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2009.01.02
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森博嗣『夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER』
~講談社ノベルス、1998年~

 S&Mシリーズ第7作です。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
1997年、夏(西之園萌絵、22歳;犀川創平、35歳)

 『幻惑の死と使途』事件の直前、西之園萌絵とマジックショーを観に行った簑沢杜萌が、自宅に帰ってからの話。
 2年ぶりに戻った自宅には、父も、母も、姉もいなかった。新しくきているという家政婦の佐伯によれば、急の来客でどこかへ出かけたという。杜萌は疲れもあり、眠りに就いた。
 翌朝、事態は急変する。彼女の部屋には仮面をつけた男がひそんでおり、彼女はとわられの身となる。彼女の家族は、別荘の方で監禁されているようだった。

 また、3年前のある事件をきっかけに自室に閉じこめられていた兄も、失踪していた。
ーーー

 事件自体はもやもやと…。しかし、物語全体に流れる雰囲気(静謐なというか、繊細なというか)が素敵で、私にとってS&Mシリーズの中で最も好きな作品といえます。
 西之園さんは同時期の 『幻惑の死と使途』 事件や大学院入試の準備の忙しい時期ということであまり登場はしませんが、高校の頃からの友人のために素敵な役割を果たします。たしかに、シリーズが進むにつれて、彼女は変わっていきますね。
 事件の真相の方はすっかり忘れていたので楽しめましたし(というか、これは悲しくなりますね)、先にも書きましたとおり、雰囲気をじっくり味わいながら読みました。

 それでは、大好きな1節を引いておきます(文字色反転)。

 きっと、買ってきたばかりのスケッチブックのように、真っ白なページばかりが続いている、なんとなく気の休まる風景。

 何も残らない。
 結局、スケッチブックは、真っ白のままで、終わってしまうのに違いない。

( 344 頁)

(2009/01/01読了)


ーーー
 あらためまして、あけましておめでとうございます。


※なお、本日1月2日午後より新居で過ごし始めますので、コメントなどいただいてもしばらくはお返事できません。次回は1月10日あたりに、いったん実家に戻りブログをチェックしたいと思っています。記事を書いていたらアップして、新居のネット環境をととのえる準備もしたいです。
 家事もすることになりますし、読みたい本はたまっていますし、ネットを少しお休みするのも良い機会かと考えています。





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Last updated  2009.01.02 07:53:15
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