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2009.08.13
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司凍季『悪魔の水槽密室―「金子みすゞ」殺人事件』
~光文社文庫、2002年~

 一尺屋遙シリーズの長編です。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
8月下旬。

 作家の八追純平は、金子みすゞについて取材をするため、山口県仙崎を訪れた。彼はその電車のなかで、奇妙な体験をする。まるで金子みすゞを思わせるかっこうをした若い女が、いつの間にか消えてしまったのだった…。
 駅には、とっていた旅館「薔薇の家」の使用人にして看護婦の春山幸恵が迎えにきてくれていた。旅館に向かう中で、彼女はそこの人々の簡単な境遇を話してくれた。朱鷺絵という、旅館の娘(ただし両親とは死別しており、旅館の経営者は義伯父たち)が、最近婚約を解消していること。女将さんが重度のリウマチにかかっていること。不動産業を営む旅館の旦那に、彼女が良い思いを抱いていないことも窺えた。
 さらに宿では、幸恵も含め、旅館の関係者たちが20年前に事故に遭っていたことを知る。落石をよけきれなかったバスが海に転落し、何名も命を落とした、それは大きな事故だったという。


 さらに、八追は、朱鷺絵が、何者かに脅迫されていることを聞く。また、旅館で朱鷺絵に会った八追は、彼女が電車から消えた謎の女にそっくりのことに驚く。実際には、別人であるようだが…。
 そして、ついに殺人事件が起こる。顔をめちゃくちゃにされたストリッパー。水槽のような状態の密室になったホテルの部屋で死んでいた女…。
 山口を訪れていた一尺屋遙が、事件の解明に乗り出す。
ーーー

 前回紹介した『学園街の<幽霊>殺人事件』も良かったですが、こちらも面白かったです。ただ、八追さんの人柄がどうも好きになれませんでした…。一尺屋さんが事件解明をともにする人たちは、どうも感じが良い人がいないような…。
 さて、本作はミステリとしての謎解きが魅力的なのはもちろんですが、題材となっている金子みすゞさんにまつわるお話や彼女の童話を興味深く読みました。

(2009/08/09読了)





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Last updated  2009.08.13 07:08:15
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