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2009.04.15
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~講談社文庫、1993年~

 名探偵・信濃譲二が活躍する家シリーズ第3弾です。
 それでは、内容紹介と感想を。

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1989年4月~6月。

 俺―信濃譲二は、アマチュア劇団「マスターストローク」の劇「神様はアーティストがお好き」の制作に携わることになった。演出の風間、脚本担当の滝川とはウマが合わないと感じるところもあったが、そこはなかなか楽しい仕事場となった。
 彼らには、悲劇的な過去があった。6年前、上演中に、メンバーが死んでしまったのだ。リアリティを追求した小道具の槍が、その原因だった。そのメンバーの父、建築家の伊沢は彼らを憎んだが、近年は演劇に対する理解もでき、彼らに舞台を提供することになった。「神様はアーティストがお好き」は、その舞台で行われる。
 劇場は、ちょうど卵のような形をしていて、内部の黄身にあたる部分は、円形の舞台を、客席が取り囲むような形になっていた。360度を観客に囲まれた舞台でついに劇がはじまった初日、事件が起こる。小道具のナイフが本物と入れ替わっていたために、メンバーが怪我をしたのだった。幸い、傷が浅く彼は死を免れたが、俺はさらなる事件が続くのでは、と危惧する。というのも、滝川のアパートを訪れたとき、そこで脅迫状を目にしていたからだった。

ーーー

 10数年ぶりの再読です。土日を利用して、家シリーズ3作を一気に読んでみましたが、本作がいちばん面白かったかもしれません。
 提示される謎は、第2作の 『白い家の殺人』 や第1作 『長い家の殺人』 の方が不可解性に満ちていて、興味をそそります。けれども全体の構成や物語を通してみたときは、本作がいちばん良かったように思いました。
 作中作というほどではありませんが、本作中で描かれる「神様はアーティストがお好き」もとても面白いです。
 書きたいことを書いてしまうと興ざめになってしまいますので、記事はこのあたりで終わりにしますが、良い読書体験でした。

(2009/04/12読了)





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Last updated  2009.04.15 06:34:06
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