素人ハイファンタジー

PR

プロフィール

ゆきの実月

ゆきの実月

コメント新着

ペット総合サイト @ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
ペット総合サイト @ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
ゆきの実月 @ Re:コメント失礼します☆(03/16) masashi25さん こんにちは。ご訪問ありが…
masashi25 @ コメント失礼します☆ ブログ覗かせてもらいましたm(__)m もし…
ゆきの実月 @ Re:小さな虹(05/12) 実は今日、携帯での楽天日記更新が、とっ…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

2006.04.09
XML
カテゴリ: ファンタジー
<愛の実のなる木>


恐怖で何も見えなくなるところだった。

旅人の目に真っ先に飛び込んできたのは、

光を放つ美しい一本の木だった。

二人の巨人の間で、小さな体で一心に光って揺れている。

そう、揺れている。生きもののように。


旅人は思わず 松明をとり落とした。

あわてて側へ立て掛け、混乱する頭で叫んだ。


「ルスクドンオ!」

巨人は小さな手風琴をとり出した。

(何だ?あの箱は!)

とたんに まがまがしい騒音が がなりたった。



松明が頭の中に話しかけてきた。

気にするな。巨人達の、一種のおもちゃだ。あれを鳴らしていると、

連中は安心する



旅人が近づこうとすると、巨人は大きな手を伸ばしてきた。

一つ眼のその顔は、ひどく怒っているように見えた。

ぎょろりと血走った目、大きな口、鋭い牙。


「ルマヤア、ラタレタコオ! イナワラカサ、テッイトイハ!!」

とたんに巨人たちの動きが止まった。

そしてなぜかニタニタと笑い出した。

(さあさあ、こっちへおいで)

とでも言っているかのように。手風琴は何故か、今度は 楽しいメロディーを奏で出した。


旅人「惑わされちゃ、いけない!

「チモキ、ノャシンカ! キオヤハ、ネヤハ!!」

美しい一本の木の放つ光の中から、その映像が浮かびあがった。

「…や。よくここまで来たね」

初めて見る両親の姿。これが本物なら、どんなにいいか。

「ここには みんなそろっているよ!君も仲間に入らないか」

まるで 本物の人間のような声で、たくさんの友達が話しかけてきた。





「イナラナ、ニツイケンシ! イナカヅカチ、クベルナ!!イナメタ、…・」

旅人は、声を詰まらせた。


剣術を教えてくれた かつての 懐かしい師匠が、そこに居たからだ。

「なぜここへ来た。…巨人を切ってはならぬぞ」


「ここへは、自分の意思で来たんだ!」

旅人は幻想を振り払った。

「イナメタ、ヲスレトス!! イナシンマガ、ノモイタイク!」

そのとたん 旅人の目の前に、見たこともないご馳走の山が現れた。

「ああ、そんな場合じゃないのに…!」

美味しそうな匂いまで、しはじめた。


「これが、最後の呪文だ!!」

ルノイ、ニミカ!!






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.04.09 18:50:35
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: