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ゆきの実月
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2006.04.08
カテゴリ： ファンタジー
＜巨人のもとへ＞
旅人は、歩を早めながら呪文を繰り返した。
巨人の前に踏み出したら、すぐさま唱えなければならない。
忘れないように… 全神経を傾けて、繰り返した。
「 十の幻があることなど、もう気にしちゃいられない。
恐れを振り払えばいいんだ。
振り払って、ただひたすらに唱えればいい。 」
どんな幻が現れるか、松明には大体わかっていた。
しかし、話せば 余計に恐怖が増すとわかっていた。
…薄闇の中、松明の光が揺れる。
松明は、人間を喰らう巨人のもとへ、案内する道具なのだ。
たとえ 松明が 俺を騙しているとしても、
今は信じるしかない。頼るしかない。
こんなに複雑なたくさんの呪文を、教えるわけがない。
「はふぉ～～～っ！！」
二人、いる。
緑色の、すさまじく大きな巨人。
洞窟の真ん中に、こんな広い巣があるとは。
その巣に、とうとう旅人は乗り込んだのだ。
旅人は、歩を早めながら呪文を繰り返した。
巨人の前に踏み出したら、すぐさま唱えなければならない。
忘れないように… 全神経を傾けて、繰り返した。
「 十の幻があることなど、もう気にしちゃいられない。
恐れを振り払えばいいんだ。
振り払って、ただひたすらに唱えればいい。 」
どんな幻が現れるか、松明には大体わかっていた。
しかし、話せば 余計に恐怖が増すとわかっていた。
…薄闇の中、松明の光が揺れる。
松明は、人間を喰らう巨人のもとへ、案内する道具なのだ。
たとえ 松明が 俺を騙しているとしても、
今は信じるしかない。頼るしかない。
こんなに複雑なたくさんの呪文を、教えるわけがない。
「はふぉ～～～っ！！」
二人、いる。
緑色の、すさまじく大きな巨人。
洞窟の真ん中に、こんな広い巣があるとは。
その巣に、とうとう旅人は乗り込んだのだ。
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