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2008.11.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ある冬の日の黄昏時、わたしはある奇妙な男性とすれ違った。
その男性はいかにも厳格そうな顔つきの年配で、褪せた茶色のコートとその中のびしっとしたスーツが、よりその荘厳さを強調していた。
ここまではなんの変哲もないのだが、私はあることに気づいてしまった。
その男性はパーティ用の付け髭を口元にきっちりとつけ、歩行者用の反射たすきを胸にかけながら、大きく手を広げて腕を振り大股でのっしのっしと歩いていたのだ。
漫画の中で起こるようなことがまさか目の前で起こっている。
私はとても疑問を抱かずにはいられなかった。
何故あんな格好で、あんな目立つ歩き方で街中を歩き回っているのか、私には到底理解できなかったからである。
 自宅に帰って風呂に入っても、夕食を摂り床についても、あの姿が目に焼きついて離れなかった。
小焼け空を背に、坂道を下ってくる姿か実に滑稽で、不可思議で、なにより印象的だった。

私はとうとう彼のことを忘れることができず、また明日同じ時間に同じ坂道に行けば彼と出会えるのではないかと考え、明日彼にそのことを彼に尋ねることを胸にとどめたのち、ようやく眠ることができたのだった。
 翌日同じ場所に行くと、やはり彼は昨日と同じく付け髭と反射たすきの大股歩きで坂道を下ってきた。
実に奇妙な感覚だ。
怖いという理性と面白いという本能が入り混じり、何とも形容しがたい気持ちであった。
そして彼に話しかけようと思ったものの、よく分からない恐怖感が私を襲い、足が歩むのを拒んでしまった。
しかし今日もまた床につくことができないという思考ともう彼と会うことができないかもしれないという不安が、ようやく私を決心させた。
私は彼に近寄り、
「あのぅ…」
と、実に心細かったが、彼が決して完全な変人奇人でないことを願いながら話しかけた。
「どうかなさいましたか?」
男性は落ち着いた低い声で私の問いかけに答えてくれた。

私は更に踏み込んだ。
「どうして、そのような格好で歩かれているのです?」
「気になりましたか?あなたもやっていただければわかると思いますよ」
彼の返事を聞いて、私の願いが打ち砕かれたことが分かった。
この人はやっぱり変な人だ。

私は興味に打ち勝つことができず、また彼に問いかけた。
「どうして、そのような歩き方で歩かれているのです?」
「気になりましたか?あなたもやっていただければわかると思いますよ。さぁ、どうぞ」
そういいながら目の前の変人はコートのポケットを漁り、私に反射材の入ったたすきと、パーティ用のカール付け髭を私に向けた。
「これは私からのプレゼントです。さぁどうぞ」
まさかの展開である。
気になり気になりついに話しかけたら私も変人へのスタートラインに立たされようとしている。
これは何としても回避するべきだろうか。
しかしこんな奇特なストーリーが我が人生に組み込まれることに対しての恐怖感はない。
むしろ他人とは違った経験をできるのかもしれないという興味をそそられる。
この目の前のものを受け取れば、それが実現できる。
私は不可解な良心の呵責と、純粋無垢な興味に挟み込まれてしまった。
するとぼぅっと突っ立っている私に彼がたすきを掛け、私の口元にぎゅうっと付け髭を押し付けた。
「これで完成です」
彼は微笑みながら言った。
遂に変人のスタートをきってしまった。
遠くから歩いてきたおばさんが気まずそうにこちらを見て、見て見ぬ振りをしながらくるりと背を向けてそそくさと去っていったのがわかる。
わたしとしては実に恥ずかしかったが、彼はなんともないように微笑んだままだ。
実に満足そうな笑顔だ。
「さぁ、それでは参りましょう」
事態が飲み込めない私に、彼が明るい声で話しかけた。
と思うと、私の前から離れ、また大きく手を広げて、肩から腕をふって、膝をぴんとのばした大股歩きで坂道を下ってくのだ。
さぁ、どうしよう。

<続く>



完全に思いつきで書いてる文章です。オチは考えてありますが。文体の細かいところとかは全然考えてないので、と言い訳をしておこう。





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最終更新日  2008.11.13 23:55:24
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