その五




この家に引っ越してきた時

どうも、同居人もついて来たようである。

またしても、小物の紛失が続いていた。

横切ったりもしていた。

最近は・・・相手にしないからか?

いなくなった。


一時期、不可思議な現象は続いた。

外から帰って来ると、

家の中から、ヒソヒソ話をするような声が聞こえる。

でも、誰もいないし、テレビなんかもついていない。

怖いというよりも、『留守番ありがとう』

という気持ちが大きかった。

だから、外から帰ったら

必ず大きな声で

『ただいま~!!』と言うことにした。

現在は、ヒソヒソ話もなくなった。




義兄がなくなって、翌年の命日の日。

朝から、義兄の写真の所へ

お茶と菓子を供えておこうと思いつつ

子供たちに振り回されて

すっかり、忘れていた。

その日の夜、子供たちと和室で遊んでいた。

と、突然

その部屋の押入れのふすまが

『ドンドンドン!!!』と鳴った!

一瞬凍りついてしまった私。

おそる、おそる押入れを開けてみた。

なだれが起きて、押入れのふすまに

あたるような物は、一切ない。

よく、考えた。

義兄が、訪ねてきてくれたんだ。

きっと・・・





ある時期、そういう風に、

訪ねてくる身内がいた。

夜、寝るために2階の寝室に向かった。

階段を上がって、寝室に向かう為に

前方にある吹き抜けの窓に

ふと、目をやった。

そこには、はっきりと人が写ってる。

どう見ても、私ではない事はあきらかだ。

怖くて、急いで寝室に入った。

そして、よく考えた。

アレは誰だったんだろう?

思い出した。

私が中学生の時になくなった知人であった。

来るなら、脅かさないで欲しかったなぁ。





子供たちと、2回ほど、不思議な体験をした。

1度目は夜、二階で子供たちと遊んでいた。

玄関の扉が開く音がして、

『ただいま~』って声がした。

子供たちは『お父さんだ~!』と

1階降りた。

しかし、誰の姿もなかった・・・


2度目は、私がお風呂に入ってた時。

脱衣所から『ただいま』と声が聞こえた。

私は、主人がいつもそう声を掛けるので

慌てて、風呂からあがった。

でも、だれもいない・・・

子供たちは2階にいたが、

やはり、その声を聞いていた。

下へ降りてきて

『お父さんはどこ?』と私に聞いたのである。


なんだったんだ?

主人の気持ちだけが、早く家に帰って来たんだろうか?





今、思い出しても、鳥肌が立つ話。

いつもの様に、玄関を上がったスペースで

主人を散髪していた時の出来事である。

なんか、視線を感じるので、玄関のドアに目をやると

青白い光が、ドアのガラスに写ってた。

思わす、散髪しているバリカンの手が止まった。

声もあげれない状態だった。

暫くしたら、この光は消えた。

だが、主人も、私の異変に気付いたようだ。

やっと、私の口から出た言葉は

『御願いやから、玄関の竹カーテンを閉めて・・・』

であった。

即座に動いてくれたが、とても怖かった。

目には青白い光に見えたのだが

頭の中には、人物の姿が見えていた。

背の高い、長髪の痩せた男だ。

散髪しているのを、通りすがりに見て

自分もして欲しかったのだろうか?

翌日、青白い光の正体を探した。

でも、見つからなかった。

余計に怖くなった。




昼間、誰もいない子供部屋から、

不思議な音がすることがある。

なにもないのに、

おもちゃのブロックを撒き散らす音

ビー球が転がるような音。

慣れてしまったけど、

御願いだから、脅かすのはやめて・・・




また、ある時期の話である。

夜になると、階段の上り下りと、廊下を走る音がする。

『またや』と私は思っていた。

何日か、それは続いた。

ある日主人がポツリ・・・

『また、走ってはんで・・・』


その現象は、昼間にも起こった。

姉一家が、遊びに来ていた日の事。

私達は、買物に出かけ、義兄が1人留守番だ。

義兄はリビングでくつろいでると

『ドタドタドタ・・・』と階段を

上り下りをする音が聞こえたらしい。

そして、段々肩が重くなり、

チョッとヤバイ状態になったとか・・・

恐るべし、同居人。



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