のぽねこミステリ館

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2006.11.27
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~小学館、2006年~

 もともと、小学館eBOOKSで配信されていた作品だそうです。以下、簡単に内容紹介と感想を。

 僕―深澤英都が、夜勤明けで帰宅している途中、奇妙なことが起こった。いつのまにか、女もののカーディガンが僕の頭に巻かれていた。その直後、僕の頭を衝撃が襲った。しかし、僕は、僕の頭にカーディガンを巻いてくれた女性を見ていた。そして、一目惚れしてしまっていた。酒屋のバイトをしている僕があるバーを訪れたとき、偶然にも彼女をそこで見かけることになり、なんとかして彼女と会いたいとしているうちに、あらためて話をする機会を得ることになる。
   *
 ある能力を持ち、そのために友人を二人「殺して」しまっている私―里浦希莉絵は、ストーカーのようにやってくる深澤を恐れていた。二人がはっきりと話をする機会があったとき、彼は私を助けてくれていた。そして、ところどころに感じる彼の人柄の良さから、完全に嫌っているわけではなかった。しかし、彼まで自分の能力の犠牲にしてしまうのが嫌だった。
 自分の能力について、深澤に話をした。もうつきまとわないように。しかし、彼はやって来た。頼みがあるという。
   *
 深澤のバイト先の友人―市村にあてられた二つのメール。彼が暮らしていた全寮制のフリースクールの何者からのもので、そこには殺人予告と自殺予告とおぼしき文面が記されていた。市村は、深澤に事件を未然に食い止めたいと依頼をする。その依頼を、深澤は希莉絵に持ちかけた。彼女の能力をいかして、事件を食い止めるために。

 そして、差出人を特定する前に、伏線ともいうべき事件が起こる。女子学生が、山の斜面に落ちてしまった。彼女は、誰かに突き落とされたらしいと言う。

 第一部は深澤さんのストーカーみたいな行動が印象的です。希莉絵さんが、割と容易に彼に心をひらくのが、私にはあまり理解できませんでした。
 第二部の、ミステリ部分の展開はわくわくしました。しかし、本作は別段ミステリとしてどうこう、というより、不思議な能力をもつ女性と、彼女に恋いこがれる男性の恋の物語、としての性格が一番だと思います。ミステリ部分の人間模様を通じて描かれたものも素敵な要素でありますが、物語終盤で深澤さんと希莉絵さんのつながりが深くなっていく過程の方が印象に残りました。
 全体的に、特に希莉絵さん視点から見た深澤さんはとても軽薄そうな人間ですし、先にも書いたように物語序盤の彼の行動は行き過ぎたところもあるように感じますが、それでもラストではかっこよいと感じました。

 すみません、今日もまだ風邪でしんどくて、感想など書くのもいささか疲れ気味です…。
 昨日は筒井さんの小説を読む以外はほとんど寝ていたことを考えると、今日は本書もあわせ二冊読んだ分、少しは回復していますが、まだいささかしんどいです。今日はもう、家で作業をはじめるつもりだったのですが、こんな体調なので横になって本を読むことにしたのでした。





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Last updated  2006.11.27 18:29:32
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