のぽねこミステリ館

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2007.11.12
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~講談社ノベルス、1999年~

 安藤直樹シリーズ第三作です。今回は、ミステリ色が強いですね。
 では、内容紹介と感想を(多少物語が進むところまで書きます)。

ーーー

 僕―穂波英雄は、同期生の二人の人物が気になっていた。一人は、片思いの相手である管野香織。もう一人は、「笑わない男」安藤直樹。ふとしたきっかけに安藤に話しかけ、「友達」としてふれあえるようになった頃、同じく安藤に興味をもっていた管野が僕に話しかけてきた。そして、雨宮もくわえた四人で、よく遊ぶ仲になった。
 その管野が、大学の構内で殺された。彼女の首は切断され、持ち去られていた。犯人は、なぜ彼女の首を持ち去ったのか―。
 管野が殺されてから、二人の学生が大学に姿を見せなくなった。同性愛の関係にあるのでは、と噂されていた、根本美佐江と藤崎由紀の二人である。管野の事件から一週間の後、根本の遺体が発見された。彼女の首もまた、持ち去られていた。
 管野の婚約者である田上は、三年前、管野の兄が殺害された事件で香織と知り合っていた。彼女の死により、事件に私情をはさむということで事件の捜査を外された彼はしかし、独自に捜査を進めるべく、一緒に飲んだ経験もある僕たちに接触してきた。一緒に事件の解決をしてほしいというのだった。

 ミステリが好きな留美は、ある事実に気付いた。藤崎葵というミステリ作家の最新作の、最初の被害者が、首を切断されていること。その被害者の名前が、カンノであるということ。そして、藤崎葵は、失踪している藤崎由紀の夫だった。

ーーー

 『記憶の果て』では、安藤さんが大学に入る直前の「事件」が語られましたが、こちらは、その後の話ですね。
 連続殺人。首を切断し、持ち去った動機の謎。3年前の殺人事件。さらにさかのぼる、自殺。1年前の、作家の自殺。ワイヤーで首を吊ったために、首が切断されていて。彼に影響を与えた作家の、伝説的な死。密室内で首を吊ったその作家は、ロープで首を吊っていたにもかかわらず、発見時には首が切断されていた…。
 …と、これまでの二作の趣向よりも、ずっとミステリとしての要素が強い事件が絡み合います。もちろん(?)、前二作で語られたことは前提条件として語られます。なので、いきなり本作を読むと、唐突に感じてしまう場面もあるかと思います(前二作を読んでいても唐突さにびっくりしました)。

 今回再読しましたが、ほとんど忘れていたので、新鮮な気持ちで読めました。
 しかしこうして読み返していると、安藤直樹シリーズも、松浦純菜&八木剛士シリーズのように、特に説明なしにそれ以前の作品で描かれたことが登場しているなぁということに気付きます。基本的には、一冊ごとに完結しているかと思うので、松浦シリーズほどの飛ばしっぷりではないですが…。

 なにはともあれ、こちらも面白かったです。





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Last updated  2007.11.12 06:15:32
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