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2007.07.25
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~新潮文庫、2002年~

 最近(?)、映画にもなった作品の原作です。それでは、内容紹介と感想を(どこまでいくと、いわゆる「ネタバレ」なのかいまだによく分からないのですが、感想の方ではちょっと踏み込んで話の筋にふれますので、ご注意ください)。

 財団法人・精神医学研究所の時田浩作と千葉敦子は、ノーベル賞受賞の候補者にもなっている優秀な研究者だった。時田は、夢をモニターに映すことができるPT(サイコセラピー)機器の開発に力を注ぎ、千葉はPT機器を利用して患者の夢を見ることで、その治療に力を注いだ。その千葉には、パプリカという裏の顔があった。精神科にかかることをはばかる重役たちの夢を分析し、あるいはその人物の夢に自分自身が入り込み治療していく、夢探偵である。
 所長の島の依頼で、6年ぶりに出動したパプリカは、自動車部品メーカーの重役・能勢の治療を行う。
 その頃、島、時田、千葉をねたむ副理事長の乾、その腹心の部下の小山内らが、3人をおとしいれるための行動に移っていた。時田が開発した、小型化されたPT機器ともいうべき、他者の夢に容易に入ることのできるDCミニが乾らに奪われ、パプリカは取り戻すために、乾たちと戦うことになる。DCミニを駆使した闘いの中で、次第に夢と現実の境界がぼやけていく……。

 これは面白かったです。千葉敦子さん(あるいはパプリカ)というヒロインが敵と戦うあたり、どこか七瀬シリーズを連想しました。
 作品は二部構成になっていて、第一部では、主にパプリカが二人の患者を治療すること、研究書の内部抗争が過激になっていく過程が描かれます。そして第二部で、奪われたDCミニをめぐる闘いが主に展開されることになります。その中で、第一部でパプリカに治療された能勢さんと粉川さん(こちらは警視監です)が、パプリカの味方となって戦うのが嬉しかったです。
 夢分析の描写も面白かったです。もやもやしていた部分がはっと明らかにされるところなど、わくわくしました。






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Last updated  2007.07.28 18:35:55
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