昼近くに救急車が近くに止まったので行ってみると、近所のオヤジさんが畑仕事をしていて倒れていたとのこと。通りがかった人が気づいて救急車を呼んだのだという。いつもは夫婦二人で野良仕事をしているのだが今日は奥さんが留守だった。息子さん夫婦は金沢で仕事をしている、この辺の典型的な老人家庭でもある。
救急車の近くに集まった人々は、ほとんど私より年配者ばかり。その中には救急車にお世話になった人も何人かいる。出会う人みな「誰やいね?」と尋ねあう合言葉。先週も救急車で運ばれた近所のおじいさんが亡くなったばかりだから、またか?と心配そうな人々だ。
小学校の校庭でグランドゴルフ大会があり、フェンスの向こうから救急車を眺めている人々。救急車を見送って家に帰る道すがら、「誰やいね?」「なしたがいね?」と何人にも問いかけられた。やっぱり私より年長者ばかり(^^;
「よそべ(屋号)本家のとーちゃん、意識もあるし話もできるし、大丈夫やわね」
と言うと、安心してプレーに戻っていった。
家に戻るまでに同じような答えを繰り返しながら、ここから病院へ到着するのは20分後、本当に緊急の場合は手遅れになる。そういう地域に暮らしている。同じような生活環境の背景を抱えている何人もの人に問われ、そのたびごとに「大丈夫そうだ」と言うと、いつもの笑顔に戻る。
そこがエライ。皆、人生の達人のように思えるわ。切り替えの早さに、私のほうが付いていけない気分。
田舎の暮らし。この先の社会条件、生活環境が更に悪化するだろうとは分かっていても、変わらないこと、良くならないことにも苦情や文句は言わない。その時々、あるがままに受け入れていくのが、この土地で平穏に生きていく知恵でもあるかのようだ。達観しているのかもしれない(^^;
そういう達人や仙人への道は遠いな~と思う。いずれにしても私は脱力系の気分(^^ゞ
風が出てきて雨が強くなり、稲光りと雷鳴が空を駆け巡る。冬が近い。停電するかもしれない夜になってきた。