のぽねこミステリ館

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2015.05.09
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~文藝春秋、2014年~


 ノンシリーズの長編ミステリです。
 まずは、簡単に内容紹介と感想を。

ーーー
 事故の後、なんとか一命を取り留めた糸永遥だが、彼女は事故の前後の記憶を失っていた。まずは自分自身の名前すらも、忘れていた。ただ口走っていたのは、雅人という名前。おそらく、それは自分の恋人だったと思われるが、彼のことすらも、ほとんど忘れていた。
 リハビリを続けながら、少しずつ、親友のことや自分の家族のことを思い出していく遥だが、事故当日のことは思い出せない。鬱の症状も深刻化していく中、彼女は、脳のある部位に電磁波をあて、鬱の症状を改善させるという治療を受けることとなる。
 治療を受けながら、少しずつ雅人のことも思い出していく。その中のキーワードは、「幻肢」。腕などを失った人が、存在しない腕などがそこに存在すると感じ、また痛みなども感じるという「幻肢」は、幽霊の存在を説明するにも有効だと、雅人は語っていた。そこで遥は、雅人の「幻肢」を見たいと望むようになり…。
ーーー

 これは面白かったです。 『21世紀本格宣言』 などで、脳のミステリーの重要性を強調している島田荘司さんが、まさに正面切って描いた脳のミステリーです。

 島田荘司さんのすごいところは、先述の『21世紀本格宣言』などで掲げる理念を物語りの実践に見事に反映させ、またそれが抜群に面白いところだと思います。
 やっぱり島田荘司さんの小説は面白いです。良い読書体験でした。





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Last updated  2015.05.09 12:51:39
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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