のぽねこミステリ館

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2015.07.18
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~名古屋大学出版会、2005年~

 本書は、西洋中世を学ぶための、研究テーマや主要文献の手引き書です。
 本書の構成は次のとおりです。

―――
増補改訂にあたって
はじめに

第I部 テーマ別の諸問題
 第1章 中世初期の世界
 第2章 封建社会
 第3章 中世国家論

 第5章 都市社会の諸相
 第6章 教会と修道院
 第7章 宗教運動と想像界
 第8章 文化の位相
 第9章 市場と交換
 第10章 中世後期の社会と文化
第II部 国・地域別の諸問題
 第11章 イングランド他
 第12章 フランス(含ベルギー)
 第13章 ドイツ他
 第14章 スペインとポルトガル

 第16章 スカンディナヴィア(含アイスランド)
 第17章 東ヨーロッパ
 第18章 ビザンツ帝国

文献一覧
執筆者一覧


 本書は、構成に掲げたような様々なテーマについて、どのような研究が行われてきたか、今後どのような論点が掘り下げられていくべきかを示しています。もちろん、そうした先行研究を紹介するために、多少通史的な概説にふれていますが、いわゆる概説書とは異なる文献です。

 日本語で読める文献を中心として、意義深い文献が紹介されています。必読に値する文献についてははっきりとその旨が示されます。ある文献の研究史上の位置づけが示されたり、意見を異にする諸文献についてはそれぞれの立場や意見が紹介されたりと、ある分野についてどのような研究がなされてきたのかについて、わかりやすい見取り図を与えてくれます。多少の批判とともに紹介される文献もあります。

 恥ずかしながら、私は卒業後何年(?)もしてから本書を手に取ったわけですが、西洋中世史を勉強したいと考えている方は早いうちに本書を手にすることをおすすめします。誰がどういう研究を(あるいは自分の関心のある研究を)しているのかは、巻末の文献目録を眺めるだけでも見えてきますし、また繰り返し紹介される文献については、やはりその重要度が高いということも見えてくると思います。

 こんなタイミングになってしまいましたが、それでも本書を手にとって良かったです。





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Last updated  2015.07.18 13:22:42
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