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2010.07.13
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相手に「伝わる」話し方

~講談社現代新書、2002年~

 わかりやすいニュース解説で有名な池上彰さんが、分かりやすい話し方について書かれた一冊です。テレビでの解説はもちろんですが、本も簡単な言葉で、とても分かりやすく書かれています。
 本書の構成は以下のとおりです。

ーーー
はじめに―やさしく伝えることはむずかしい
第1章 はじめはカメラの前で気が遠くなった
第2章 サツ回りで途方に暮れた
第3章 現場に出て考えた

第5章 「わかりやすい説明」を考えた
第6章 「自分の言葉」を探した
第7章 「言葉にする」ことから始めよう
最後にもう一言
ーーー

 本書は、分かりやすい話し方は「こうあるべきだ」というような性格ではありません。むしろ、それこそ簡単にいえるものではない。というんで、いままでの池上さんの経験談と、いろんな場面で、あるいは日常的に、どのようにご自身が考えてこられたかが語られています。
 すごいなぁと思うのが、自分の失敗もどんどん書かれていること。だからこそ、読む人はそこから学べるものが多いのだと思います。理想論やきれいごとだけで済ませるようなことはされていないのですね。
 第6章では、生放送番組の中で間違った発言をしてしまったとき、それを指摘する苦情に対して誠実にお詫びするようにしてきた、ということが書かれています。そのとき、単に「先ほどの説明に一部誤りがありました」と済ませるのではなく、どこかどう違っていて、何が正しかったのか、きちんと明確にする―当たり前のことですが、人間はなかなか自分のミスを正直に謝れない部分もあるので、この姿勢は参考にしていきたいです。
 経験談の中で興味深かったのは、ある事件をいち早く知って現場に駆けつけた池上さんの写真撮影を妨害した現場指揮官の話。喧嘩になって、翌朝も腹の虫が治まらない池上さん、苦情を言いにその指揮官のもとに行くと、「ゆうべはがんばっとったねえ」という一言が返ってきたのでした(55-56頁)。立場上、取材の妨害をしたが、池上さんの熱心さを褒めていらっしゃったというのです。素直にそういえる指揮官さんの姿が、なんだかかっこよいと感じながら読みました。

 池上さんの本をいろいろ読んできていますが、こちらも面白かったです。

(2010/06/27読了)





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Last updated  2010.07.13 07:16:26
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