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2005.08.27
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名探偵症候群

~カッパ・ノベルス~

 腐れ縁が続いている花連の結婚式に招待された、私―相原茅乃。私の両親も結婚式に招待されていたのだが、私の母は、余計なことを吹聴していた。茅乃が、素敵な彼氏を連れてくる―。結婚式の招待を受けた日、私は、自分が結婚すると信じていた男性から別れを告げられていた。
 意地になった私は、仕事でエスコートを取材することに便乗して、エスコートを雇って結婚式に向かうことにする。打ち合わせをした目立たない男性にかわり、当日やってきたのは、美形の男性―刑部芯だった。
 式前日。関係者は、山奥のホテルに集まっていた。料理に入っていたゴキブリの死体。ずたずたに裂かれたウェディング・ドレス。そして、殺人…。
 事件の捜査に積極的な刑部。私はあまり乗り気ではなかったが、次第に、名探偵になろうと奮闘する。

 ロココロココ…。最初の方、やたらとロココが強調されているあたり、嶽本野ばらさんの『下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん』を連想しました。もっとも、私は『下妻物語』の冒頭あたりをぱらぱらと読んだことしかないのですが…。この作品も面白そうだし、いつか読みたいと思っています。
 ともあれ。相原さんの一人称の文体は、相当テンション高いです。ちょっとした話題からどんどんわき道にそれていき盛り上がる…。
 刑部さんのルックスは、『眼球蒐集家』の美咲さんを連想せずにいられませんでした。要は美形なんですよね。最初はまともな人のようにみえて、奇人っぷりがうかがえるようになっていくあたり、美咲さんとは違っていますが。私はどちらかといえば美咲さんのが好きですけど…。どうでもいいことでしたね。

 とにかく文体が好きです。「ソバカスなんて、気にしないわ」の替え歌はかなり笑えましたし、オレオレ詐欺についてのカスミさんとアキコさんのトークも笑えました。もちろん、実際に被害にあった方々のことを考えれば、笑い事ではないのですが…。
 古今東西のミステリについてもユーモラスに言及されていて、良かったです。ついていけたのが、金田一耕助さんネタくらいでしたが…。相原さんが、金田一耕助大先生と言っているのは、なんだか嬉しかったです。金田一耕助シリーズから、私はミステリにはまったのですから…。
 動機や、殺人現場(遺体の状態)などの描写は重いはずなのに、全体を通して楽しく読めたのは、やはり文体のおかげでしょう。帯裏に、「長編ロマンティック・コメディ」と書かれています。「ミステリ」という形容じゃないんですね…。





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Last updated  2005.08.27 22:41:08
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