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2006.07.30
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カテゴリ: ファンタジー
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「はいはい、ごめんなすって!ああ忙しい、忙しい」
とそこへ、くつ下みたいな帽子をかぶった、シントロラたちと同じくらいの背の男の小人が現れ、通り過ぎていきました。
 腕にはぴかぴか光る、小石のようなものを抱えています。
「ああ!トロリじいさんだよ。宝物集めをしてる。もっとも、人間には見えない宝なんだがね」

 シントロラがいつも物置にしている階段下の扉の、小さなすきまへ小人が入っていくと、そこから何かきらきらしたと赤い光が、もれ見えています。
「人間に見えない宝物が、あるなんて」

 シントロラはしばし呆然としていましたが、自分が小さく動きまわるだけで、床がきれいになり、ぼろきれからバラの花の香りのようないい匂いがすることの方が、もっと不思議でした。

「ああ、いいよ その調子だよ。歯ブラシも使ってみな」


 シントロラが歯ブラシと水と小ビンを使うと、さらに汚れはきれいになりました。
壁、柱、家具の汚れなど、彼女は汗だくになりながら落としてまわります。
 そして、
(自分が小さくなっただけなのに、こんなに家が立派に見えるものかしら?)
とあらためて思うのでした。
 それからところどころに、ケシつぶのように小さな、妖精の落書きを見つけると、
(彼らも家を汚すことがあるんだな~)ぷっと吹き出しました。
 体が小さくならなければ、これらが見えるはずもありません。


「あ、あれ!なんて大きな夕陽なのかしら!」

 いつも何気なく通り過ぎている小さな窓から、いつもより数倍大きな夕陽が見えた時、


「いけない、子どもたちが帰ってくる時間だわ」
われにかえってつぶやくと、
「ふん」
トロリじいさんがすぐ近くにいて、鼻で笑いました。

「あれを見なされ」


「やだ、何これ!」
 気がつくと 勝手口のドアのそばに、無作法な犬の忘れ物がありました。

 シントロラが思わず自分の鼻を手でつまむと、
 ぎゅうっ!
また体がしぼられる感じがして、体が大きく揺れたと思うと、元の大きさに戻っていました。
 歯ブラシとぼろきれは、床にポーンと散らばっています。

 「あ・・・、鼻をつまむのが元に戻る方法なのね」

 シントロラは、少しうらめしげに夕陽を見上げながら、その日起こった出来事を、順ぐりに思い出していました。


8月4日の日記へ続く







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最終更新日  2006.11.28 20:13:25
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