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2006.11.27
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カテゴリ: ファンタジー
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(以下は、前日の日記の続きです)↓



 シントロラのだんなさんは、
「それならどうして電話してこないのか、顔を合わせることもできないなんておかしい」
とすぐ思いました。

 けれどあの変わり者のシントロラのこと、彼女の思いを全て伺い知ろうとして、いつも的外れだったことを思い出すのです。

 2~3日ふさぎ込んでいることがあると思えば、家に通っていた野良猫が姿を現さなくなったと言ったり、どんな声をかけても返事しないことがあると思えば、推理小説に夢中になっていたこともありました。

深く考えこんだり心配したりするほど、大したことでない事の方が多いので、だんなさんは、「今度もきっとそうなのだろう。気楽に思うようにしよう」



「どうか、僕の知らないところで彼女に災難が振りかかっていませんように…。
神様、シントロラをお守り下さい」

 だんなさんは食事の前と寝る前に、手を組み目をつぶり、そう祈りました。
シントロラは何気なくその様子を見、低いつぶやき声を聞き、
「自分はなんて愛されているんだろう」と、
しわだらけの頬に涙がこぼれるのを感じました。

 子どもたちも
「ねえパパ、ママはいつ帰ってくるの?
いつまで我慢しなきゃならないの?…ちょっと寂しいよ…」
と、パパを不安がらせないように小さな声色で、気遣わしげに言うのでした。

 するとそこでも、シントロラはしわだらけの目じりに熱い涙が溢れるのを、こらえることが出来ませんでした。




 子どもが食べこぼしをしたり、夫が作りおきの料理を温めすぎたり
(火を止めてあげたいと思いました)、けれど手出しをすれば、超常現象を不思議がられてしまうから、動けずにいました。

 小さな身体でいつもの家事をこなすことは、けっこう重労働でした。

 けれどミトン手袋をはめていたり、年老いた小人の格好をしているわりには、細かい動きが出来たし、ミトンも服もちっとも汚れないのが、不思議でした。
きっと魔法がかかっているんだわ…。シントロラは思いました。


「目が覚めた時、これが夢だってわかったら、どんなに素晴らしいことかしら」
と思い巡らし、そして朝が来ると、何度鏡を見ても自分の姿が元に戻っておらずにがっかりする、
という日々が続きました。

 ずいぶん長い年月がたったように思いましたが、それは、身体が小さくなってから、三日目の朝でした。



 次の日の日記に続く






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最終更新日  2006.12.02 20:57:34
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