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2009.07.31
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~文春文庫、2003年~

 土屋賢二先生のエッセイ集です。
 どのエッセイも興味深く読みました。特に笑ったのは、「命がけの原稿」です。その他、助手の方とのやりとりはどれも楽しく、楽しみなコーナー(?)になっています。

 本書で考えさせられたのは、「みんな専門家」と「不合理な感情」です。

「みんな専門家」では、個性重視(=特別な能力重視)の教育が叫ばれているけれど、それは本当に正しいのか、という問いかけになっています。「 個性重視の流れの中で、勉強ができなくても歌や踊りや絵が上手という子供も評価すべきだと言われている。だが、[……]歌も絵も工作もスポーツも下手な子供はどうしたらいいのだろうか。これでは、何も特別な能力がない平凡な子供は駄目だということにならないのだろうか 」というのですね。さらに、「 特別な能力だけが人間のとりえではない。特別な能力はなくても、思いやりがあって、足りることを知り、功名心に走らず、勇敢で、公平で、グチをこぼさず、責任感があり、いつも楽しそうにしている人の方が尊敬できる。そこまで立派でなくても、外見、性格、才能のどれをとってもとりえがないのに楽しそうにしている人の方が、歌が町内で一番上手なのにわがままな人よりも尊敬できるのではないか 」。うなづきながら読みました。

「不合理な感情」は、ドナー登録に関しての、土屋先生と学生さんの会話のかたちになっています。『汝みずからを笑え』でも、死生観についてのエッセイがありましたが、こちらも考えさせられました。



(2009/07/28読了)





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Last updated  2009.07.31 07:01:08
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