙くず同然」と嘆き2022年6月27日 12時00分 1975年から断続的に内戦や軍事衝突が続き、その不安定な情勢から「中東の火薬庫」とも呼ばれるレバノン。岐阜県ほどの小国にはイスラム教やキリスト教など18の宗教・宗派が混在し、諸外国の思惑に左右されながら、危うい均衡を保つ。2019年以降は経済悪化に伴って反政府デモが拡大。5月の国民議会選ではデモ隊出身者が議席を獲得するなど改革の兆しはあるものの、回復しない経済や汚職がはびこる腐敗政治に、市民は我慢の限界を迎えている。(ベイルートで、蜘手美鶴、写真も) ◆18の宗派が混在、内政に周辺国の思惑も 「私たちが後ろにいる。私たちの声を届けて」。5月31日、レバノン議会初日。議会前には数百人の市民が詰めかけ、議会選で初当選した「改革派」議員13人に声援を送った。13人は政治改革を訴えてきたデモ隊出身で、北部トリポリから駆けつけたシャダ・カッサーブさん(50)は「彼らは私たちの仲間。市民の『目』となって、間違った政治を正してほしい」と期待する。 反政府デモは2019年秋、ベイルートの街頭から始まった。治安部隊と衝突しながらも、政治刷新や早期選挙を訴え続け、議員誕生につなげた。期待が膨らむ一方で、議会初日にあった議長選では、1992年から議長職に就くイスラム教シーア派重鎮ベリ氏(84)が再選。一部の政治家が権力を独占する構図が、改めて浮き彫りとなった。ベイルート市内でインタビューに応じる新人議員のファンジュ氏。宗派主義の撤廃を目指す 18の宗派が混在するレバノンでは、政治の主要ポストや議席数を各宗派ごとに割り振る「宗派主義」に基づき、大統領はキリスト教マロン派、首相はイスラム教スンニ派、議長はシーア派から選ばれる。一部の宗派が突出するのを避けるためだが、汚職がはびこる原因にもなっている。 ― 引用終わり ― かつて緑豊かな海洋貿易国家だった歴史を持つレバノンは、多くの人々が交流しながら暮らす地だった。18の宗派が混在するのは、近年そうではなくなったが、平和の歴史の象徴。 レバノン杉は現在、レバノン、シリア、トルコ南部のごく一部の孤立した山地に小規模に残存するのみとなり、保護されている。 レバノン杉は、紀元前にフェニキア人の繁栄の原点になった。フェニキア人は、当時レバノン山脈全域に自生していたレバノン杉からガレー船を始め、船舶の建造材として使用。また、木材や樹脂をエジプトなどに輸出していた。 キリスト教はマロン派、ギリシャ正教、ギリシャ・カトリック、ローマ・カトリック、アルメニア正教、イスラム教はシーア派、スンニ派、ドルーズ派が有名な宗派が揃い踏みしている。岐阜県程度の面積に529万人が暮らす。 一院制の議会はキリスト教徒イスラム教の議員が同数、計128人で構成される。 アラブ連盟に加盟しているレバノンは、民族宗派間の人口バランスを崩すパレスチナ難民のレバノンへの帰化を拒否し、難民の帰還権を強硬に主張する。一方、ヒズボラなど対イスラエル抵抗組織の活動を許容している。 汚職の蔓延などから、2019年の秋、ベイルートで反政府デモが始まった。 経済悪化前の2019年は1米ドル=1500LBP台だったが、現在は2万LBP台後半に為替は暴落。インフレにより国内物価は高騰を続けている。燃料不足から停電も頻発するようになった。 イスラエル軍は自衛隊(JSDF:Japanese Self-Defense Forces)と同様に国防軍(IDF:Israel Defense Forces )と称するが外国に果敢に攻め込む。 ナチスドイツ時代の軍隊も国防軍と武装親衛隊。 2024年8月25日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、数千のロケット発射装置を戦闘機でイスラエルに対し「先制攻撃」したと発表した。 9月21日、イスラエル軍はレバノン領内を攻撃し、パレスチナ自治政府の主流派ファタハのハリル・マクダ氏を含む幹部を殺害した。 イスラエルはマクダ氏について、イスラエル占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸への「攻撃や武器密輸を指揮」していたほか、イラン軍と協力していたと主張している。 9月17日から18日にかけて、イスラエルが関与したとされるレバノンでの通信機器の一斉爆発で、ヒズボラのメンバー多数が死傷した。それらの報復の一環として、22日、ヒズボラはレバノンの地からイスラエル北部にミサイルなど約150発を撃ち込んだ。 9月23日、イスラエル軍が、イスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点300カ所以上を空爆したと明らかにした。 1982年にイスラエル軍がレバノンに侵攻した後、UNIFIL(国連レバノン駐留軍)は、南レバノンにおけるレバノン市民への食料と医薬品の供給を主な任務とした。 1985年以降、イスラエル政府はレバノンの部隊を漸減させる政策をとった。 1993年、1996年および1999年に、イスラエルはヒズボラ掃討のためとして大規模な侵攻作戦を展開した。この際、UNIFILは反撃能力・権限を持たない為、難民キャンプを支援している所をイスラエル軍の標的とされた。 イスラエルがヒズボラだけでなくファタハの幹部を殺害し、レバノンを空爆したことで、イスラエルは中東との全面戦争体制に入ったとみられている。 ヒズボラへの報復だけでなくパレスチナ、レバノンを戦場にしたイスラエルは、中東の火薬庫に火をつけた。 世界大戦の火種となりうる事態について、内部で激しい対立を抱え政治力が低下しているアラブ連盟は、今のところ反応がない。 ロシアのウクライナ軍事進攻も、国連は事実上放置している。イスラエルの行為も放置されるのだろう。 次は中国の台湾併合? 9月23日、中国国家安全省は、中国本土などにサイバー攻撃を行ったとして、台湾国防部(国防省)情報部門の軍人3人を捜査すると発表した。3人の顔写真も公表し、「台湾独立勢力のサイバー軍」と主張した。 同日、台湾国防部は、「発表内容は事実ではない」と否定。中国軍などによる台湾への深刻なサイバー攻撃が続いているとし、中国側こそが「地域の平和を破壊している張本人だ」と反発した。 気温だけでなく政治的にも中東とともに極東は熱くなっている。
2024年10月02日
コメント(0)
パレスチナ自治区ガザ地区におけるイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争に端を発した、イスラエルとレバノン国境を隔てた交戦は開始から11カ月。停戦交渉は難航し、両者の全面衝突への懸念が高まっている。 2021年7月18日、イスラエルに本社を置くNSOグループが開発した犯罪監視用のスパイウエアが中東などの政府に販売され、世界各地のジャーナリストや人権活動家らのスマートフォンのハッキングに使われていたことが、米紙ワシントン・ポストなどの調査報道で明らかになった。 ポケベルのレバノン出荷は2022年に始まった。当初は少数だったが、ヒズボラを率いるナスララ師がイスラエルによる情報収集を懸念し、携帯電話の使用をやめてポケベルを持つよう呼びかけたため、出荷量が急増したという。 2024年9月17日、18日の2日連続で、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーが使用する無線通信機器が相次いで爆発し、少なくとも20人が死亡、450人以上が負傷した。17日、ヒズボラがもつ「ゴールド・アポロ」ブランドの新しいポケベル数千台が一斉爆発。翌18日、トランシーバー数百台が爆発した。 米紙ニューヨーク・タイムズは複数の情報当局者の話を基に、BACは「イスラエルのフロント(隠れみの)」で、実際に製造したのは同国の情報当局だったとし、BACは他の顧客には通常通りにポケベルを製造したが、ヒズボラ向けの端末は工程を別にし、PETNという高性能爆薬をバッテリーに埋め込んだ実態を隠すため、他に2つのペーパーカンパニーも作ったと報じた。 9月18日、国連のグテーレス事務総長は「民生品を兵器にしないことをルールにすべきだ。各国政府は、それを実施することができるはずだ」と述べて、強い懸念を示した。 同じく18日、イスラエルのガラント国防相は、軍事作戦は新たな局面に入ったとして、レバノンとの国境地帯で部隊を増強する考えを明らかにした。 9月19日、イスラエル軍はレバノン南部にある親イラン民兵組織ヒズボラの拠点を戦闘機で爆撃し、イスラエルに向けられたロケット発射装置約100基を破壊したと明らかにした。 同じく19日、ヒズボラ最高指導者ナスララ師は、テレビ演説で無線通信機器の爆発をイスラエルの犯行だとして報復を示唆した。 9月20日には150発のロケット弾をイスラエル側に発射した。 同じく20日、イスラエル軍はレバノンの首都ベイルートに空爆を行い、イスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部アキル司令官を殺害した。イスラエル軍は、司令官とともにヒズボラの精鋭部隊のメンバーも殺害したとしている。 21日、イスラエル軍はレバノン領内を攻撃し、パレスチナ自治政府(PA)の主流派ファタハ(Fatah)の幹部を殺害した。 レバノンのポケベル&トランシーバー連続爆発事件イスラエル情報機関、火薬埋め込みか産経ニュース 2024年9月21日 17時4分 レバノンで起きたポケベルとトランシーバーの連続爆発事件は、イスラエルが行ったとの見方が出ている。報道された手口の一端は、長期にわたり周到に準備された計画だった可能性を示している。 当初、ポケベルの製造元とされた台湾のゴールド・アポロ社は、爆発したのは同社の商標使用権を持つハンガリーの「BACコンサルティング」の製品だと述べた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は複数の情報当局者の話を基に、BACは「イスラエルのフロント(隠れみの)」で、実際に製造したのは同国の情報当局だったと報じた。 それによると、BACは他の顧客には通常通りにポケベルを製造したが、ヒズボラ向けの端末は工程を別にし、PETNという高性能爆薬をバッテリーに埋め込んだ。実態を隠すため、他に2つのペーパーカンパニーも作ったという。 このポケベルのレバノン出荷は2022年に始まった。当初は少数だったが、ヒズボラを率いるナスララ師がイスラエルによる情報収集を懸念し、携帯電話の使用をやめてポケベルを持つよう呼びかけたため、出荷量が急増したという。 ― 引用終わり ― 爆発したトランシーバーの製造元とされる無線通信機器メーカー「アイコム」(大阪府大阪市)は9月19日現時点で判明したことをホームページで発表した。 爆発に使われた可能性があると報じられたトランシーバーについて、会社が2004年から2014年にかけて中東を含む海外向けに生産・出荷していたICーV82という機種で、「およそ10年前に販売が終了し、それ以降、出荷はしていない。偽造品を防止するための特殊なシールが貼られていないので当社から出荷した製品かどうかは確認できていない」としている。 アイコムは業務用無線機、世界シェア3位のメーカー。アマチュア無線機の開発、販売から始まり、世界各地に販売網を作り上げるとともに陸上用、海上用、航空機用などの業務無線機、さらに無線LAN機器、IP電話システムなどへと業容を拡大した。 ヒズボラ、爆発の数時間前までポケベル配布=治安筋By ロイター編集2024年9月21日 ロイター … (略) … 治安当局の情報筋の1人は、爆発物の検出は非常に困難だったと述べた。ヒズボラは2022年からポケベルがレバノンに届けられた後、警報が鳴らないかどうか空港を巡回するなどして検査していたと、さらに2人の情報筋がロイターに語った。 ロイターは爆発装置の詳細に詳しい合計6人の情報筋から証言を得た。治安筋の1人によると、この検査はポケベルに対する特定の疑いではなく、爆発物や監視装置が仕掛けられていないかの機器の定期検査の一環で行われたという。 ― 引用終わり ― イスラエル諜報特務庁「モサド」は有能であることで世界的に定評がある。今回の連続爆発事件がモサドの手になるものかは不明。誰がやったか分からないようにやるのが優秀な諜報機関。その点では大きなことをやり過ぎたのか、モサドは実績に満ちている。 イスラエル情報コミュニティー出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 イスラエル情報コミュニティー(いすらえるじょうほうこみゅにてぃい、ヘブライ語:קהילת המודיעין הישראלית)とは、イスラエルの国家機関による情報共有体制(インテリジェンス・コミュニティー)。主に5つの情報機関で構成され、イスラエル国家や国民の安全保障に関わる対外諜報活動や防諜、軍事情報の情報交換や分析・評価の交換をしたり、各情報機関との連絡や調整を行う。イスラエル国会の外交防衛委員会付属の小委員会等、具体的にはさまざまな委員会がある。ヘブライ語読みは、ケヒラット・ハ-モディイン・ハ-イスラエリィート。メンバー●現在の構成機関・イスラエル諜報特務庁(ハ-モサッド・レ-モディイン・ウ-レ-タフキディム・メユハディム:"モサッド")首相府:対外諜報機関・イスラエル総保安庁(シェルート・ハ-ビタホン・ハ-クラリー:"シャバック")首相府:公安機関、秘密警察・イスラエル政治調査センター(ハ-メルカズ・レ-メフカル・メディニー:"ママッド")外務省:国際情勢調査分析機関・イスラエル警察捜査諜報局(アガーフ・ハ-ハキロット・ウ-モディイン)国内保安省:犯罪捜査及び抑止機関、局内のラハヴ433部(Lahav 433、通称"イスラエルのFBI")の国際重大犯罪捜査課は公安任務も兼ねる。・イスラエル参謀本部諜報局(アガーフ・ハ-モディイン:"アマーン")国防省:軍事情報機関、電子・公開情報による政治経済情報収集分析、広報部にラジオ局保持、傘下に偵察部隊や情報部隊。・イスラエル空軍諜報部(ラハク・モディイン) ― 引用終わり ―
2024年10月01日
コメント(0)
全10件 (10件中 1-10件目)
1